マッチポイント(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

マッチポイント(ネタバレ)

マッチポイント



原題:MATCH POINT
2005/イギリス 上映時間124分
監督・脚本:ウディ・アレン
製作:レッティ・アロンソン、ルーシー・ダーウィン、ギャレス・ワイリー
撮影:レミ・アデファラシン
編集:アリサ・レプセルター
衣装:ジル・テイラー
美術:ジム・クレイ
出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンソン、エミリー・モーティマー、マシュー・グード、ブライアン・コックス、ペネロープ・ウィルトン、ユエン・ブレンナー、ジェームズ・ネスビット
(あらすじ)
元プロテニス・プレイヤーのクリス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)は、大金持ちのトム(マシュー・グード)と親しくなり、やがて彼の妹クロエ(エミリー・モーティマー)と結婚。しかし、トムの婚約者で、セクシーなアメリカ人女優のノラ(スカーレット・ヨハンソン)に心を奪われ、不倫の関係に陥ってしまう。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




90点


※今回の記事は、映画とは関係のない“四十路男の性的願望”についてのゲスな文章が書かれているので、そういうのが苦手な人は読んじゃダメ絶対!ヽ(`Д´)ノ キンシ!
※今回の記事は、ニコラス・ケイジ版「バッド・ルーテナント」のネタバレにも触れているので、知りたくない人は読まないで!


先月、シネマハスラーの課題映画になったので、「恋のロンドン狂騒曲」を観に行ったんですが、非常に“上から目線”な感じがして、腹が立ちまして。すっかり「もうウディ・アレンの監督作なんか観ねーよ ( ゚д゚)、ペッ」って思ってたんですが、宇多丸師匠の批評を聴いたら、嫌悪感が桃屋の穂先メンマのようにやわらぎましてね(どうでも良いリンク)。「じゃあ、もう一回、チャンスをやるか (`Δ´) サイゴダゾ」と唐突に偉そうな態度で、「マッチポイント」を借りてみました。浮気をしちゃダメでしたヨ (ノ∀`;) アブナイアブナイ


最初と最後に流れるエンリコ・カルーソー「Una furtiva lagrima」を貼っておきますね↓




お話を適当に書くと、プロ選手を辞めてテニスのコーチをやっていたクリス(ジョナサン・リース・マイヤーズ)が、大企業の御曹司トム(マシュー・グード)と仲良くなったことを機に、その妹クロエ(エミリー・モーティマー)と付き合うようになりまして。トントン拍子で結婚するものの、クリスの元婚約者で女優の卵ノラ(スカーレット・ヨハンソン)と積極的に浮気をしてしまうんですね。


クリスはテニスのプロを辞めて、テニスクラブのコーチに就職するんですがッ!
三角絞めでつかまえて-主人公クリス

すぐに大企業の御曹司トムと知り合って仲良くなり…。
三角絞めでつかまえて-トムと知り合って

その妹クロエとも恋仲になって結婚し…。
三角絞めでつかまえて-妹クロエと良い仲になり

トムの元婚約者ノラとも浮気してしまうという、羨ましいにも程がある状況に (`Δ´;) オノレ...
三角絞めでつかまえて-ノラとも浮気する

目隠しプレイとかしてましたよ。やだー、興味あるー (*゚∀゚)=3ムッハー
三角絞めでつかまえて-夢の目隠しプレイ


羨ましかったーー ('A`) もしかしたら“何らかのネタ”と思われている方もいるかもしれませんのでね(苦笑)、ハッキリと主張しておきますが、僕がこのブログに「浮気したいよぅヽ(´Д`;)ノ ハァハァ」なんて駄文を書いている時は、いつだって100パーセント本気。今までに浮気した経験はありませんが、最近は常に「家庭を捨てる気はないのだけれど、この胸のときめきにウソをつきたくないの… 川´・ω・`)」という心境であり(奧さんが読んだら確実に実家に帰る文章)、そんな僕にとってクリスのこの立場はまさに夢のよう…と思いきや! 映画的にそんな都合の良い状況が続くワケもなく、「ノラが妊娠→産むことを決意→『奧さんと別れないと暴露してやる!ヾ川。`Д´。)ノ』と責めまくってきた」ため、クリスは窮地に陥るワケです。


最初はクリスに対してこんな気持ちを抱いてた僕でしたが…(「グラップラー刃牙完全版」24巻より)。
三角絞めでつかまえて-君がうらやましかった

こうなってみると、恐ろしくて仕方ないというね… ((((°Д°;)))) ガクブル
三角絞めでつかまえて-責められるクリス


終盤の展開を書いておくと、クリスは麻薬中毒者による強盗の仕業に見せかけて、ノラとその隣人の老女を殺害しちゃいまして。一時は警察に疑われるものの、“偶然、処分できなかった老女の結婚指輪”を拾った麻薬中毒者が死んだことにより、そいつの犯行だったことに。で、クロエとの間に念願の第一子が生まれ、トムたちからの祝福の声を聞きつつ、何とも言えない表情を浮かべるクリスが映って、映画は終わってました。この「人生なんて運次第」ということを残酷に描いた皮肉まみれのハッピーエンドを見て、なんとなく「バッド・ルーテナント」を思い出したり。


一応、「バッド・ルーテナント」の予告編を貼っておきますね↓




とにかく面白かったです。クリスが冒頭で「罪と罰」を読んでたから、「殺人を犯すのかな?」「『太陽がいっぱい』みたいな話なのかな?」程度のことは想像しましたけど、まさかこんな映画だったとは!Σ(゚д゚;) コメディ成分が抑えめなせいか、僕が敏感に反応しがちな“上から目線”的なニュアンスは全然感じられなくて、むしろ「人生って無常なもんだよなぁ… (´・ω・`)」的な心境になったというか、たぶん一番好きなウディ・アレン映画になる予感。そんなに観てるワケじゃないですけど、演出のテンポとか、会話とか、役者たちの演技とか、今まで観てきたウディ・アレン監督作と共通するところに気付けたのも楽しかったですね~。

感心したのが、捨てようとした老女の結婚指輪が、ネットに引っ掛かったテニスのボールのように跳ねるシーン。「指輪が手前に落ちた→テニスではダメな状況」なだけに、浅薄な僕は「おやおや、あの指輪が手掛かりになってタイーホですな (`∀´) ザマァ!」なんて勝手に思ってたら、そのイメージを逆手に取られた感じ。画的にもカッコ良かったし、非常に気に入った場面になりましたよ。


なんとなくGIFにしてみました。
三角絞めでつかまえて-指輪物語


あと、最も思い知らされたのが、「浮気、ダメ絶対! (`・ω・´)キリッ」ということ。ノラとの浮気を始めてからのクリスが羨ましかったのは確かなんですけど、同時にスゲー醜くも見えて。「セックスするためだけに相手と会う」って、客観的に観ると本当に酷いなぁと。妊娠が発覚してからのみっともなさも半端じゃなくて、「ああいう男にだけはなりたくないなぁ… (・ω・;) サイテ-」と心底思いました。さらに、僕もぜひお願いしたいほど魅力的だったノラが、「妊娠が発覚した途端、凄まじく面倒臭い女に感じてちゃう」のは、ウディ・アレン監督の意図通りなんでしょうけど、そう思う“身勝手な雄”としての自分自身も気まずかったりして…。ツイッターでフォローさせていただいている方がよく女性向けのコラムを貼ってて非常にタメになってるんですが、この記事の最初の相談(不倫野郎の真実)を読んだ時の“男として申し訳ない気分”がフラッシュバック、夏でした(なんだこれ)。


必死に言い繕う自業自得状態のクリス。かなりみっともなかったです。
三角絞めでつかまえて-みっともないクリス

“都合の良い女”から“面倒臭い女”にトランスフォームするノラですが、彼女の身になれば当然の行動なんですよね。
三角絞めでつかまえて-面倒臭いノラ


いや、もちろん人が人を好きになるというのは結婚してる男女だろうと止められないものだから、そういうことがあるのは仕方ありませんけど、自分が責任を取れないくせに美味しいところだけ堪能しようとするのって、本当にリスキーだしカッコ悪い。まぁ、当たり前のことなんですがー。ということで、奧さんが大事なのはもちろんのこと、娘のマナ子を想うと絶対に離婚だけはしたくないし、事態を収拾するために犯罪に手を染めるなんてもってのほかなので、浮気をするのは止めることにしました(そもそも相手がいませんけどネ (ノ∀`) ザンネン)。

ただ、そうなると、この2年間のセックスレス状態により、体から湧き上がる暴れ馬はどうすれば良いのか? 例えば、「ステイ・フレンズ」では問題提起をしながらも「そういうのってやっぱり良くないよね 川´・∀・)(・∀・`) ネー」と倫理的に正しい方向に着地しちゃいましたけど、「SEXしても友達。それが二人のハッピールール?」的な“割り切ったお付き合い”は存在しないのか? やはり風俗しかないのか? ビデオボックスなどでシャバドゥビタッチするしかないのか?(ウィザードファンが怒る文章) ううむ、一夫多妻制の導入も考えたけど、単に「僕の奧さんが他のイケてる男の“多妻の1人”になるだけ」な気がするし、いっそセックスをスポーツ感覚にする教育が必要なんじゃないのか? そうすれば、逆にゴムの装着とか徹底するようになるだろうし…。木多康昭先生が「喧嘩商売」の15巻島袋光年先生をモデルにした登場人物に「セックスを高校の必修科目にする」という主張をさせた時は、さすがに「おまえは何を言ってるんだ」と思いましたが、今、振り返ると“アリ”なのかもしれませんな…(遠い目をしながら)。


高校の必修科目に「セックス」が入る日は来るのだろうか…(「喧嘩商売」15巻より)。
三角絞めでつかまえて-必修科目にセックスを導入


ということで、無闇に女性読者を減らす残念な文章を書いてしまいましたが、実に面白い作品でした (o^-')b ヨカッタ! 映画として“ちゃんとまとまってる感”があるのも好きな感じ。自分に娘が生まれてからは、スン=イーとの関係を考えると「イビル!ヽ(`Д´)ノ」なんて思っちゃうところもありましたが、ウディ・アレン監督を見直しましたよ(偉そうに)。興味がある人はぜひ観てみてくださいな。次は「ウディ・アレンの重罪と軽罪」を観ようかしらん (・∀・) オシマイ




サントラを貼っておきますよ。



次に観ようと思っているウディ・アレン監督作。



なんとなく思い出したヴェルナー・ヘルツォーク監督×ニコラス・ケイジ主演作も貼っておきますね。オリジナル版も好き。