RED/レッド(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

RED/レッド(ネタバレ)

RED/レッド

$三角絞めでつかまえて-RED/レッド

原題:RED
2010/アメリカ 上映時間111分
監督:ロベルト・シュベンケ
製作:ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ、マーク・バーラディアン
原作:ウォーレン・エリス、カリー・ハマー
脚本:ジョン・ホーバー、エリック・ホーバー
出演:ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカー、カール・アーバン、リチャード・ドレイファス、ブライアン・コックス、アーネスト・ボーグナイン
(あらすじ)
元CIAの腕利きスパイ、フランク(ブルース・ウィリス)は、心静かに引退後の日々を送っていたが、ある日突然何者かの襲撃を受ける。調査の結果、背後にCIAが絡んでいることを割り出した彼はかつて苦楽を共にした仲間たちを招集。フランクの元上司のジョー(モーガン・フリーマン)や、元イギリスの元MI6諜報部員のヴィクトリア(ヘレン・ミレン)ら引退した超一流のスパイたちが続々と集まる。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




70点


まず、非常に面倒くさいことを書きますね。この映画って、世間的に“老人版「エクスペンダブルズ」”なんて言われたりしてるじゃないですか。心の狭い僕的には「それはあまりに安易なのでは?」と思うのですよ。ブルース・ウィリスは全然良いとしても、「他のメンバーにマッチョな実績がないじゃないか!」と。「オールスター的な比喩表現として使っただけなんだから、そんなに目くじら立てなくても…」という大人な意見もあるでしょうが、僕的には老人だろうと何だろうと、「エクスペンダブルズ」を名乗りたいのなら「ハードに鍛えて筋肉が肥大している(ステロイド使用でも可)」「雄度の高いアクション映画に主演した経験がある」「素手での格闘経験が豊富(映画の中で)」「“筋肉要素が強い競技”での輝かしい実績がある」などの条件を1つでも良いからクリアしてほしいんですよ…って、みなさん的には実にどうでも良い話ですな。


筋肉のぶつかり合い! それが「エクスペンダブルズ」の醍醐味。老人になってもこうあってほしい。
三角絞めでつかまえて-スタローンvsオースチン

100歳という設定の劉海王。このくらいマッチョかつ強そうな老人が活躍する映画なら観たい!
三角絞めでつかまえて-劉海王


まぁ、そんな文句をブツブツ言いつつも「そこそこは面白そうですな (・∀・)」とも思っていたので、新宿ピカデリーで観てきたんですが、予想していたよりもそこそこ面白かったです。ちなみに劇場は満席でしたよ。

主人公側がブルース・ウィリスにモーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレン、ブライアン・コックスで、ラスボスの武器商人ダニングがリチャード・ドレイファス、そして、“CIAの秘密の資料の番人”ヘンリーを演じたのがなんとアーネスト・ボーグナイン!(現在94歳!) この豪華な中年~高年期キャストたちの愉快な活躍振りを観てると、なんか“老人版「エクスペンダブルズ」”って言う人の気持ちも微妙に分かる気がしちゃったりしてね…エヘヘ (;^ω^)ゞポリポリ

まぁ、アクションは編集マシマシCG普通ゴア薄め麺硬めって感じでしたけど、コメディ要素も入ってて普通に楽しく観られましたよ。主人公フランクと、彼らを追うCIA職員クーパー(カール・アーバン)のタイマンシーンとか、あまり意味はないシーンだけど、マウンティング感があって嫌いじゃなかったです。

原作はアメコミなんだそうですが(邦訳は発売されないのかしら…)、ハーレクイン小説のような世界に憧れるヒロインが巻き込まれるという設定とか、主人公たちの行動のズサンさとか、「最近、人を殺してない…」と嘆く殺し屋描写とか、脚本は結構ありがち&適当だと思いました。贅沢をいうと、僕的にはもっと“引退したスパイたちならではの技術や知識”を駆使した作戦が功を奏したりとか、逆に最新テクノロジーに裏をかかれたりするシーンがほしかったんですが…まぁ、勢いで許せちゃいましたけどね。ただ、中盤のクライマックスでジョーが狙撃されて死んじゃいましたけど、僕的には「あとで出てくるのかしら?」なんて期待していたので、本当に死んじゃってたのは結構残念でした(モーガン・フリーマン、出番少なすぎ!)。

クライマックスの「すべてはダニングがCIAの女上司と仕掛けた罠だった→クーパーに手錠のカギを渡されたフランクは、後ろ手のまま敵に向かって歩いて行く→女上司が人質のサラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)に向けていた銃をフランクに向ける→その隙を突いてクーパーが女上司を射殺→周囲の雑魚どもは味方が射殺→手錠を外したフランクはダニングのノドを素手で一撃!」という流れは、僕的には小気味良い感じで好きでした。その後、「『銃声がした!』と思ったら、マーヴィン(ジョン・マルコヴィッチ)がダニングにとどめを刺していた」って展開は蛇足っぽく感じましたけど…。

最後はフランクとサラがキスをすると、画面がハーレクイン小説のジャケット風になって終了…かと思いきや、フランクとマーヴィンが新たな任務を受けて戦場で逃げ回るという愉快なオチで、悪くなかったです。なんて言うんだろう、昨年、「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」を見終わった時と似た多幸感を感じましたね。

ということで、話自体は「う~ん」と思うところがないワケじゃないけど、フランクがパトカーから降りて銃を撃つシーンはカッコ良かったし、マーヴィンが被害妄想に陥っていると思わせて実は全部見抜いてたシーンも面白かったし、ヴィクトリアが銃を撃ちまくるシーンも素敵だったりし、何よりもアーネスト・ボーグナインの“イイ顔”が観られたのが超うれしかったので、僕は結構好きな映画でしたよ。あまり期待をせずに観れば、誰でもそこそこは楽しめるのではないでしょうか。ちなみに続編が作られるそうですけど、僕的には「実は死んだと思われていたジョーが生きていて…?」としつこく期待しております。




ロベルト・シュヴェンケ監督作。僕の感想はこんな感じハリウッド・デビュー作のことは忘れてあげて!



なんとなく思い出した映画。ノリは「エクスペンダブルズ」よりもこっちに近い気がします。



アーネスト・ボーグナインのコクのある顔が堪能できる1本。「ワイルドバンチ」も好き。