「あなたの御意見にソウ形で・・・」
「あなたの影にソウように・・・」
さて、この「ソウ」は、「沿う」か「添う」か、どちらでしょうという問題です。
何か面倒くさそうですよね。
私もいまだに悩んでは辞典を引っ張り出す困ったさんです。
そこで、以下できるだけ分かりやすくまとめてみます。
まずは用例から。
「沿う」 ・・・ 意見に沿う、川に沿って歩く、線路に沿って歩く、方針に沿って実施する、
要望の線に沿う、御希望に沿う、期待に沿う
「添う」 ・・・ 影の形に添う、連れ添う、付き添う、添い寝する、寄り添う、病人に付き添う、
御希望に添う、期待に添う、
何か分かったような、分からんような、という感じではありませんか。
そして見比べていくと、何と、「ご希望にソウ」「期待にソウ」はどちらの用例にも登場します。「なんじゃこりゃ」となりますよね。まったく困った言葉です。
そこで、少し理屈の話です。
「沿う」 ・・・ 長くなるもの・基準となるもの・より所となるものから離れないように進むこと。
「添う」 ・・・ 主なるものの側近くからはなれないでいること。付け加わること。
どうやら、長いものに「ソウ」ときは「沿う」を用いるというということは言えそうですね。「川」や「線」が出てきたら「沿う」を使えばよさそうです。元々「沿」という字は「水がルートに従い低い方へ流れる」ことを表す漢字なのだそうですから、川とか線のような長いものを連想して覚えておく方法もあるかもしれません。「沿岸」という言葉で覚えておけばよいかもしれませんし、野口五郎が歌った「私鉄沿線♬」でもいいかも。(ちょっと古いかな)
次は「添う」の方です。「主なるものの側から離れない」と言われても「何のこっちゃ」って気分です。そこでもっと調べると、「添」という字は「薄く紙を貼り付けるように、上に水の層を加えること」だそうです。しかし、これでもよく分かりません。
でも、まあ、薄い紙をポイントとして覚えれば、切手をペロッと舐めて手紙に貼るイメージでしょうか。ピッタリくっつくというところがポイントのようです。夫婦が仲良く「連れ添う」、「付き添う」、「添い寝する」、「寄り添う」ということで、感じがつかめるような気もします。
ということで、これから私は野口五郎が切手を舐めるシーンで覚えておこうと思います。
ちなみに、「御希望にソウ」「御期待にソウ」にどちらの漢字も使われているのは、このような「主たるものに付き添って助ける」という意味の場合には「副う」(そう)という文字が使われていたことと関係するようです。つまり、昔は「ご希望に副う」「期待に副う」と書いていたのが、その後定められた常用漢字表では「副」を「ソ」とは読まないこととされたために、その代用品として「沿う」とか「添う」が用いられ、いまだに統一されていない状態が続いているということのようです。ただし、次第に「沿う」が用いられることが多くなっているとのことですから、こちらは「御希望に沿う」、「御期待に沿う」を使うようにしておいた方が無難のようです。
ということで、できるだけ分かりやすく整理したつもりなんですが、まだまだですね。すいません。