なんちゃって家族(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

なんちゃって家族(ネタバレ)

※今回の記事は、吐き気がするほどに醜くネガティブな文章が書かれていて、あまり映画の感想に触れていないので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、「なんちゃって家族」が好きな人は不快になる怖れがあるので、読まない方が良いです。
※今回の記事は、「ラスト、コーション」のネタバレに触れているので、気をつけて!


マウント斗羽に本音を吐露するアントニオ猪狩の画像を貼っておきますね。
目の上のタンコブだった


妬ましかったーー ('A`) 映画の感想の前に、凄まじく長い前置きを書きますと、僕はジャン=クロード・ヴァン・ダムのファンであり、今年からもう少し応援しようと思ってまして。まずは2/8に公開される「サバイバル・ソルジャー」を微力ながら盛り上げようと、露骨な宣伝ツイートをしたり斬新すぎる評価システム「ヴァンダミング7」を実施したりしたワケですよ。ただ、もちろん僕ごときがプッシュしたからって「連日満員御礼!ヘ(゚∀゚*)ノ ワッショイ!」なんてことになるとは1ミリも考えていませんでしたが、観客が全然いない劇場を目の当たりにするのはやっぱり寂しかったりして…。


「サバイバル・ソルジャー」の予告編を貼っておきますね↓




公開初日の第1回目、東京は大雪だったから観客が8人なのも仕方ないにせよ、その翌週、あれだけ人が多い不夜城・新宿の観客が僕を含めて6人しかいなかったのはどうなのか? 予告編を観る限り、それなりには面白そうなのに、なぜ客が入らないのか? シネマート新宿を見渡して、僕は気付いたのです。『なんちゃって家族』のせいだ!∑(゚Д゚) ハッ!」と。


エレベータの前に展示されていたサイン入りポスターを貼っておきますね。
サイン入りポスター


同時期に上映されている他のコメディ映画に客を食われている…というのは、スムースに納得できる分析じゃないでしょうか。ちくしょう、「なんちゃって~ (`∀´) ヘラヘラ」なんてふざけた邦題の映画のせいで、久しぶりのヴァン・ダム関連作が不入りだなんて…。しかも、ジャパンプレミアでは吉本芸人が宣伝してるわ、ちゃんと公式ツイッターが稼働して楽しげな企画を展開してるわ、信頼できる漫画家の花くまゆうさく先生がコメントを寄せているわ、その他の感想&絶賛ツイートも多いわと、ごめんなさい、もう心底妬ましくて仕方ない。


先生の素敵なイラスト&コメントが展示されてましたよ。
花くまゆうさく先生のコメント


というかね、僕的にこの「なんちゃって家族」には“因縁”を感じるところがあって。実は、ヴァン・ダムが出演した数少ないコメディ作品の1つが「フレンズ II(セカンド・シーズン)」第13話であり、そこで「なんちゃって家族」の主演であるジェニファー・アニストンと共演しているんです。しかも、その第13話にはエマ・ロバーツの叔母ジュリア・ロバーツも出演しているーー。「だからなんだよ ( ゚д゚) シネヨ」って言われたらそれまでですが(苦笑)、このタイミングでこの2作が公開されているのは、決して偶然ではない気がしないでもなかったと風が囁いたと思ったり思わなかったりしたのです。


ヴァン・ダムとジェニファー・アニストンとの接点がこれだッ!
ジェニファー・アニストンとの接点!

そして同じ話にエマ・ロバーツの叔母(エリック・ロバーツの妹)も登場。偶然なのでしょうか…。
エマ・ロバーツとの接点!


もう「これは戦争(ウォーズ)だな」と。読者が一気に減るのを気にせず、僕の邪悪な作戦を告白すると、あえて「なんちゃって家族」を観に行って、ブログでバッシングしようと思いついたのです… (;`∀´) ケケケケケケ 叩く意図(a.k.a.悪意)を持って映画鑑賞するなんて最低すぎるのは百も承知ですけれども、今年からはヴァン・ダムが笑ってくれるなら僕は悪にでもなる覚悟。非常にムシャクシャした状態でシネマート新宿に行ったのです…。


なんとなく「フレンズ」のオープニングテーマを貼っておきますね↓






















なんちゃって家族

なんちゃって家族

原題:We're the Millers
2013/アメリカ 上映時間109分
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
製作:ビンセント・ニューマン、タッカー・トゥーリー、ハッピー・ウォルターズ、クリス・ベンダー
製作総指揮:デビッド・ハイマン、J・C・スピンク、トビー・エメリッヒ、リチャード・ブレナー、デイブ・ノイスタッター、マーカス・ビシディ
原案・脚本:ボブ・フィッシャー、スティーブ・フェイバー
脚本:ショーン・アンダース、ジョン・モリス
撮影:バリー・ピーターソン
美術:クレイトン・ハートリー
編集:マイク・セール
音楽:セオドア・シャピロ、ルドウィグ・ゴランソン
出演:ジェニファー・アニストン、ジェイソン・サダイキス、エマ・ロバーツ、ウィル・ポールター、エド・ヘルムズ、ニック・オファーマン、キャスリン・ハーン、モーリー・クイン、トマー・シスレー、マシュー・ウィリグ、ルイス・ガスマン
パンフレット:★★★(700円/長谷川町蔵さんによる「なんちゃって小ネタ集」が素敵!)
(あらすじ)
マリファナの売人デビッド(ジェイソン・サダイキス)は、路上でもめ事を起こしていたホームレスの少女(エマ・ロバーツ)を助けようとしたところ、ギャングたちに商売品のマリファナとお金を奪われてしまう。その失態の代償としてメキシコから麻薬を密輸することを命じられたデビッドは、「家族旅行中の観光客なら怪しまれず越境できる」と思いつき、貧乏ストリッパー(ジェニファー・アニストン)や冒険を夢見る童貞少年(ウィル・ポールター)、ホームレスの少女を巻き込んで即席のニセ家族を結成。キャンピングカーに乗り込んでメキシコに向かうが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




91点


劇場に入ると、僕を含めて6人しかいなかったので、「おやおや、『サバイバル・ソルジャー』の劇場よりも3倍は広いスクリーン1を使っておきながら、観客数は一緒ですか ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」なんて意地悪なことを思いながら、映画を観たんですが、しかし! 開始5分で血涙が止まらなくなったのは、憎むべき“敵”だったハズなのに、すっかり愛してしまったから… (ノω・、) オススメ... 「後半にどんでん返しが!?」的な映画ではないものの、先の展開を知らないで観た方が楽しめるのは間違いないのでね、もしこの文章を読んでいるアナタがまだ「なんちゃって家族」を観ていなくて、下品なギャグが大丈夫な人だったら、即座に観に行ってくださいな。それほど、それほど、それほど面白い作品だったのです…。


なんとなく反省するアレクサンダー・ガーレンの画像を貼っておきますね。
わたしは間違っていた


もうね、本当に良く出来ているの。「最初はバラバラだった4人がトラブルを乗り越えるうちに、強い絆で結ばれていく」という王道的なストーリーに、しっかりと伏線が散りばめられていて、それらを下品なギャグでコーティングしつつも、意外と「悪いことをしちゃダメだゾ!(o^-')b」的な着地をするんだからビックリですよ。しかも、役者さんたちも主演から脇役まで全員がキッチリと役にハマッていて、見事としか言いようがないのです。


元締めブラッド(エド・ヘルムズ)に命令されて、売人デヴィッドはメキシコから大麻を運ぶことになりまして。
大麻を運ぶことになりました

デヴィッドは“普通の家族”に擬態することを思いつき、まずは同じアパートに住むストリッパーを勧誘。
売人デヴィッド(ジェイソン・サダイキス)

ローズ(ジェニファー・アニストン)は家賃も払えない状況だったため、そのプランに渋々乗ることに。
ストリッパー、ローズ(ジェニファー・アニストン)

子ども役としてネグレクト状態の童貞ケニー(ウィル・ポールター)と…。
童貞ケニー(ウィル・ポールター)

ホームレスの少女ケイシー(エマ・ロバーツ)をスカウト。
ホームレス、ケイシー(エマ・ロバーツ)

4人は“ミラー家族”として、キャンピングカーで2トンの大麻を運ぶのでした。
ミラー一家誕生!


オープニング、大麻の売人デヴィッドが大学の同級生とバッタリ会うシーンで爆笑させられて、敗北を噛み締めながらも「上手いなぁ」と心底感心ですよ。ひたすら下品で、毒があって、気が利いていて、伏線も上手に活用してきて…。笑いのツボは人それぞれではあるので、合わない人もいるかもしれませんが、僕のツボにはピッタリとフィットちゃん(気が利いてないリンク)。強引な場面もなくはないけど(赤子とか)、とにかく好きなシーンが多かったのです。例えば「メキシコの汚職警官(ルイス・ガスマン)に誰が性的サービスをするのか?」の場面とか笑いが止まらなかったし、ローズが窮地を乗り切るべくストリップを始めるシーンもグッときたし…。麻薬取締局(DEA)の捜査官だったフィッツジェラルド一家の父親ドン(ニック・オファーマン)が高い戦闘力を発揮するところも大好物でした。


昨年、「ラストスタンド」でカッコ良かったルイス・ガスマンですが、今作ではクズ警官を好演してました。
ルイス・ガスマン

このストリップシーンは、予告編を観てなかったのもあって、意表を突かれましたよ。
ストリップシーン!

フィッツジェラルド一家も良かったですね~。特にドンのキャラクターが好きだったり。
フィッツジェラルド一家


で、感動したのがラストの展開。あーだこーだあって、彼らを追ってきた麻薬王パブロ(トマー・シスレー)は逮捕されて、デヴィッドの手引きにより元締めのブラッドも捕まって。4人は保護証人プログラムの元、疑似家族として暮らし始めて、NG集が流れて終わるんですが(「フレンズ」ファンへのサービスあり)、最後にTLC「Waterfalls」が流れるんです。


TLC「Waterfalls」を貼っておきますね↓




「寄る辺のなかった社会的弱者の4人が疑似家族を続ける」という終わり方にも胸を掴まれたんですけど、何よりもこの「Waterfalls」に心を揺さぶられたというか。この曲は“欲望に溺れた若者の破滅”について歌ってるだけに、途中、キャンピングカーでかかる時は「縁起でもない!」ってギャグになるワケですが、これが映画の最後に流れると、歌が元々持っていた「滝の流れ(a.k.a.破滅への道)を追わないで」というメッセージが超強まるんですよね…。散々バカな描写を連発しつつも、ラストはちゃんと「気をつけてね!(o^-')b」と優しく警告する姿勢、超素晴らしいと思ったり。

というかね、面倒くさい文章を書きますと、僕が間違っていたーー ('A`) 「Waterfalls」を聴いてると、己の醜さが心からイヤになるというか、「あたしって、ほんとバカ (ノω・、)」だと思って…。なんて言うんですかね、「敵を籠絡させようと思って乗り込んだら、相手のことを好きになってしまった」という「ラスト、コーション」ライクな「わたしまけましたわ」気分もあるんですが、それ以前の話で! 「相手を貶めるために行動する」という精神性の低さが情けない。よくよく考えれば、「押忍」の心を大事にするヴァン・ダムはこんなことをしたって喜ばないどころか、きっと悲しい顔をするだろうし、本当に間違っていました。「ムシャクシャして(劇場に)行った。今は反省している」ということでね、許していただければ幸いです… (ノДT) スミマセンデシタ


悲しそうなヴァン・ダムを貼っておきますね(「ディレイルド 暴走超特急」より)。
物憂げなヴァン・ダム


ちなみに若干乗れなかったところ書くと、メキシコの麻薬王パブロとその部下ワン・アイ(マシュー・ウィリグ)のキャラクター自体は好きでしたけど、「悪の法則」を通過した後の僕的には、もう少し怖く描いても良かった気がします。それと、邦題はスゲー良かったんですが、字幕の「チェッカーズのフミヤ」といった日本ナイズされた小ネタは少し合わなかったかなぁ。これはいろいろと仕方ないと思いますがー。


麻薬王パブロを演じたのはトマー・シスレー。なかなか良い男でしたけど…。
麻薬王パブロ(トマー・シスレー)

僕的に好みだったのは部下の巨漢ワン・アイ役のマシュー・ウィリグ! その体格を活かして、今後も活躍してほしいですな。
ワン・アイ(マシュー・ウィリグ)


そんなワケで、ダラダラと書いて来ましたが、素晴らしいコメディ映画でした ( ) イイエイガダナー シネマート新宿での上映は今週一杯=あと2日しかないということで、アメリカのコメディが好きな人はぜひダッシュで観に行ってくださいな。本当はね、もっと早くオススメしたかったんですけど、「サバイバル・ソルジャー」を応援するという任務もあったので、勝手に板挟みになった結果、こんな遅いタイミングでブログをアップしてしまった、私を許して…(竹内まりや風に)。




ローソン・マーシャル・サーバー監督作。なかなか面白そうですな~。



ジェイソン・サダイキスとジェニファー・アニストンが共演している作品。それなりには楽しかったけど… (´∀`;) エヘヘ



そしてヴァン・ダムとジェニファー・アニストンが共演しているのがこれ。結構愉快。



リドリー・スコット監督作。メキシコの麻薬カルテルが心底恐ろしくなります…。