ディーパンの闘い(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ディーパンの闘い(ネタバレ)

ディーパンの闘い

ディーパンの闘い

原題:Dheepan
2015/フランス 上映時間115分
監督・脚本:ジャック・オーディアール
脚本:ノエ・ドゥブレ、トーマス・ビデガン
音楽:ニコラス・ジャー
出演:アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサン、カラウタヤニ・ビナシタンビ、バンサン・ロティエ
パンフレット:★★★★(720円/スリランカについての解説記事が助かりました)
(あらすじ)
内戦下にあるスリランカからフランスに渡るため、偽装家族となった元兵士ディーパン(アントニーターサン・ジェスターサン)と女と少女の3人は、パリ郊外の集合団地でささやかな幸せを手に入れようとしていた。しかしその矢先、3人は新たな暴力に見舞われてしまう。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




75点


「 ディーパンはいいー奴だから許してやってほしウィー!ヽ(`Д´)なんて書いてわかってくれるプロレスファンが読者にどれだけいるのか、そしていたところでどうなるのかと疑問に思うワケですが、それはそれとして(無駄な前置き)。何の映画を観に行った時なのかは忘れたんですが、この予告編を観た僕は、きっとこんな話だろうと思ったのです↓


スリランカからフランスに亡命するために疑似家族となる3人。
今から家族になる3人

最初はぎこちなかったものの、徐々に距離が近付いて、仲良くなっていくんですが…。
仲良くなった!

移民に対して、街の不良の嫌がらせがいろいろあったりして、“偽の娘”が大変なことになるのです。
街には不良が!

恐怖から、“偽の娘”に関わりあいたいくない“偽の母”がディーパンを諭すんですが、しかし!
あなたは父親じゃないのよ?

彼女たちに死んだ家族を重ね合わせていた彼は、骨を埋める覚悟を決めまして。
オレはどこにもいかない

でも、元兵士として暴力にはウンザリしていたので、発砲禁止区域を作ったりと、非暴力で対抗するのでした (´Д`;) アブナーイ
発砲禁止区域


予告編の中であの名作「グラン・トリノ」が引き合いに出されていて、さらにカンヌ映画祭でパルムドールを受賞していたりもするだけに、さぞ素晴らしい社会派映画なのだろうと。ただ、最近の僕は「どうせ映画を観るなら、レッツアクション!ヘ(゚∀゚*)ノ ヒャッハ-!」という嗜好が強めなのもあって、スルーしようかと思っていたんですけれども。最近、ライターデビューを果たした亮介さんが2月に開催された「タマフル&トップ5&相談は踊るオフ会」で話題にされていて、なんとなく気になり出したので、3月上旬の某日、TOHOシネマズシャンテに行ってきました。意外と好きなタイプでしたヨ (o^-')b イイネ!


TOHOシネマズシャンテ、記事の切り抜きは外に貼ってあるんですが、背が高くないと上の方の記事は読めないよね。
記事の切り抜きは外に

地下のスクリーンで観るのは初めて。10分の1ぐらいの入りだった記憶。
地下の劇場


なんて言うんですかね、基本的には思った通りのストーリーに近かったんですが、予想の斜め上を行った部分があって。ディーパンが意外と働き者で団地を修理しまくってスムースにコミュニティに溶け込んだり、不良のボスのブラヒム(ヴァンサン・ロティエ)が根っからのワルではなかったり、“偽の妻”ヤリニ(カレアスワリ・スリニバサン)や“偽の娘”イラヤル(カラウタヤニ・ビナシタンビ)は直接的な嫌がらせを受けたり酷い目に遭ったりはしなかった(銃撃戦に巻き込まれて怯える程度)…ということではなく。


団地を修理しまくるディーパン。「ゾンビマックス!」の主人公もそうでしたが、手に職って大事だよなぁ。
団地を修理

不良のボスは根っからの悪人ではなく、ヤリニには優しかったりするというね。
不良は意外とイイ奴


僕はてっきり「非暴力を貫く男の話」だと思っていたので、クライマックス、不良同士の抗争に巻き込まれたヤリニを助けに行くべく、ディーパンが武装した不良どもを血祭りに上げていく展開にはビックリしたというか。「あっ、これ大好物なヤツじゃん!(*゚∀゚)=3 ムッハー」と鼻息が荒くなったのです。ジャック・オーディアール監督は最初、「わらの犬」みたいな映画を撮ろうと思っていたそうですが、確かに終盤の殴り込み展開はそんな感じだなぁと(というか、影響を受けたという「タクシードライバー」っぽくもある)。まさか最後にアクションが待ち受けているとは思わなかったし、臨場感タップリの戦闘演出もスリリングで、スゲー楽しかったですYO!ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ この場面だけはもう一度観たいくらい好きだったり。


まさかラストにアクションが展開されるなんて! も~、早く言ってよぉ~ (´∀`) ンモゥ!
ディーパンが戦う!


あと、パリ郊外の団地の“荒んだムード”はリアルに感じられてドキドキしたし、3人でピクニックに参加する場面は幸せそうで泣けてきたし、すっかりアウトなムードの元上官にディーパンがボコボコにされるくだりとかも「元兵士の苦悩」って感じで良かったですね~。ただ、ごめんなさい、ディーパンが地下室で酒に溺れる展開はちょっとウザかったです。一応、オチを書いておくと、無事にディーパンがヤリニを助け出すと、場面は変わって、子どもが産まれて幸福そうな3人が映って終わるんですけど…。これがなかなか現実味がない&その直前の襲撃中にディーパンが頭部に被弾するシーンがあったりもしたので、「もしかして…夢!? Σ(°д°;)」と思わなくもないものの! アタシ、あの3人は幸せに暮らしてるって信じてる、信じてる!槇原敬之さん風に)


まぁ、こんな目に遭った松田鏡二さんも生きてたワケだし、「頭を撃ち抜かれる=死」という考え方が古いのかも(暴論)。
三角絞めでつかまえて-頭を撃ち抜かれる!

なんとなく宮崎吐夢さんの「私事」を貼っておきますね↓




その他、「主役を演じたアントニーターサン・ジェスターサンの『ガチの元少年兵&難民で今は作家』というプロフィールのスゴさ」とか「終盤はイラヤルの存在感が薄くなったのが残念」とか、書きたいことはあるんですが、長くなるので割愛! さすがは『預言者』の監督というか、意表を突かれて面白かったです (・∀・) ヨカッタ! 日本も他人事ではいられない難民問題とかについても考えさせられるので、気になる人は機会があったら観てみてくださいな。




唯一観ていたジャック・オーディアール監督作。僕の感想はこんな感じ



一応、貼っておきたいクリント・イーストウッド監督作。宇多丸師匠の時評はこんな感じ



疑似家族モノでは、これがスゲー好きです。僕の感想はこんな感じ