☆★☆ 舌小帯とは ☆★☆
舌小帯とは、舌の裏と下の前歯の後ろをつないでいるすじのことです。この筋が短いことによって障害を起こすことを舌小帯短縮症と呼びます。乳児期には授乳障害、4歳過ぎぐらいから歯並びや発音に影響が出てくることがあります。トレーニングによって伸ばす方法もありますが、歯並びに大きな影響が出る場合は切除する場合もあります。
☆★☆ 舌小帯が短いことによって起こること ☆★☆
<受け口になりやすい>
舌の位置は普通、上顎に接しています。舌小帯が短いことによって舌が上に持ち上げられず、下の前歯の後ろに入り込み、前歯を押してしまい、受け口になりやすくなります。
<舌足らずの話し方になる>
舌小帯が短いと舌を上顎に付ける発音が難しく、「たちつてと」の発音がしにくくなります。
<上の歯の歯並びが悪くなる>
上顎は舌が押し付けられることによって広がります。そのため上顎と舌の大きさはほぼ同じです。舌が上顎に着けられないことによって上顎は狭くなり、歯並びが悪くなります。
☆★☆ 舌小帯を伸ばす方法 ☆★☆
<舌小帯を伸ばすトレーニングをするMFT>
口腔筋機能療法MFT(Myofunctional therapy)とは、舌や口の周りの筋肉を正しく使えるように練習することです。舌小帯が短い方は正しい舌の位置や飲み込み方が出来ないため、トレーニングをしながら舌小帯を伸ばしていきます。歯医者では矯正治療の一部として行っているところが多いようです。
- 上顎に舌全体を吸いつける
- 吸いつけたまま口を開けたり閉めたりする
- 舌全体を上顎に吸い上げ「ポン」と音を出す
<マウスピース矯正で舌の位置と歯並びを治す>
舌小帯が短いことによって歯並びが悪くなってしまいます。舌小帯を伸ばしながら悪くなってしまった歯並びも一緒に治すのがマウスピース矯正です。T4Kやムーシールドといった装置で口や舌の悪い癖を排除しながら歯並びも治していきます。
<舌小帯を切除する時期>
MFTやマウスピース矯正でも舌小帯が伸びずに歯並びや発音に悪影響を及ぼす場合は舌小帯を切除します。絶対切らなくてはいけないものではなく、切った方がいいというレベルです。また、舌小帯を切除後は今まで行えなかった正しい舌の動きを覚えるためにMFTのトレーニングして下さい。
時期 : 8歳前後、上の前歯が生え揃ったぐらいの時期が歯並びを改善しやすい時期です。切除するだけであればいつでも可能です。
痛み : 表面麻酔をして行えば麻酔の痛みはほとんどなく処置中は麻酔が効いているので無痛で10分程度で終わります。
※ 舌小帯短縮症だからといって全てが切除の対象になるわけではなく発音、歯並び等に影響を及ぼす場合のみ切除を検討してみましょう。