KARATE KILL/カラテ・キル(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

KARATE KILL/カラテ・キル(ネタバレ)

KARATE KILL/カラテ・キル

KARATE KILL/カラテ・キル

原題:Karate Kill
2016/日本 上映時間89分
監督・脚本:光武蔵人
エグゼクティブプロデューサー:久保直樹
プロデューサー:岡崎光洋、柳本千晶
撮影:今井俊之
編集:サム・K・ヤノ
音楽:ディーン・ハラダ
アクション監督:田渕景也
出演:ハヤテ、紗倉まな、亜紗美、カーク・ガイガー、カタリナ・リー・ウォーターズ、トム・ボス、鎌田規昭、デビッド・サクライ、北村昭博、加藤雅也、仁科貴
パンフレット:★★★(800円/ちょっと薄いけど、意外と文章は多め。高橋ヨシキさんの序文も素敵だし、買ってあげて!)
(あらすじ)
寡黙でストイックな男・ケンジ(ハヤテ)は過酷なバイトを掛け持ちしながら、ロサンゼルスに留学した妹のマユミ(紗倉まな)に学費を送金していた。ある日、マユミと一切の連絡が取れなくなり、不安を感じたケンジはアメリカへと飛ぶ。そしてケンジは、テキサス州エルパソ郊外の辺境にある謎の組織で、本物の拷問や強姦、殺人をインターネット配信している「キャピタル・メサイア」にマユミが捕らえられていることを知る。「空手で強くなって、絶対にマユミを守ってやる」と子どもの頃に誓った約束を胸に、ケンジは殺人空手を繰り出し、カルト集団に立ち向かっていく。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




89点


「9月はどんな映画がやるのカナー (・∀・)」なんて「ぴあ映画生活」をチェックしていたら、① やりすぎ感の強いビジュアルのポスター、② ダイレクトにもほどがあるタイトル、③ 低予算ムードを漂わせながらも主人公が躍動する予告編などが僕のハートを直撃!地獄拳であり、あなたのハートにテレポートTCGメンバーズカードを持っている=いつだって1300円で観られるにもかかわらず、あえて応援の意思をこめて1400円の前売り券を購入しましてね(どことなく恩着せがましい文章)。公開週の月曜日、シネ・リーブル池袋で観たんですが、大好物でした (´∀`) オイシー


シネ・リーブル池袋、7割ぐらいは入ってた印象。
シネ・リーブル池袋

上映後は、監督&ハヤテさん&亜紗美さん&岡崎プロデューサーのトークショーがありました。豪華!
監督&出演者トークショー


最初にあらすじを書いておくと、ハリウッドで女優になることを夢見てアメリカに留学した妹・マユミのためにバイトを4つ掛け持ちして仕送りをしていたケンジは(バイト先の上司が加藤雅也さんでビックリ)、ある日、妹と連絡が取れなくなったため、渡米。妹を守るために幼いころから磨いてきた空手を駆使して暴力捜査をスタートすると、マユミは兄をアメリカに招待するためにキャバクラでバイトしてたら、店の借金のカタとしてカルト集団「キャピタル・メサイア」に拉致されていたことが判明。“かつて拉致されて片腕を奪われた元自衛隊の女”ケイコ(亜紗美)の助力を得て敵のアジトを襲撃すると、ケイコを殺されたり、剣豪(デビッド・サクライ)と死闘を繰り広げたりした挙げ句、教祖を貫手で殺害しましてね。ケンジは半死半生になりながらも妹を救って終わってましたよ。


空手を駆使して妹の行方を探るケンジ。フリーターが強いというのは、昔のカンフー映画的でもあるような。
妹を捜すケンジ

妹のマユミを演じたのは紗倉まなさん。ヌードやら片乳ポロリやらサービスシーン多めなのです (〃∇〃) エヘヘ
マユミ(紗倉まな)

カーク・ガイガー演じる教祖。超ムカつくクズですが、逆襲された時に「ヘイトクライムー!ヽ(´Д`;)ノ」と叫んで逃げるシーンは笑った。
教祖バンデンスキー


この映画で僕が非常に良かったと思うポイントが3つあって。1つ目は、主人公が使う“空手”がユニークだったこと。パンフやらこちらのタメになる監督インタビューやらによると、主人公を演じたハヤテさんが使う武術は「手(ティー)」と呼ばれた琉球武術の流れを受け継ぐ空手なんだそうで。「目潰し、金的、関節などの急所攻撃をも用いる」「金的、ヒザ関節への攻撃を警戒するため構えは極端に低い」「目潰し、金的攻撃の後、逃走術により姿をくらます」などの特徴があって、通常の空手表現とは違う細かい戦闘描写が実に面白いのです。しかも、ハヤテさんはその逃走術のスキルをパルクールに応用することで、パルクール・コーディネーターとしても仕事をされているというのだから、スゴい話。


劇中で演武を見せるシーンがあるんですが、かなり独特な動きであり…。
「手」の演武

「中国で幼いころの愚地克巳を見て驚く愚地独歩」のような気持ちになりましたよ。
ド肝抜かれたね


本作を観てすぐ、伝統派空手を扱った長崎俊一監督の「黒帯 KURO-OBI」古式ムエタイを見せつけた「マッハ!!!!!!!!」シラットを知らしめた「ザ・レイド」などを連想したんですが、無類の格闘技マニアというエグゼクティブプロデューサーの久保直樹さん(実写版「餓浪伝」の脚本家&「名無しの十字架」の監督!)は、実際に「未知の武術(a.k.a.UMA武術)を見せたい」という強い思いから本作を企画したそうで。素手で耳を引き千切ったり、目潰しをしたり、貫手で殺害したりといった殺人空手描写が素晴らしいのはもちろんのこと、古来から伝わるレアな武術を多くの人に披露したという点でも価値がある作品だと思ったり。


「武術は生き残ることが大事=逃走術を磨く」という発想が素敵。パルクールシーンも楽しかったです。
パルクール


2つ目は、弾丸を避ける特訓シーンがあったこと。僕は小さいころから格闘アクション映画の特訓&修行シーンが大好物でしてね。最初から主人公が強い本作にはそんな場面はないだろうと思っていたら、なんと「銃対策の特訓」を始めるからテンションはガン上がり(若干の親父ギャグ風味を漂わせながらーー)。まぁ、正直なところ、ちょっと地味ではあったというか、もっとケレン味溢れる特訓が観たかった気持ちもなくはないんですけれども。昔から銃などに素手で立ち向かうキャラクターを愛しているので、亜紗美さん演じるケイコの射撃を前転で避けるシーンなどは、結構グッときちゃった次第 (´∀`=) サイコー


弾丸を避けるシーン、頑張ってましたねぇ…(しみじみ)。
弾丸を避けろ!

唐突ですが、素手で銃に立ち向かう“沖縄の空手ヤクザ”当間達也を貼っておきますね(「ドーベルマン刑事」より)。
空手ヤクザ・当間達也


3つ目は、剣豪とのバトルが楽しかったこと。戦いの舞台設定が「移動するトレーラーの中」というのが考えられているし、剣豪を演じたのが「リザとキツネと恋する死者たち」トミー谷を好演したデヴィッド・サクライさんだったのも超高ポイント。かなり動ける方であり、「リザと〜」のパンフに「2010年アメリカのアクション・オン・フィルム映画祭で、注目のアクションスター(Breakout Action Star)賞を受賞」なんて書かれていたのもブラフじゃなかったんだなぁと(さりげなく失礼な文章)。本作に出演されているのを知らなかったので、出てきた時はスゲー驚いたし、真剣な表情でカタコトの日本語を話した時は萌えました (´Д`;) ハァハァ


ケンジの前に立ちはだかるプロフェッショナルな殺し屋・剣豪!
空手vs剣

トレーラーの壁を走ったりとか、見どころが多いバトルなのです (´∀`) タノシー
トレーラー内のバトル

ちなみに「リザとキツネと恋する死者たち」のデヴィッド・サクライさんはこんな感じなのでした↓




その他、思ったことを列挙すると、「もっと活躍するかと思ってた亜紗美さんのアッサリした死にざまにはビックリ」とか「北村昭博さんやカタリナ・ウォーターズが出てたりとか、キャストが何気に豪華」とか「鎌田規昭さんも頑張ってたね」とか「酒場のシーン、キューで殴りかかってくる場面がなかったのは残念」とか「紗倉まなさんのベタな妹芝居には萌えたし、この記事に掲載されていた『わたしもアクションをやらせてもらいましたけど、セックスと同じで体を動かすのはとても気持ちよかったです』というプロ発言にも脱帽… (`Δ´;) ヌゥ」とかとかとか。少しネガティブな文章を書きますと、予告編を観ればわかる通り、そりゃあ全体的に低予算感がムンムンではあって。CGの出血が微妙に感じる場面もあったし、長回しやハヤテさんの挙動の速さなどのせいか、動作と効果音が微妙にズレてる風に感じたところもあったし…。それと、個人的な好みですけど、もっともっともっと目潰しや急所攻撃による惨殺描写を堪能したかったという部分がなくはない。


こんな地獄絵図が観たかった…って、これだとR18指定になりそうですな(「グラップラー刃牙」より)。
武術における敗北


ただ、基本的には「作ってくれてありがとう (´∀`) スキヨ」と感謝したい気持ち。とりあえず“この手の格闘アクション映画”が好きな人は足を運んでも損はないんじゃないかしらん。もうね、光武蔵人監督とハヤテさんは今後要チェックの逸材であり、本作がヒットすることで、こういう「武術家が素手で人を殺す映画」がもっともっと作られればいいのにな、そうだったらいいのにな (o^-')b オシマイ




唯一観ている光武蔵人監督作。僕の感想はこんな感じ



スゲー気になる光武蔵人監督×亜紗美さん主演作。結構グロそうです。



ハヤテさんの映画デビュー作ながらも、あまり印象に残らなかった作品 (´・ω・`) スミマセン 僕の感想はこんな感じ



デヴィッド・サクライさんがトミー谷を演じたハンガリー映画。僕の感想はこんな感じ



同じタイトルの映画がありましたよ…。日本語字幕などはないので、気をつけて!