歯医者さんの豆知識:二度と虫歯にならないためにおさえておくこと | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

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2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

虫歯治療のために歯科医院に通わなければいけないのは、誰だって嫌なもの。 治療を受けながら「もう二度と虫歯にはならない!」と思ったことがあるという人は、結構いるのではないでしょうか。 しかしその一方で、虫歯治療においてすでに一度治療した所が再び虫歯になった「再治療」の割合は50%とも70%ともいわれています。PMTC(歯科衛生士など専門家による歯のクリーニング)の提唱者であるスウェーデン・イエテボリ大学のアクセルソン教授が2004年に発表した「治療済みの歯がその後30年間にたどる経過」の研究によると、発生した虫歯の約80%は再発であるとの結果が出ています。せっかく治療したのに、なぜ虫歯は再発してしまうのでしょうか。二度と虫歯にならないために、押さえておきたいポイントを紹介します。

<<まずは、しっかり治療することから>>

二度と虫歯にならないためにまず大事なのは、何はともあれしっかり治療することです。「そんなの当たり前でしょ」と思われるかもしれませんが、単に途中で治療を止めないとかきちんと歯科医院へ行くということだけではありません。 もう少し詳しく説明します。
 
一般的に虫歯の治療は、
  1. 虫歯菌に侵された部分を削る
  2. 削った部分の虫歯菌を完全に除去する
  3. 詰め物・かぶせ物をする
という手順で進み、それ自体は特に何の問題もありません。
 
しかし、口の中の状況は毎日毎日変わっていくもの。長年使っているうちにかぶせ物が割れる、加齢や歯周病による歯茎の後退でかぶせ物と歯茎の間に隙間ができるなどすると、そこから虫歯菌が侵入し、詰め物・かぶせ物の下で虫歯が進行するリスクが上がります。そうなると、1回目の虫歯より治療は困難に。このサイクルを何回も繰り返すうちに、見た目が悪くなったり虫歯になる可能性が高まり、最悪の場合には抜歯に至るケースもあるのです。このような事態を防ぐのに一番有効な方法は、初回の治療の際に完璧に虫歯菌を除去し、詰め物・かぶせ物と自分の歯茎や歯の隙間を極力小さくする精度の高い治療を受けることです。 マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)や拡大鏡を使った精密治療が行われているかどうかは、一つの目安になるでしょう。また、治療前には歯科医師としっかり話をし、再発リスクが高い状態なのか確認してみると良いでしょう。
 

<<生活習慣の見直しを>>

虫歯は虫歯菌による感染症ですが、食生活や歯磨きの習慣が大きく関係する、生活習慣病でもあります。以前に虫歯となってしまったときの生活習慣をそのまま続けていると、また虫歯ができてしまう可能性は非常に高いので、習慣を見直すのも大事なことです。具体的には、次のようなことに気を付けてみてください。
 

◎:ダラダラ食べをやめる

虫歯は、口の中の虫歯菌が食べかすなどに含まれる糖を養分として増殖し、酸を出して歯を溶かしてしまうことが原因で起こります。この酸は、通常なら唾液の作用により一定時間で中和され、唾液に含まれるミネラルによる「再石灰化」により歯も元通りに修復されるのですが、飲食の回数が増え ると常に口の中に糖分があるため、虫歯菌が酸を出す時間が長くなります。その結果、歯が溶ける速度が再石灰化の速度を上回り、虫歯になってしまうわけです。食事の時間を守る、規則正しい食事をするなど、口の中に糖分がない時間を作ることが虫歯予防につながります。
 

◎:唾液の量を増やす

唾液には殺菌作用があるので、唾液の量を増やすことは歯を守ることにもなります。キシリトールガムを噛んだり、ひと口30回を目安によく噛んで食べるなど、ちょっとした工夫が役立ちます。
 

◎:就寝前には丁寧に歯を磨く

睡眠中は唾液の量が減るため、口の中に細菌が繁殖しやすくなります。就寝前は特に時間をかけて、磨き残しがないように丁寧に歯を磨くようにしま しょう。

<<定期メインテナンスを受けよう>>

どんなにしっかり歯磨きをしても、歯磨きだけでプラーク(虫歯菌の塊)を完全に落としきるのは難しく、だいたい3~4ヶ月もすれば徐々に歯は汚れてきます。そこで、歯科医院にメインテナンスに通い、定期的にプラークを落としてもらうことも、虫歯予防には非常に大切になってきます。前述のアクセルソン教授が約500人の被験者を対象に行った研究によると、定期メインテナンスを受け続けた患者の30年間での抜歯の本数の平均値は、メインテナンス開始年齢が20~35歳では0.4本、36~50歳では0.7本、51~65歳でも1.8本ととても低い数字に抑えられています(調査時の年齢は開始年齢+30歳)。ちなみに厚生労働省が2011年に行った歯科疾 患実態調査によると、2011年時点での日本人1人あたりの歯を失った本数の平均値は、60~64歳で5.9本、70~74歳だと11本、80~84歳で16.1本でした。 定期メインテナンスを受けることで、虫歯や歯周病による抜歯を大幅に減らすことができるのです。
 
※ 虫歯の再発を防止するためには、「初回にしっかり治療すること」「虫歯を作る生活習慣を改めること」「定期メインテナンスを受けること」という3つのポイントに気をつけることが重要です。信頼できる歯科医院を見つけて、ぜひ取り組んでみてください。