ピープルVSジョージ・ルーカス(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ピープルVSジョージ・ルーカス(ネタバレ)

ピープルVSジョージ・ルーカス※シネマハスラーへのリンクなどを追加しました(11/11)

三角絞めでつかまえて-ピープルVSジョージ・ルーカス

原題:THE PEOPLE VS. GEORGE LUCAS
2010/アメリカ、イギリス 上映時間92分
監督:アレクサンダー・O・フィリップ
撮影監督・製作:ロバート・ミュラトール
編集:チャド・ハーシュバーガー
製作:ヴァネッサ・フィリップ、ケリー・ディーグナン・ロイ、アンナ・ヒッグス
音楽:ジョン・ヘーゲル
出演:ゲイリー・カーツ、ニール・ゲイマン、デヴィッド・プラウズ、アンソニー・ウェイ、デール・ポロック、サイモン・ペッグ、世界中の熱烈な『スター・ウォーズ』ファンたち
(あらすじ)
1970年から1980年代にかけてジョージ・ルーカスが発表した『スター・ウォーズ』最初の3部作には誰もが熱狂し、圧倒的な賛辞を惜しまなかった。やがてその映画は新しいアメリカ文化ともいうべき大々的ムーブメントを各地で巻き起こす。だが、特別篇と新3部作の話になると、コアなファンたちの態度は手の平を返したように冷たくなるケースも出てきて……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




90点


「熱狂的な『スター・ウォーズ』ファンたちのドキュメンタリー」というだけでも面白そうなのに、宇多丸師匠や花くまゆうさく先生といった信用できる男たちがコメントをしているので、期待値が倍になった状態で、いそいそとシネクイントに行ってきました。スゲー面白かったです!ヘ(゚∀゚*)ノ 一応、書いておくと、僕にとって「スター・ウォーズ」は「好きだけど、決して熱狂的なファンではない」といった距離感だったりします~。

で、この映画の内容なんですが、ファンのインタビューや二次創作映像、歌などを交えながら、あーだこーだと「スター・ウォーズ」への文句を言いまくる感じ(そして多少「インディ・ジョーンズ」にも飛び火!)。なんて言うんですかね、「何かにハマっている人が、それについて熱く語る」というのを見たり聞いたりするのが好きな人は、間違いなく楽しめると思いました。とりあえず「特別編」と「グッズ販売」と「エピソード1」が大きく叩かれるんですけど、多少なりともオタク的気質がある人なら、どれもスゲー頷けるんじゃないかなぁ。

「特別編」問題については、宇多丸師匠が「キラキラ」で「スター・ウォーズ」について語った回を聴くとよく分かると思うんですが(要保存!)、要は「一度、世に出た創作物を製作者が後からどんどん手を加えて変えていくのはどうか?」ってことでして。例えば! 僕は島本和彦先生の漫画が大好きなんですけど、先生は単行本を出し直す時、加筆をするケースがあって、たまにそれが受け入れられないことがあったりして…。特に「炎の転校生」文庫版での「滝沢四次元差攻撃」という加筆には凄まじくガッカリしたので、今でも読み返すのは昔の少年サンデーコミックス版だったりするというね…。

さらに書くと、僕は「少林サッカー」劇場に17回足を運んだほど大好きなんですが、DVD版は劇場公開時と字幕が微妙に違ってて、それ自体はもちろん仕方ないことなんですけど、何か違和感を感じて、あまり観られなくなっちゃって…。要は、人間ってのは、その程度のことでも拒否反応を覚えることがあるワケで。製作者が自分の創作物をいじるのは自由ですが、そのシーンの意味合いが変わったりしちゃうと、その作品に思い入れがある人が反発するのは当たり前の話なんですよね。あと、「全部CGに置き換えちゃうのは、当時のSFXを担当したスタッフたちに対して失礼」という意見は確かにその通りだと思ったり…。まぁ、いろいろと考えさせられましたよ。


確かにこの「相手が撃ってきたから撃つ」という改変は酷いですな。
三角絞めでつかまえて-確かに酷い!


一応、オリジナルと特別編の比較動画を貼っておきますね↓




「グッズ販売」に関しては、それこそ“積極的に購入する人たちの自己責任の話”でしかないとは思うんですが、その気持ち自体はスゲー分かる ('A`) 僕の友人にもそんな修羅の道に足を踏み入れた人がいるんですが、ほどほどにしないと本当に大変というか…。特にフィギュアにハマるのはマジで恐ろしいですよね。僕もたまに買っちゃいますけど、“1キャラ1体の原則”を基本的に守るようにして、自分なりにセーブしております。いや、本当にみんな気をつけて!ヽ(´Д`;)ノ


こういう思想は超危険! みんな、折り合いをつけて!
三角絞めでつかまえて-何でも買う


そして、最後は「エピソード1」問題ですけど…。そもそも僕は「スター・ウォーズ」の中で一番好きなのがダース・モールだったりするので、エピソード1がダメな映画なのは分かりますけど、あまりに罵られると少し寂しくなったりするんですよネ (´・ω・`) ションボリ


一応、動画を貼っておきますね↓ DVDでもこれらのシーンしか観てない気がする。




とは言いつつも、ジャー・ジャー・ビンクスに関しては別。「シドいわ~」とか、心底イライラしたのを思い出しましたよ。ただ、「子どもには大ウケ」なんてことも語られていて、「なるほどなぁ」と。単にディスるだけじゃなく、ちゃんと反対側の視点も盛り込まれている姿勢には感心しましたね。あと、ミディ=クロリアンはあらためて最悪な設定だと思ったりもしました。


新三部作自体をディスるファンは結構多いですが、僕はそんなには嫌いじゃないカナー。
三角絞めでつかまえて-新三部作は存在しない!


最後の方になると、宇多丸師匠の話にも出てきた“自分で編集するファン”の話や、ジョージ・ルーカス監督にとって黒歴史の「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」の話になったりして、これもまた愉快でして。最終的には「やっぱりルーカスが好き (・∀・)」であり(クリエイターとしてのルーカスを評価する人もちゃんと出てくる)、「そんなバッシングや二次創作を容認しているルーカスも超偉い!ヽ(`Д´)ノ」って感じで終了。「『スター・ウォーズ 3.5』を作りませんか?」というファンの歌も良くて、見終わった時は非常に幸せな気分になりましたね… (´∀`) ちなみに、エンドロール後には、フィギュアによるレイアとルークのキスシーンがありました。


なんだかんだ文句を付けても、結局は感謝するしかないんでしょうな。
三角絞めでつかまえて-本当は感謝


熱狂的なファンが編集して高評価されている「Adywan版」の動画(一部?)を貼っておきますね↓




そして、「スター・ウォーズ ホリデー・スペシャル」も貼っておきますね↓




ということで、ファンたちの過剰な熱気に爆笑できる上に(特にエピソード1が公開される前の熱狂振りにはいろいろな意味でグッと来る!)、“モノ作り”や“何かを愛するということ”などについて考えさせられる素晴らしいドキュメンタリーでしたよ。僕は確実にDVDを買うと思います。上映は4月6日までなので、気になる人は素早く劇場へどうぞ。ちなみに翌日に「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス 3D」を観たんですが、それについてはまた後日 (・ε・)

宇多丸師匠のタメになる批評がアップされてるので、聴いてみて!




スター・ウォーズのブルーレイ。ほしいけど、どうせ新しいの出るだろうし…。



ちょっと思い出したカイル・ニューマン監督作。僕の感想はこんな感じ