歯医者さんの豆知識:前歯を差し歯にしなくてはならなくなったら...φ(..)メモメモ | デンタルケア神谷町の独り言 φ(.. ) Deep breathing of dental care Kamiyacho

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2012年7月よりスタートしました当院ブログ!!これからも歯科の豆知識から雑学!!スタッフの小言などジャンルを問わず気まぐれに記載していきますのでどうぞよろしくお願いします(^ ^)/

前歯を失ってしまった場合の治療ってどうしよう..保険だと見た目や色も気になるし、保険外では、金額が...今日は前歯を差し歯にしなくてはいけなくなってしまった時の保険治療と保険外治療の選び方について勉強したいと思います。
 
☆★☆差し歯とは☆★☆
歯の根が残っている時にその根を使って被せ物をすることです。差し歯は残っている根の中を治療した後に土台を立て、被せものをします。以前は土台と被せものが一体となっていたものを、根の中に差し込むようにしていたために差し歯と呼ばれています。根が残っていない場合はインプラントや入れ歯、ブリッジをすることになります。
 
☆★☆多くの方が前歯を保険で差し歯にしない理由☆★☆
 
<<歯茎が黒くなってしまうから>>
保険の前歯は金属の土台と金属の冠の表面にプラスチックを張り付けています。金属は唾液のような水分のある場所ではイオン化して、溶け出してしまいます。溶けた金属の成分が刺青のように歯茎を黒くしてします。この黒くなった歯茎の色を取るには歯茎ごと取って他の歯茎を移植する必要があります。セラミック治療では金属を使わない、金属を使用していても縁の部分はセラミックのみで製作するため歯茎が黒くなることはありません。
 
<<差し歯は色が黄色くなってしまうから>>
保険の差し歯は表面にプラスチックが張り付けてあります。プラスチックは口の中で水分を吸収して、劣化しやすくなり黄色く変色してしま います。また、プラスチックの表面は傷がつきやすく、傷の凸凹にプラー クが残り黄ばんでしまいます。セラミックは水分があるところでも安定している為、色が変わることはありません。
 
<<差し歯の形が大きくなってしまうから>>
保険の前歯は金属とプラスチックの2層構造です。特にプラスチック部分は強度を保つために厚めにする必要があります。そのため全体的に大きくなってしまいます。セラミックはセラミックのみの厚みのため周りの歯の大きさに合わせることができます。
 
<<差し歯の色が合わないから>>
保険の前歯でも一般的な歯の色の方はそれほど目立ちません。しかし、色が濃い人やまだらな感じの人はプラスチックでは色が出せないために周りの歯から浮いてしまいます。セラミックは歯の色を周りの歯と合わせることができます。陶器ですので色を付けたり透明感を出したり自在に作ることができます。
 
<<プラスチックが剥がれるから>>
金属の表面についているプラスチックは、金属やプラスチックの劣化、プラスチックの収縮によって剥がれてしまうことがあります。セラミックは一つの材料から作られるのと、お口の中ではほとんど収縮をしないために剥がれることはありません。
 
<<差し歯に汚れがつきやすいから>>
前歯の金属部分は小さな傷が多くあり、その傷の中に細菌が詰まっています。またプラスチックも歯磨きや食事の時に傷がつきやすく、傷ついた溝に細菌や汚れが溜まってしまいます。セラミックの表面は一度コーティングして焼いてしまうので、傷がなく汚れが付 きにくいのです。また、強度も強いため表面に傷がつくことはありません。
 
<<差し歯のすき間から虫歯になりやすいから>>
裏側に使っている銀歯が劣化することによって隙間から虫歯が起こってしまいます。お口の中は酸性、アルカリ性、熱い、冷たいなどと過酷な環境です。銀歯は早くに劣化してしまい、歯とのすき間から虫歯になってしまいます。セラミックは陶器の一種なので、お口の中でも安定し、虫歯になりにくいのです。
 
<<残っている根が折れやすくなるから>>
保険の差し歯に使われる土台の金属は根に比べ固すぎるために強い力がかかると根が折れてしまいます。根が折れてしまうと抜歯をしなくてはいけなくなってしまいます。セラミックの土 台はファイバー繊維を使うために強度と柔軟性があり、根が折れるのを防ぎます。
 
<<残っている根が黒くなってしまうから>>
保険の差し歯に使われる土台の金属は歯の根に溶け込んで黒くしてしまいます。歯茎が下がって根の一部が見えてきたときには、虫歯でもないのに黒く見えてしまいます。セラミックは土台にも金属を使わないために金属の色が出ることはありませんが、神経が死んでしまうと徐々に歯は黒くなってきてしまいます。
 
☆★☆前歯には金属を使わないセラミックがお勧め☆★☆
近年歯科材料の進化により金属を使わないで、セラミックだけで治療を行うオールセラミックという治療法が可能になりました。オールセラミックは金属によって起こっていた歯や歯茎の変色、金属アレルギーなどを解決する方法として注目されています。
 
☆★☆どうしても金額を抑えたい場合☆★☆
<<歯の2/3程度残っていればプラスチックを詰める>>
歯が2/3程度残っていれば一時的にプラスチックを詰めることも可能です。欠けたり取れたりはしやすいですが金属による歯茎の変色はありません。ただし神経が死んでいれば自然の黒さは出てしまいます。
 
<<折れにくい土台と仮の歯まで治療しておく>>
神経が死んで歯の根しか残っていない場合、土台と仮の歯まで行っておく方法があります。金属の土台を入れてしまうと歯や歯茎が変色してしまうのでファイバーの土台で歯を補強し、仮の歯まで治療を行います。
 
※残念ながら保険診療で差し歯のセラミックは認められていませんが、大切な前歯ですので、後悔しない ためにもリスクを知った上で治療することをお勧めします。