キツツキと雨(ネタバレ)
キツツキと雨
2011/日本 上映時間129分
監督:沖田修一
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎、椎名保
企画:佐々木史朗、嵐智史
脚本:沖田修一、守屋文雄
撮影:月永雄太
美術:安宅紀史
編集:佐藤崇
照明:高坂俊秀
録音:岩丸恒
音楽:omu-tone
出演:役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、黒田大輔、嶋田久作、森下能幸、高橋努、宇野祥平、平田満、伊武雅刀、山崎努
(あらすじ)
とあるのどかな山村に、ある日突然、ゾンビ映画の撮影隊がやってくる。ひょんなことから撮影を手伝うことになった60歳の木こりの克彦(役所広司)と、その気弱さゆえにスタッフをまとめられず狼狽する25歳の新人監督・幸一(小栗旬)は、互いに影響を与えあい、次第に変化をもたらしていく。そして、そんな2人の交流が村と撮影隊の奇妙なコラボレーションを生み出していく。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点
僕は沖田修一監督の前作「南極料理人」が結構好きなんですよ。だから、新作の「キツツキと雨」にもそこそこ期待してたということで、角川シネマ新宿で観てきました。好きな雰囲気の映画でしたヨ (´∀`)
劇場ロビーにはこんな展示が。
劇中で克彦がプレゼントする椅子がありました。
劇中で克彦がゾンビを集めるために作られたチラシ…って、そんなシーンありましたっけ… ヘ(゚∀゚*)ノオボエテナイ!
グッズもいろいろ販売中。
コラボキャンペーンもあったり。なんかオサレですねー。
お話は本当にオーソドックスで、簡単に書くと「林業に携わる克彦と、新人の映画監督・幸一が出会って、不器用ながらも次第に打ち解け合って、お互いやその周囲にポジティブな影響を及ぼしていく→映画撮影が終わって、人間としてそれとなく成長した2人は、またそれぞれの日常に戻る」って内容。ごめんなさい、本当に上手く説明できないんですけど、映画に流れる空気がスゲー良かったですね…(しみじみ)。なんでしょうね、編集のテンポなのかなぁ。演出もコミカルなんだけど、わざとらしくないというかさ。過剰な説明台詞がなくて、ちゃんと映像で分かるように見せていて、全体的に映画がうるさくなくて、実に居心地が良いというか、なんとなくホッコリするというか。
基本的には、この2人が少し成長するお話です。
ちなみに僕が「ホッコリ」する時は、ジェントルメン中村先生の絵柄を思い浮かべております(「プロレスメン」より)。
とにかくサラッと仕上げだと思って。例えば、映画冒頭、克彦が女性用のスリッパを履いて料理をしているところを見せるだけで、「最近、何らかの事情で身近な女性を失った」ことが分かるようになってたりとか。克彦が映画制作を手伝うのだって、「オレに手伝わせてくれ!」なんて台詞は言わせないし。終盤、息子の浩一(高良健吾)と和解する感動的なくだりだって、下手な映画だと「オレ、オヤジを誤解してた! アンタの跡を継ぐYO! ヘ(゚∀゚*)ノ」とか言い出しそうだけど、この映画では、同じ作業着を着て、黙々と同じ食べ方をしていることで、そのことを伝えるワケですよ。…って、別に普通の演出な感じがしますけど、それができない作品が結構多いというかさ… (´・ω・`)
母親の三回忌の準備をいつの間にか浩一が済ませていたシーンも良かったですな~。
あと、「南極料理人」の時も感じたんですけど、沖田修一監督は人間を微笑ましく見せるのが上手いんですよね。主人公の2人を始めとして、欠点がある人でも温かい気持ちで見守れる感じ。だから、克彦が映画制作にのめり込むようになって、現場の人たちや村の人たちが積極的に協力するようになるくだりなんて、リアリティには疑問符が付くし、スゲーありがちな展開なんだけど、やっぱり超楽しい! ヽ(`Д´)ノ 新人監督の低予算映画の撮影現場なんて実際はもっとハードな地獄状態なんでしょうが、あの“みんなのアイディアが結集して良い場面になるシーン”とか、「僕も手伝いたいなぁ」なんて迂闊なことを思っちゃいましたよ ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
映画制作にすっかりのめり込む克彦。仕事を仮病で休んだのがバレる場面は愉快でした。
一応、劇中劇「UTOPIA ~ゾンビ大戦争~」の予告編を貼っておきますね↓
役者さんたちは全員良かったです。主役2人はもちろんのこと、助監督役の古舘寛治さんとか良い味出してましたな~。林業の同僚を演じた宇野祥平さんも“友好的だけど不穏”ってムードが素敵でした。それと、エンディング曲も素晴らしかった! 「パーマネント野ばら」の感想をアップした時にすっかり書き忘れちゃったんですけど、さかいゆうさんが歌うエンディングの「train」がスゲー良くて、そのことを思い出した程、グッときたというか。星野源さんという方が歌ってて、恥ずかしながら僕は全然知らなかったので適当に検索してみたら、なんとタマフルリスナーなんだそうで(こちらの記事で宇多丸師匠と対談しております)。「じゃあ、多少は応援してやるか ( ̄ー ̄)ニヤッ 」と思ったりしました(突然、偉そうに)。
古舘寛治さんは、これからさらに活躍の場が増えそうな予感。
星野源さんの「フィルム」の予告動画を貼っておきますね↓
まぁ、多少文句もあるんです。それは風呂に入った時の小栗旬さんの体格の良さ。あれは「ウホッ!いい体!(゚∀゚*)」とは思ったけどさ(思ったのかよ)、自分に自信が持てない新人監督の体じゃないですよ。もちろん、「肩の肉を削いで撫で肩になれ!ヽ(`Д´)ノ」とまでは言いませんけど、ちょっと良くなかったんじゃないかと。それと、これは本当に好みなんですけど、東京に逃げたADっぽい若者にも少しだけ救いがほしかったり…(彼だけ挫折したまま終わるのが、ちょっと可哀相)。
ってことで、上手く説明できてない気がして仕方ないんですが、僕は結構好きでした。沖田修一監督の世界観が合うというか、次回作も非常に気になってたり。とりあえず「南極料理人」が良かった人&邦画が好きな人はチェックした方が良いと思いますヨ (・ε・)
沖田修一監督作。なんか好きです。ラーメンが食べたくなります。
南極料理人 [DVD]
小説。前日譚と劇中劇「UTOPIA ~ゾンビ大戦争~」の台本が収録されているそうです。買おうかしら…。
キツツキと雨 ユートピアを探して
星野源さんのアルバム。主題歌が収録されております。ほしいけど、お金が…。
フィルム(初回限定盤)(DVD付)
映画のサントラ。結構良い感じな気がするけど、お金が…。
キツツキと雨
映画とは全然関係ないけど、ジェントルメン中村先生による男のホッコリ漫画。
プロレスメン (ヤングマガジンコミックス)
2011/日本 上映時間129分
監督:沖田修一
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎、椎名保
企画:佐々木史朗、嵐智史
脚本:沖田修一、守屋文雄
撮影:月永雄太
美術:安宅紀史
編集:佐藤崇
照明:高坂俊秀
録音:岩丸恒
音楽:omu-tone
出演:役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、黒田大輔、嶋田久作、森下能幸、高橋努、宇野祥平、平田満、伊武雅刀、山崎努
(あらすじ)
とあるのどかな山村に、ある日突然、ゾンビ映画の撮影隊がやってくる。ひょんなことから撮影を手伝うことになった60歳の木こりの克彦(役所広司)と、その気弱さゆえにスタッフをまとめられず狼狽する25歳の新人監督・幸一(小栗旬)は、互いに影響を与えあい、次第に変化をもたらしていく。そして、そんな2人の交流が村と撮影隊の奇妙なコラボレーションを生み出していく。(以上、映画.comより)
予告編はこんな感じ↓
80点
僕は沖田修一監督の前作「南極料理人」が結構好きなんですよ。だから、新作の「キツツキと雨」にもそこそこ期待してたということで、角川シネマ新宿で観てきました。好きな雰囲気の映画でしたヨ (´∀`)
劇場ロビーにはこんな展示が。
劇中で克彦がプレゼントする椅子がありました。
劇中で克彦がゾンビを集めるために作られたチラシ…って、そんなシーンありましたっけ… ヘ(゚∀゚*)ノオボエテナイ!
グッズもいろいろ販売中。
コラボキャンペーンもあったり。なんかオサレですねー。
お話は本当にオーソドックスで、簡単に書くと「林業に携わる克彦と、新人の映画監督・幸一が出会って、不器用ながらも次第に打ち解け合って、お互いやその周囲にポジティブな影響を及ぼしていく→映画撮影が終わって、人間としてそれとなく成長した2人は、またそれぞれの日常に戻る」って内容。ごめんなさい、本当に上手く説明できないんですけど、映画に流れる空気がスゲー良かったですね…(しみじみ)。なんでしょうね、編集のテンポなのかなぁ。演出もコミカルなんだけど、わざとらしくないというかさ。過剰な説明台詞がなくて、ちゃんと映像で分かるように見せていて、全体的に映画がうるさくなくて、実に居心地が良いというか、なんとなくホッコリするというか。
基本的には、この2人が少し成長するお話です。
ちなみに僕が「ホッコリ」する時は、ジェントルメン中村先生の絵柄を思い浮かべております(「プロレスメン」より)。
とにかくサラッと仕上げだと思って。例えば、映画冒頭、克彦が女性用のスリッパを履いて料理をしているところを見せるだけで、「最近、何らかの事情で身近な女性を失った」ことが分かるようになってたりとか。克彦が映画制作を手伝うのだって、「オレに手伝わせてくれ!」なんて台詞は言わせないし。終盤、息子の浩一(高良健吾)と和解する感動的なくだりだって、下手な映画だと「オレ、オヤジを誤解してた! アンタの跡を継ぐYO! ヘ(゚∀゚*)ノ」とか言い出しそうだけど、この映画では、同じ作業着を着て、黙々と同じ食べ方をしていることで、そのことを伝えるワケですよ。…って、別に普通の演出な感じがしますけど、それができない作品が結構多いというかさ… (´・ω・`)
母親の三回忌の準備をいつの間にか浩一が済ませていたシーンも良かったですな~。
あと、「南極料理人」の時も感じたんですけど、沖田修一監督は人間を微笑ましく見せるのが上手いんですよね。主人公の2人を始めとして、欠点がある人でも温かい気持ちで見守れる感じ。だから、克彦が映画制作にのめり込むようになって、現場の人たちや村の人たちが積極的に協力するようになるくだりなんて、リアリティには疑問符が付くし、スゲーありがちな展開なんだけど、やっぱり超楽しい! ヽ(`Д´)ノ 新人監督の低予算映画の撮影現場なんて実際はもっとハードな地獄状態なんでしょうが、あの“みんなのアイディアが結集して良い場面になるシーン”とか、「僕も手伝いたいなぁ」なんて迂闊なことを思っちゃいましたよ ┐(´ー`)┌ ヤレヤレ
映画制作にすっかりのめり込む克彦。仕事を仮病で休んだのがバレる場面は愉快でした。
一応、劇中劇「UTOPIA ~ゾンビ大戦争~」の予告編を貼っておきますね↓
役者さんたちは全員良かったです。主役2人はもちろんのこと、助監督役の古舘寛治さんとか良い味出してましたな~。林業の同僚を演じた宇野祥平さんも“友好的だけど不穏”ってムードが素敵でした。それと、エンディング曲も素晴らしかった! 「パーマネント野ばら」の感想をアップした時にすっかり書き忘れちゃったんですけど、さかいゆうさんが歌うエンディングの「train」がスゲー良くて、そのことを思い出した程、グッときたというか。星野源さんという方が歌ってて、恥ずかしながら僕は全然知らなかったので適当に検索してみたら、なんとタマフルリスナーなんだそうで(こちらの記事で宇多丸師匠と対談しております)。「じゃあ、多少は応援してやるか ( ̄ー ̄)ニヤッ 」と思ったりしました(突然、偉そうに)。
古舘寛治さんは、これからさらに活躍の場が増えそうな予感。
星野源さんの「フィルム」の予告動画を貼っておきますね↓
まぁ、多少文句もあるんです。それは風呂に入った時の小栗旬さんの体格の良さ。あれは「ウホッ!いい体!(゚∀゚*)」とは思ったけどさ(思ったのかよ)、自分に自信が持てない新人監督の体じゃないですよ。もちろん、「肩の肉を削いで撫で肩になれ!ヽ(`Д´)ノ」とまでは言いませんけど、ちょっと良くなかったんじゃないかと。それと、これは本当に好みなんですけど、東京に逃げたADっぽい若者にも少しだけ救いがほしかったり…(彼だけ挫折したまま終わるのが、ちょっと可哀相)。
ってことで、上手く説明できてない気がして仕方ないんですが、僕は結構好きでした。沖田修一監督の世界観が合うというか、次回作も非常に気になってたり。とりあえず「南極料理人」が良かった人&邦画が好きな人はチェックした方が良いと思いますヨ (・ε・)
沖田修一監督作。なんか好きです。ラーメンが食べたくなります。
南極料理人 [DVD]
小説。前日譚と劇中劇「UTOPIA ~ゾンビ大戦争~」の台本が収録されているそうです。買おうかしら…。
キツツキと雨 ユートピアを探して
星野源さんのアルバム。主題歌が収録されております。ほしいけど、お金が…。
フィルム(初回限定盤)(DVD付)
映画のサントラ。結構良い感じな気がするけど、お金が…。
キツツキと雨
映画とは全然関係ないけど、ジェントルメン中村先生による男のホッコリ漫画。
プロレスメン (ヤングマガジンコミックス)