モンガに散る(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

モンガに散る(ネタバレ)

モンガに散る

三角絞めでつかまえて-モンガに散る

原題:MONGA
2010/台湾 上映時間141分
監督:ニウ・チェンザー
出演:イーサン・ルアン、マーク・チャオ、マー・ルーロン、リディアン・ヴォーン、クー・ジャーヤン、ジェイソン・ワン、ツァイ・チェンシェン、ホァン・トンユー、チェン・ハンティエン、ニウ・チェンザー
(あらすじ)
1986年、台北一の繁華街モンガは商業地区として繁栄する裏で多くの極道組織が覇権争いを繰り広げ、抗争の絶えない街だった。ある日、この街に引っ越してきた高校生のモスキート(マーク・チャオ)と、モンガで一番の権力を持つ極道の親分の一人息子で校内勢力を仕切っているドラゴン(リディアン・ヴォーン)が出会い、意気投合した彼らは青春の日々を謳歌(おうか)するが……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




82点


※今回の記事は、これから「モンガに散る」を観ようと思っている人は、読まないで劇場に行った方が良いですよ。

まず、予告編を観てくださいよ。かなりグッときませんか? 「ずっと友達がいなくて」「初めてできた」あたりも良いけど、僕的にはこのシーンが大好きでしてね↓


「なぜ仲間に誘ったのか?」と聞くモスキート。すると…。
三角絞めでつかまえて-どうしてオレを?

モンク(イーサン・ルアン)の答えがカッコ良すぎ!
三角絞めでつかまえて-拳は5本


「理由になってなくね?」「だったら、誰でもいいじゃんw」なんて野暮なツッコミはナシ! 要は「お前を仲間にするのに理由なんてねぇよ」ってことじゃないですか! 僕的にはこのシーンにやられてしまって、シネマスクエアとうきゅうに観に行ったワケですが…号泣しましたYO!


ロビーには場面写真やら、雑誌や新聞の切り抜きやらが展示されてました。
三角絞めでつかまえて-ロビーの展示

受付にはポップ広告が。劇場近くの台湾料理屋「中国菜館」では劇中に出てくる鶏モモが食べられる!
三角絞めでつかまえて-料理が

ちなみに「バーレスク」を上映してた新宿ミラノ1にも展示がありました。かなりプッシュしている様子。
三角絞めでつかまえて-他のロビー


冒頭、絡んできた不良にウンコを踏んだクツで反撃している姿を買われて仲間になり、一緒にケンカをするようになって、風俗に行ったりしつつ、義兄弟の契りを結んで…という流れは、ボンクラ野郎なら間違いなく「こんな青春を送りたかった…」と憧れてしまう感じ。正直、5人組の不良グループのうち白ザル(ツアイ・チェンシェン)とアペイ(ホァン・トンユー)の印象がちょっと薄いので、もう少しだけ仲間同士のキャッキャ描写を増やしてほしかった気がしないでもないけど(「大陸からきたマフィア・ウルフ(ニウ・チェンザー)がモスキートの父親だった!」って設定とか削っても良いと思う…)、まぁ、この5人がじゃれ合っているのは観ているだけで楽しかったです。

モンガ最大のヤクザ組織“廟口”を仕切るゲタ親分(マー・ルーロン)の息子がドラゴンということで、5人は自然と極道の世界に足を踏み入れていくんですが、舞台となる80年代のモンガのヤクザは“みかじめ料を取る”のがシノギの中心なので、登場人物たちは“粗暴ではあるけどそんなに悪な感じがしない”んですね(とは言いつつも、指を詰めさせたりとか、ゲタ親分との権力争いでモンクの父親が片腕を失っている過去があったりはする)。ヤクザになる前に5人が山で戦闘訓練を受けるくだりは、牧歌的で実に愉快だったり。

その中でも、主人公のモスキートは、「ずっといじめられっ子で、初めて出来た仲間たちだからこそ大切にする」という“信用できる精神性の男”であり、「顔にアザがある風俗嬢シャオニン(クー・ジャーヤン)をいつも指名するくせにセックスをせず話したり一緒に音楽を聴いたりするだけ」という童貞感が強い上に、ヤクザのくせにまったく悪事を働いている感がしなくて、僕的にはベタだけど好感が持てるキャラクターでしたね。“鶏モモが好物”というのも、親近感が湧きました(よく考えるといじめっ子に追われる発端も鶏モモでしたな)。

で、そんな彼と対照的なのがモンクで、ドラゴンへは献身的な愛情を示すものの(同性愛的なニュアンスもあったりするので、腐女子の方なら萌える可能性大)、敵対勢力の幹部ブンケアン(ジェイソン・ワン)と手を組んでゲタ親分を殺すと、その罪を白ザルに着せちゃうワケでして…。ブンケアンと一緒にいるところを目撃してしまったモスキートがモンクを責める→殺し合いになるシーン、すっかり感情移入していた僕的には「ケンカはやめてー (ノДT)」って感じでしたよ。

クライマックス、「モンクに銃で撃たれて(ゲタ親分曰く“卑怯者の武器”)、モスキートが瀕死状態に→『義兄弟同士でなぜ殺しあう?』『だって極道だもの』『俺は友情の方が大事だYO!』的なやりとりから、抱き合う2人→モスキートがモンクを刺す!→その背後からドラゴンがモスキートを斬りつけてさらに刺す→血しぶきが桜の花びらに→モスキートに身請けしてもらえる予定のシャオニンが、モスキートが天井に書いた桜の花びらを見てワクワクする」って展開も大泣きでしたが、一番グッと来たのが、ここで僕が最初の方に書いた予告編で最も胸を掴まれたシーン”が来るんですよぉぉぉぉっ!

モンクに引っ張られて塀の上に乗ったモスキートは、仲間が飛び降りた後も少しだけその場にて、ちょっと登ってきた方を見た後、彼も向こう側に飛び降りるワケです。それは彼が今までの人生と決別した瞬間&生まれ変わった瞬間であり、「なぜこうなってしまった!?」という喪失感も感じさせる名シーンでもあって、もう泣き崩れましたよ…。

僕の好みで分析すると、「アクションがなかなか良いですな」なんて偉そうに思ってたら、アクション監督があの「オールド・ボーイ」のヤン・キルヨンだと聞いて、非常に納得。あと、僕的には“詰めた指のぞんざいな扱い”とか“瞬間接着剤を使った拷問”とかのシーンがなかなか良かったカナー。

役者さんたちは、メインの5人組はもちろんのこと(特にモンク役のイーサン・ルアンは素晴らしかった!)、みんなカッコ良い&味があって良かったですよ。ドラゴンの彼女をレイプして、5人組の怒りを買って殺されてしまうドッグ(チェン・ハンティエン)とかも、本当に嫌な奴っぽい&子どもっぽい雰囲気があって、僕は嫌いじゃなかったです。

というワケで、よく考えるとかなり粗があるような気もするんですが、とにかく役者が魅力的&映画に勢いがあって、台湾で歴代2位の大ヒットを記録したのは伊達じゃないというか。ニウ・チェンザー監督曰く、「男の『Sex and the City』を目指した」というこの映画、僕は一度も「Sex and the City」を観たことがないので実際にそんな感じなのかは分かりませんが、“男同士の友情映画”が好きな人には結構オススメじゃないですかね。




2本立てのオトクなDVD。ニウ・チェンザー監督が撮ったのは「ビバ!監督人生!!」の方。評判は良さげ。
三角絞めでつかまえて-監督人生!
珠玉のアジアン・ライブラリーVol.5 「練習曲」×「ビバ!監督人生!!」 [DVD]


ニウ・チェンザー監督が子役として出演して注目された映画。ちょっと気になりますな。
三角絞めでつかまえて-風櫃の少年
風櫃の少年 [DVD]


「不良少年たちがギャングに~」ってことで、内容は全然違うけど、ちょっとだけ思い出しました。
三角絞めでつかまえて-ワンスアポンアタイムアメリカ
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ [DVD]


ラストの展開は嫌いだけど、アクションは大好きな映画。アクション監督が同じ人なんだそうです。
三角絞めでつかまえて-オールドボーイ
オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]




※おまけ

見終わった後は気分が盛り上がっていたので、ポップ広告にあった台湾料理屋「中国菜館」へ!
三角絞めでつかまえて-中華菜館

もちろん頼むのは<オリジナル鶏モモ>だぜ! 店内にも広告が貼ってありましたぞ。
三角絞めでつかまえて-モンガのメニュー

欲張って2つ頼んだら、店員さんが気を遣ってくれたのか、箸で食べやすいように切って出してくれました…。確かに美味しかったけどさ、手に持って食べないと映画の気分が味わえないじゃない!ヽ(`Д´)ノウワァァァァン
三角絞めでつかまえて-これがもも肉だ!


おしまい。