歯医者さんの豆知識:治療中の放置はNG!歯の治療をしっかり最後まで終えなくてはいけない理由!! | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

仕事が忙しかったり、子どもの世話が大変だったりすると、歯科医院に行くのはついつい後回しになりがちです。「痛みを感じて最初の1回は行ったけれど、痛くなくなったのでその後は行っていない」「忙しくて治療の途中で止まっている」という方は、意外と多いのではないでしょうか。多くの歯科医院では、初回はまず痛みを止めるための応急処置を行ってくれます。しかし、虫歯は自然には治らないものです。痛みがなくなったからといって放っておいても元には戻りませんし、治療を中断したことで歯にかかる負担が増え、治療期間が長引いてしまうこともあるのです。
 

<<仮歯のまま放っておくと何が起こるの?>>

仮歯は、虫歯などの治療で歯を削った場合に 最終的なかぶせ物をするまでの間、または歯を抜いた場合にブリッジ(歯と歯の間を埋める人工の歯)やインプラント(人工の歯根)を入れるまでの間、一時的に装着しておくプラスチック製のかぶせ物です。おもな働きとしては、次のようなものが挙げられます。①削った歯を守る:歯の神経を保護することで、痛みやしみを防ぐ ②歯の移動を防ぐ:歯がなくなったスペースに隣の歯が倒れこんできたり、噛み合っていた歯が伸びてきたりして噛み合わせが悪くなるのを防ぐ ③虫歯を防ぐ:口の中にいる虫歯菌が歯の内部に入り込み、新たな虫歯になるのを防ぐ ④いつもどおりに生活できる:歯の治療中も見た目が変わらず、話がしづらくなることもない

仮歯は見た目もほかの歯と大差なく、痛みやしみも防いでくれるため、そのまましばらく過ごしても問題はないように感じられます。しかし、仮歯はあくまで本治療までの「とりあえずの歯」です。治療のために外すことを前提に作られているので接着力が弱くて外れやすいほか、数カ月も経てば材料が劣化①磨り減って噛み合わせが悪くなる ②汚れを吸収して茶色く変色してくる ③嫌な臭いがする ④割れやすくなる などの問題が発生してしまいます。接着剤が溶けた隙間から仮歯の中に菌が入れば、仮歯の中で虫歯が進行し、治療前よりトラブルが大きくなってしまうことも珍しくありません。
 

<<かぶせ物の型取りの後、治療期間があくとよくない?>>

 
歯の神経まで達していない小さな虫歯の場合、基本的な治療手順は以下の流れになります。①虫歯に冒された部分を完全に取り除く ②虫歯が深ければ、神経を保護するために薬を詰める ③詰め物又はかぶせ物がしやすいように歯の形を整える ④詰め物をする 少し大きな虫歯の場合、当日は型取りのみで、専用の詰め物・かぶせ物を作製し、後日詰める場合があります。型取りから次回の治療 まで通常なら約1週間程度ですが、この期間が長くなることもやはりよいことではありません。期間が長くなればなるほど、次のような問題が起こる可能性が高まります。①仮留めしている材料が外れ、痛みやしみが発生する ②削った部分に汚れが溜まり、再度虫歯になる ③両隣の歯が傾くなど周りの歯が移動してしまい、かぶせ物の精度が下がる 1~2カ月ぐらいあいてしまうと、歯の位置が変わってしまい、型取りをやり直さなくてはならないケースも珍しくありません。治療期間が延びると共に、余計な出費にも繋がってしまうわけです。
 

<<歯の神経の治療中は要注意!>>

虫歯が歯の神経(歯髄)にまで達している場合、神経を取り除き、歯の 中をきれいに消毒した上で薬を詰め、かぶせ物をするという「根の治療(根管治療)」が行われることになります。通常、歯の中を消毒するには1~2週間ごとに数回の通院が必要になりますが、この途中に治療を中断したり治療期間が長い間あいたりしてしまうのもNG。やはりトラブルの原因になります。もっとも、歯の神経は取り除かれているので、たとえ仮の詰め物の間から雑菌が入ったとしても、痛みが出ることはほとんどありません。しかし、消毒中の歯の管の中に雑菌が入り、根の先に近い顎の骨近くまで到達してしまうと、そこに膿が溜まる可能性があります。そうなると根の再治療が必要となり、膿や歯の状態によっては、最悪抜歯になってしまうケースもあるのです。歯の治療を途中で放置してしまうと、さらに虫歯が進んでしまったり再治療が必要になったりして、結果的にお金も時間も掛かってしまいます。忙しい中、歯科医院へ行く時間を確保するのは大変ですが、将来のことを考えれば、最後まできちんと治療しておくのがおすすめです。