添削していて思わず手が止まってしまうのが「いかす」です。
「活かす」と書く人もいれば「生かす」と書く人もいます。ごくまれに「いかす」と仮名書きする人もいます。「さて、これはどっちが正しい?」ということです。
「活かす」とは文字どおり経験や失敗、能力や長所などを活用する意味ですから、「経験を活かす」「特技を活かす」のように用います。一方の「生かす」は、基本的には命を保たせるという意味ですが、「活かす」と同じような意味も含まれています。ですから悩ましいのです。
それでは実際の添削ではどうするかといいますと、私は次のようにしています。
1 入学試験や入社試験、役所などの公的機関に出す文章の場合
すべて「生かす」にします。理由は、「活かす」は常用漢字ではないからです。「いかす」と仮名書きにすると、「生」という漢字が書けないと判断されかねないので、仮名書きも訂正します。
2 それ以外の文章の場合
「活用する」という意味で使われている場合は、「活かす」でも「生かす」でも、どちらでもよいことにします。「いかす」については、常用漢字のことを知った上であえて「いかす」と表記したと理解できる場合には訂正せず、それ以外は「生かす」にします。
ただし、「人」については、「人を活用する」ということになって失礼に当たる場合がありますので、その場合は「活かす」ではなく「生かす」に訂正します。
ということですので、「いかす」は「生かす」と書くのだと覚えておけば、どのような文章でも問題はなく、恥をかくこともないと思われます。