カエル少年失踪殺人事件(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

カエル少年失踪殺人事件(ネタバレ)

カエル少年失踪殺人事件

三角絞めでつかまえて-カエル少年失踪事件

原題:아이들/Children...
2011/韓国 上映時間132分
監督・脚本:イ・ギュマン
脚本:イ・ヒョンジン
撮影:キ・セフン
出演:パク・ヨンウ、リュ・スンリョン、ソン・ドンイル、ソン・ジル、キム・ヨジン
(あらすじ)
1991年3月26日、山のふもとの村で「カエルを捕まえにいく」と言って遊びに出た5人の小学生がこつ然と姿を消した。特ダネを狙うMBS放送のカン・ジスン(パク・ヨンウ)や犯人像の分析を行うファン教授(リュ・スンリョン)、捜査を担当するパク刑事(ソン・ドンイル)たちが事件を追う中、ある子どもの父親(ソン・ジル)に容疑が掛けられる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




50点


韓国の未解決事件映画といえば、何と言っても「殺人の追憶」が素晴らしいワケですが、同じようなムードの作品が公開されたということで、いそいそとシネマート六本木に行ってきました。ううむ、基本的には乗れなかったです… ('A`)


カエルグッズを持って行けば、なんと1000円で観られるという太っ腹なキャンペーンが! 偉い!ヽ(`Д´)ノ
三角絞めでつかまえて-カエル割引キャンペーン

ロビーには場面のパネルが展示されてまして。
三角絞めでつかまえて-パネル展示

劇場の入口にはポスターと記事の切り抜きがありました。
三角絞めでつかまえて-ポスターと記事の切り抜き


公式サイトから事件の概略を引用すると、こんな感じでして↓


<カエル少年失踪殺人事件とは…>

1991年3月26日、大韓民国大邱(テグ)の城西(ソンソ)国民学校に通っていた5人の小学生が失踪した事件。事件直後から警察や軍を動員して捜索活動が行われたが、11年が経過した2002年9月、少年たちのものと思われる白骨死体が発見されるまで、全く捜査の糸口が掴めなかった。検死の結果、道に迷っての遭難や転落などの事故ではなく、何者かによる他殺であることが判明した。しかし、犯人が誰であるかは不明のまま、2006年3月25日に時効が成立した。
「カエルを捕まえに行く」という最後の言葉が脚光を浴びたことから、失踪小学生は通称「カエル少年」と呼ばれている。



「殺人の追憶」の題材になった「華城連続殺人事件」「あいつの声」というタイトルで映画化された「イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件」と、今回の「カエル少年失踪事件」を合わせて、“韓国三大未解決事件”なんだそうで。僕的にはあまり予備知識を入れてなくて、映画冒頭に小学生たちが出てきた時、「この赤いマントの子が“カエル少年”なのかしら」なんて呑気に思ってたので、5人とも失踪した時はかなりビックリしましたよ。


すっかりこの子が“カエル少年”だと思ってました (ノ∀`) テヘ
三角絞めでつかまえて-カエル少年


この映画、「犯行が起きた数年後に被害者家族を疑ってみたけど、やっぱり違いました ┐(´ー`)┌ マイッタネ」という前半部と、「犯人はコイツっぽいけど、捕まえるのは無理でした┐(´ー`)┌ ヤレヤレ」という後半部に分けられるんですが…。正直、僕的には全編イライラする感じだったんですよね。

まず、前半部。「話題さえ集まれば多少の捏造はOK!(o^-')b」という「発掘!あるある大事典」ライクな発想のプロデューサーであるカン・ジスンが、「あの時間にあんなことをしてたのは怪しい… (`ε´)」と深読みがちな心理学教授のファン・ウヒョクと一緒に妄想を膨らませまくった挙げ句、「犯人は失踪した少年ジョンホの両親に間違いなし!m9 (・∀・) ビシッ!」と暴走。警察を巻き込んでガサ入れをしたものの、結局、何も見つからなくてゲンナリするという内容なんですが…。


カン・ジスン。功名心にはやるテレビマンというキャラクターがピッタリでした。
三角絞めでつかまえて-バカすぎるディレクター


観ているコッチは事件が未解決だということはさすがに知っているので、当然ながらそれが冤罪なのは最初から分かっているワケで。もう少し彼らが被害者の両親を疑うに十分な理由がほしかったですな…。「息子からの電話に応える声が怪しい」とか「当日の行動がおかしい」とか「ババアの身振りが怪しい」とか「トイレに付いてきた」とか、疑うのは分からないでもないけど、あの程度の情報でガサ入れまでするのは無理だと思うんですよ。


胡散臭いファン教授。演じたリュ・スンリョン自体は結構好きな役者さん。
三角絞めでつかまえて-バカすぎる教授


もちろん松本サリン事件とか冤罪なんて腐るほどありますけど、事件後、何年も経ってる状況で、あの程度の情報しかないのに、あんなガサ入れをやりますかね? 「失踪した日は選挙だった云々」の理屈はどこかに行っちゃってたしさぁ…。ああいうのって動機が一番重要なんじゃないの? カン・ジスンは「情報を隠してたな!ヽ(`Д´)ノ」とか偉そうに教授を責めてましたけど、僕的には「いや、教授が情報を隠してたとしても、疑うのに十分じゃなかっただろ ( ゚д゚) アホウガ」と。あの部分はノンフィクションなのかもしれませんが(だったら仕方ないとは思うけど…)、正直、“バカの勇み足”にしか見えなくて全然面白くなかったです。


疑われてションボリなジョンホのお父さん(ソン・ジル)。“イイ顔”ですな~。
三角絞めでつかまえて-怪しかったお父さん


で、後半部に入るとさらに微妙でして…。2002年に少年たちの死体が発見された後、カン・ジスン自身が容疑者を追ったり、彼の娘に容疑者が接触したりとか、どう考えてもフィクション要素が強い展開が始まるんですよ。まぁ、劇映画だしノンフィクションじゃなくて全然良いんですが、いかにもな容疑者が、いかにもな職場で(食肉業の人に失礼だと思った)、いかにもな表情を浮かべてくれるという感じなので、かなり安易に感じちゃったというか。カン・ジスンと容疑者のタイマンシーンも、「なに直接戦っちゃってんの!? Σ(゚д゚;)」というか、あまりにバカバカしすぎて苦痛でしたね…。

って、全然良いところがないみたいに書いちゃってますけど、実は最後の展開だけは大好きでして。カン・ジスンに謝罪されたジョンホの母親が「アナタは悪くないの…川ノω・、)」と告白を始めるんですが…。なんと彼女は「この事件の捜査を続けてほしい→みんなに事件を忘れてほしくない」ということで、単なるイタズラ電話を“息子からの電話”とウソをついてたんですね。この親心にはね、「アタシ、お母さんの気持ち、全然分かってなかったんだ!ヽ(TДT)ノ」と号泣ですよ。


本当はウソをついてたお母さん。でもね、誰がそれを責められようか!ヽ(TДT)ノ
三角絞めでつかまえて-怪しかったお母さん


そして、そんな告白ですっかり鬱な気分になったところに! 少年たち&死んだジョンホの父親が仲良くしているシーン(a.k.a.天国のイメージ映像)とか流れちゃったら、もう涙20倍!ヽ(TДT)ノ 「事件は2006年に時効になりました」的なテロップが流れる中、ワンワンと泣いちゃいましたね…。


最後にこういう感じの場面を流すのは超卑怯だと思うけど、ちくしょう、グッときちゃいました。
三角絞めでつかまえて-カエル少年たち


ということで、基本的には乗れなかったんですけど、最後の展開だけは嫌いになれない映画でしたよ。役者さんたち自体は本当に良かっただけに、何かが足りない感じが残念というか、惜しいというか。僕はダメでしたけど、人によってはハマるかもしれないので、興味がある人は劇場に行ってみて!ヽ(`Д´)ノ




ポン・ジュノ監督×ソン・ガンホ主演作。イヤ~な気分になる傑作ですな。
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ブライアン・デ・ パルマ監督の未解決事件映画。ボクサー刑事が出てきます。
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デビッド・フィンチャー監督の未解決事件映画。あまり好きじゃないかなぁ。
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