口臭対策として、食後にミント味のガムやタブレット菓子を食べている方も多いのではないでしょうか。確かにミントの成分によって口の中はスッキリ爽やかになります。しかし、それは一時的なもの。ミント味のガムやタブレット菓子は口臭そのものを消しているわけではなく、より強い臭いでごまかしているに過ぎません。香り成分がなくなれば、再び口臭がムワッと漂ってしまうわけです。口臭対策で重要なのは、臭いの元を絶つことです。「それができれば苦労はしない」と思われるかもしれませんが、口臭予防に役立つ食べ物や飲み物が、実は身近なところにあるのです。今回は、口臭対策として積極的に食べたいものについてご紹介したいと思います。
<<緑色の 野菜・海藻類>>
消臭効果がある野菜として有名なのが、パセリです。料理の飾りと思われがちですが、古くからヨーロッパでは口臭対策として用いられてきました。クロロフィルという成分が口臭の原因となるガスと結合して、臭いを和らげてくれるのです。ちなみにクロロフィルとは葉緑素のことで、緑色をした野菜や海藻類に多く含まれています。パセリのほかにもブロッコリー、小松菜、ほうれん草、明日葉、わかめなどにも含まれています。ただし、クロロフィルは熱に弱いという特徴があります。緑色の野菜を炒めると色が変わることがありますが、これはクロロフィルが熱によって分解されたためです。口臭を防ぐためには、なるべく生で食べるようにしましょう。
<<酸っぱいもの>>
口臭を消したいときに最初にするべきなのは、「唾液を出すこと」です。口臭が強い人でも食後、つまり唾液が出ているときは口臭が抑えられています。それは唾液によって口内が殺菌されているためです。唾液をすぐに増やしたいときに役立つのが、レモンや梅干しといった酸っぱいものです。食べたときはもちろん、見たり想像したりするだけでも、口内にジワッと唾液が出ますよね。それが口臭予防に最適なのです。ちなみに、梅干しには「梅リグナン」という抗酸化力・抗肥満力に優れた成分があります。口臭が抑えられるだけでなく、老化や肥満対策も同時にできるのでおすすめです。
<<フル ーツ>>
糖質制限ダイエットを行っている女性は多いと思います。しかし、糖分は三大栄養素(炭水化物が分解されてブドウ糖になる)に数えられる重要な栄養素です。糖分が足りなくなると、代用として肝臓でケトン体という物質が生成されるのですが、この際、フルーツが腐ったような「ケトン臭」が口や体から臭ってしまいます。そこでおすすめしたいのがフルーツです。例えばバナナやリンゴのような糖質が豊富なフルーツを食べれば、糖質不足によるケトン臭を防ぐことができます。またパイナップルやキウイなどの一部のフルーツは、口臭の原因となる成分を分解する力を持っています。食後に意識して食べることで、嫌な臭いを抑えることが可能です。ただし、この分解酵素は熱に 弱いため、なるべく生で食べるようにしましょう。
<<緑茶>>
緑茶には解毒・殺菌作用のある「カテキン」が豊富に含まれています。口臭の原因となる虫歯菌の増殖を抑えつつ、さらに歯垢が歯にくっつきにくくなるといううれしい効果もあります。食後には口に緑茶を含み、口内を軽くゆすぐようにしてから飲むとより効果的です。口をゆすいだものをそのまま飲むのは抵抗があるかもしれませんが、はき出してしまうと殺菌作用のある唾液もいっしょに流れてしまうので逆効果です。ちなみに同じ緑茶でも、カフェインが豊富に含まれている玉露は避けましょう。利尿作用があるため、体の水分が失われてしまいます。口内が乾けば口臭も強くなるので、玉露入りのお茶はなるべく飲まな いようにしてください。
<<無糖ヨーグルト>>
ヨーグルトは歯や骨を丈夫にしてくれる「カルシウム」と、口臭の原因となる虫歯や歯周病を防ぐ「乳酸菌」が豊富に含まれています。つまり、歯を強くしながら同時に口内環境を改善できてしまうのです。ただし、ヨーグルトは無糖のものを選びましょう。加糖タイプのものは逆に虫歯&口臭リスクが高まってしまうので注意してください。