歯医者さんの豆知識:ドライマウスて何? | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

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2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

「ドライマウス」とは、その名前の通り口の中が乾く症状のことです。2009年に日本口腔検査学会雑誌に掲載された論文によると、日本では約3,000万人の潜在患者がいる可能性があるとの研究報告が紹介されているほどで、昔から高齢者に多いことは知られていましたが、最近では年代を問わずこの症状で歯科医院を訪れる人も増えています。特に女性に多いとされているのも特徴の1つです。それ自体は病気ではありませんが、放っておくと体にさまざまな悪影響が出る可能性があります。
 

ドライマウスになると何が問題なの?

ドライマウスは、おもに唾液の分泌が減ったり、唾液が蒸発したりするで起こります。口の中の不快感はもちろんですが、殺菌作用のある唾液が減ってしまうことで虫歯や歯周病になりやすくなったり、口臭が発生したりするのがドライマウスの問題点です。以下のような症状が3ヶ月以上続くようなら、ドライマウスの可能性を疑ってみましょう。
  • 常に口の中が粘ついているような感覚がある
  • 舌がピリピリする
  • 口の中が乾いてしゃべりづらい
  • 口臭が気になる
  • 冬でもないの に唇が乾き、皮がむける
  • ビスケットやクッキーなど乾いた食べ物が食べにくい
  • 食事中に頻繁に水を飲みたくなる
  • 喉が渇いて夜中に目が覚める
  • ドライアイがひどい
 

なぜドライマウスになってしまうの?

ドライマウスの根本原因である、唾液が少なくなってしまう原因は数多くあります。また、そのさまざまな要素が同時に関係している場合もあります。
 

ストレス : 唾液を分泌する唾液腺は自律神経(循環器や呼吸器、消化器などを調整するために24時間働き続けている神経)に支配されているため、強いストレスによる自律神経の乱れはドライマウスの原因になります。「職場が変わって口が乾くようになった」などの場合、ストレスが原因であ る可能性が高いです。

 

食生活の乱れ : 同じ自律神経のバランスを乱すものとして、不規則な食生活や過剰な飲酒、喫煙などの習慣も、ドライマウスにつながることがあります。

 

薬の副作用 : うつ病の薬やアレルギー症状の緩和に使われる抗ヒスタミン薬、高血圧の薬などの副作用もドライマウスの原因の1つです。

 

免疫性の病気 : 女性に多く見られる免疫性疾患・シェーグレン症候群などの病気が原因になっている場合もあります。ちなみに難病情報センターによると、シェーグレン症候群の患者数は1年間の病院受診者数を元にすれば全国で1万5,000~2万人ですが、「アメリカのデータを当てはめると10~30万人と推定されることもある」とも紹介されていま す。

 
このほか、唾液の減少以外の口の乾燥を招く原因として口呼吸があります。鼻呼吸の場合、鼻腔(びくう)という器官を通る間に空気が加湿されるのに対し、口呼吸では直接口の粘膜が乾燥してしまうためです。
 

ドライマウスの治療法・予防法は?

すでにドライマウスになっている場合にまず自分でできる対策としては、意識して鼻呼吸を行うこと、常に飲み物を持ち歩きまめに水分補給すること、歯磨きやうがいをしっかり行い、口の中を清潔に保つことが挙げられます。その上で、それぞれの原因に合わせて、次のようなことも行ってみると良いでしょう。
 

ストレスや食生活の乱れが原因の場合

症状の根源であるストレスを減らし、規則正しい食 生活を心がけるのが一番ですが、そう簡単に解決できない問題である場合がほとんどです。対処法として、
  • 1口30回を目安に、食事の際の噛む回数を増やしてみる
  • ガムを噛むことで唾液の分泌を促す
  • 耳の下辺りにある唾液腺をマッサージする
  • 保湿剤が配合されたマウスウォッシュを使ってみる
などを実行しながら、徐々にストレスを軽減していくことを目指すとよいでしょう。
 

薬や病気が原因の場合

薬が原因ではないかと思われる場合は、主治医に薬の量を減らしたり、別の薬に変更は可能かを相談してみるのが第一歩です。病気が原因の場合は、それ以上症状を悪化させないために、専門の医療機関で診てもらうことが重要です。一方予防には、できるだけストレスを溜め込まず規則正しい生活を送るのが最も有効な方法です。併せて、よく噛んで食べることなども取り入れると、虫歯・歯周病の予防にも役立ちます。
 
ドライマウスになると虫歯・歯周病にかかりやすくなってしまうので、歯科医院での健診により口内の状況を定期的にチェックするのも大切です。