エンド・オブ・ウォッチ(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

エンド・オブ・ウォッチ(ネタバレ)

エンド・オブ・ウォッチ

三角絞めでつかまえて-エンド・オブ・ウォッチ

原題:End of Watch
2012/アメリカ 上映時間109分
監督・製作・脚本:デビッド・エアー
製作:ジョン・リーシャー、ナイジェル・シンクレア、マット・ジャクソン
製作総指揮:ランドール・エメット、ステパン・マルティロシャン、レミントン・チェイス、アダム・カッサン、クリサン・バージェス、ガイ・イースト、トビン・アームブラスト、ジェイク・ギレンホール
撮影:ロマン・バシャノフ
美術:デボラ・ハーバード
編集:ドディ・ドーン
衣装:メアリー・クレア・ハンナン
音楽:デビッド・サーディ
出演:ジェイク・ギレンホール、マイケル・ペーニャ、アナ・ケンドリック、ナタリー・マルティネス、ハイメ・フィッツシモンズ、フランク・グリロ、デビッド・ハーバー、アメリカ・フェレーラ、モーリス・コンプト、ヤヒラ・“フラキス”・ガルシア、クレ・スローン
パンフレット:★★★(700円/L.A.P.D.用語集とか気が利いてるけど、公式サイトで読めるコラムを入れるのは…)
(あらすじ)
サウス・セントラル地区を担当する白人巡査テイラー(ジェイク・ギレンホール)とその相棒であるメキシコ系巡査ザバラ(マイケル・ペーニャ)。パトロール中に思いがけずメキシコ麻薬カルテルの秘密に触れてしまった2人は、組織から命を狙われるようになり……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




95点


本当なら別の映画の感想をアップする予定だったんですけど、都内の上映が今週一杯で終わっちゃうような気配がプンプン漂っているので、更新しておきますね。一応、前から興味はあったんですが、さらにツイッターで相互フォローさせていただいているスターリング・エレファントさんがオススメしてたので、期待を抱いて新宿ミラノ3で観てきました。期待以上の傑作でしたよ… (iДi) イイエイガダナー


新宿ミラノ3は、ビルの右の方のエレベータで上がった劇場になります。
$三角絞めでつかまえて-新宿ミラノ3


まず、褒め称えたいのが、監督のデビッド・エアー。彼が脚本を書いた「トレーニング デイ」は大好きだったものの、初監督作の「バッドタイム」はそんなにパッとしない印象だったりして。で、監督2作目の「フェイク シティ ある男のルール」はそこそこ面白かったんですが、まさか3作目にしてここまでスゴい警察映画を撮るとは!∑(゚Д゚) 超見直したというか、次回作が凄まじく楽しみになりましたね~。

何がスゴイって、とにかく全編がリアルなムード&臨場感に溢れてまして。銃撃戦を車載カメラで見せるオープニングから胸を掴まれちゃいましたよ。その後も手持ちカメラや隠しカメラ、車載カメラ風の映像で構成されていくのは、若干、微妙に思うところもありましたが(現場の警官が手持ちカメラで撮影しまくるのは、さすがに無理があるような…)、その映像から伝わるヒリヒリした“ノンフィクション感”は素晴らしかったです。


このオープニングの銃撃戦、サラッとした見せ方がカッコ良かったなぁ。
三角絞めでつかまえて-オープニングの銃撃戦


お話自体もLAPDの2人の制服警官の日常”を流すだけというか(たまにギャング側の視点なども入ったりしますが)。いろいろな事件が勃発しても、その真相を捜査するのは彼らの役目じゃないので、「この事件の黒幕を追え!ヽ(`Д´)ノ」なんてことにはならなくて。その他、遊びや結婚などのイベントが発生したりはするものの、基本的に話のスジなんてあってないようなモノであり、それ故に制服警官たちの“現場の苦労”だけがヒシヒシと伝わってくる…って、わかりにくいですかね。


主人公のテイラー。ポスターではジェイク・ギレンホールだと全然気付かなかったり。
三角絞めでつかまえて-テイラー(ジェイク・ギレンホール)

相棒のザバラ。演じたマイケル・ペーニャ、気の良い奴感が最高でした… (ノД`)
三角絞めでつかまえて-ザバラ(マイケル・ペーニャ)


非常に好感が持てたのが、“暴力の結果”をキッチリ描いていたこと。人間、ボコボコにされると顔の変形振りとか半端じゃないワケですが、そういうのって意外とおざなりにされたりするじゃないですか。でも、この映画では、新人女性警官が巨漢に暴行されたシーンとか、キッチリ凄惨に描写していて、「そうそう、こんな感じだよなぁ」と、そのこだわりには感心いたしました。逆に、ハウザー巡査の目にナイフが刺さってたりしたのは少しやりすぎな気がしましたが、それはそれで好物なので良かったです (´∀`) ウフフ

まぁ、このブログを定期的に読んでいる方ならご存知だと思いますが、僕は今から15年前、約4年半、警察で働いてまして。交番では2年ほど勤務して、パトカーにも何度か乗ったりしたということでね。お国柄の違いはあれど、荒れた現場の雰囲気や、同僚や同期との“仲間感”とか、いろいろと共通するところもあって。そういう意味では、それなりに感情移入しながら観ましたよ。特に結婚式のシーンは、地域課の先輩の披露宴に出席した際、当時は佐藤さん(仮名)と婚約してたので、「『次はお前の番だな!(`∀´)』なんて言われたっけ… (ノω・、)」とセンチな気分になったりもした次第(どうでも良い文章)。


この結婚式の場面、勝手にシンミリしてました。
三角絞めでつかまえて-結婚式


な~んて書きつつも、僕が働いていた地域なんて、映画の舞台となるロサンゼルスのサウス・セントラル地区と比べたらパラダイス銀河「カレーの王子さま」「ビーフカレーLEE」の辛さ45倍ほどの差があるというかね。例えば、主人公2人組が「祖母の音沙汰がない」なんて通報を受けたエピソード、「そういえば僕もそんな110番が入って現場に行ったら、中でお祖母ちゃんが亡くなってたなぁ… (´・ω・`)」なんて思い出を振り返ってたら、LAの場合は「不法滞在者に祖母は殺害され、大量の麻薬とバラバラ死体が隠されてた!Σ(゚д゚;) ヒィィ!」とハードさが段違いすぎて口がアングリ状態なのです。

というか、「市民が銃を持ってる」って違いは超大きいですよね、やっぱり。象徴的だったのが、職質してた奴にいきなり銃を向けられる→マイクが避けて逮捕するシーンで、そんな危険な目に遭ったのに、2人ともあまり引きずらないんです。要はあんな異常事態が彼らには日常茶飯事ってことで、「僕だったら1日も保たない職場だな~ (´∀`) ゼッタイムリ」と心底思いました。


こんな目に遭う職場だったら、4年半もいられなかったのは間違いないです (o^-')b 100パームリ
三角絞めでつかまえて-いきなり銃が!


ちなみにオチを書いておくと、最後はメキシコ系ギャングの罠にハマッて、2人は死亡…かと思いきや、テイラーを庇ったザバラだけが殉職。葬式の後、事件が起きる直前の“2人がバカ話をする様子”が流れて、映画は終わってました。両者とも“奧さんが妊娠した&子どもが生まれた”という死亡フラグがビンビンだったので(しかも映画のタイトルが「エンド・オブ・ウォッチ」→隠語で「殉職」の意味)、終盤は超イヤな予感がしてフライング涙を流しながら観てたんですが、テイラーだけでも生き残って本当に良かったというか(って、フィクションですがー)。葬式でのテイラーの「彼は兄弟だった」という弔辞には死ぬほど泣かされましたね… (ノДT) アンマリダー


この2人の仲良し振りを散々見せつけられるだけに、ラストは凄まじく泣けるのです。
三角絞めでつかまえて-仲良しな2人


その他、「ジェイク・ギレンホールは今まで観た中で一番良かった!ヽ(`Д´)ノ ミナオシタ!」とか「街のギャングたちがリアルで怖い!ヽ(TДT)ノ イヤーン!」とか「誰か、僕の奧さんにもグーチやテキサスツイスター、ウェスタンなどの技術を教えてあげて!ヽ(´Д`;)ノ ハァハァ」とか、書きたいことはあるんですが、よくわからなくなってきたので割愛! 僕にとっては、最高かつ最凶の“制服警官映画”であり“相棒映画”でした。とは言え、そもそも“制服警官映画”なんて他に観たことないというか(苦笑)、尊敬する映画評論家の町山智浩さんや宇多丸師匠など、いろいろな方が引き合いに出されている「センチュリアン」「カラーズ/天使の消えた街」は未見だったりするのでね(「センチュリオン」は観てるんですがー)、機会があったらチェックしようと思ったり。何はともあれ、気になる人はぜひ劇場に行ってみて!




まずはサントラを貼っておきますよ。ちょっとほしい~。



デビッド・エアー監督×キアヌ・リーブス主演作。なかなか面白いし、テリー・クルーズが出てます。



デヴィッド・エアーの初監督作。前はイマイチだったけど、観直そうかしらん。テリー・クルーズも出てるヨ。



デビッド・エアーが脚本を書いたアントワーン・フークア監督作。テリー・クルーズも出てるッス!



「名匠リチャード・フライシャーによる制服警官映画の傑作!」なんて言われてますが、未見なんですよね…。



「センチュリアン」とともに取り上げられがちな制服警官映画。未見なのです…。