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先週、岡山市内で年に一度の

「おかやま文学フェスティバル」があり

父親の誕生月祝いもかねて

岡山の実家に帰省していた。

 

 

 

すると両親から、せっかくなら

岡山県立美術館で開催中の

柚木沙弥郎さんの『永遠のいま』展に

絶対行ったほうがいいよ!とお勧めされた。

 

 

 

両親はすでに同美術展へ足を運んでおり

母は図録を、父は柚木さんが手がけた

宮沢賢治の絵本を購入していていて、

私にも見せてくれたのだった。

 

 

 

その時々の興味で美術展に行くことはあっても

両親がわざわざ作品集を買うなんて珍しい。

よほど柚木さんの作品が素敵で

心底気に入ったに違いない。

 

 

 

特に私は母から多分に影響を受けて

好きなものの好みが似通っているので

母が太鼓判を押すならば

きっと私もすごくはまるだろうと確信する。

 

 

 

日曜日、一緒にランチをする予定だった

友人をお誘いして、岡山県立美術館へ。

 

 

 

 

 

 
 
この日、岡山はあいにくの雨模様だったが、
その分お客さんが混み過ぎてなくて
ラッキーと思いながらいざ入館。
 
 
 
朝一から美術館へ行くなんて
普段朝寝坊型でスロースタートの私にしては
やけに行動的な1日のはじまりだ。
これも地元を離れたからこそ、だ。
たまに帰省すると目一杯堪能したくなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
柚木沙弥郎 『永遠のいま』展
2025年2月14日(金)〜3月23日(日)
岡山県立美術館にて。
ポスターのビジュュアルがすでに素敵すぎる。
 
 
 
あまりご存じでない方のために紹介すると
柚木沙弥郎さんは染色家で
1922年(大正11年)東京生まれ、
2024年の1月31日に亡くなられている。
 
 
 
父方の実家が岡山県倉敷市玉島で
祖父は実業家、父親は南画家だった。
柚木さんは1942年に東京帝国大学の
文学部美学美術史科に入学するが、
太平洋戦争により戦地へ動員され
終戦後、ようやく玉島に復員した。
 
 
 
1946年には倉敷の大原美術館で職を得て
当時の館長だった武内潔真との交流が生まれる。
美術館の創設者である大原孫三郎は
柳宗悦の提唱する民芸運動を支援しており
倉敷という街は民藝にゆかりがあるのだが、
あるとき柚木さんは、
芹沢銈介の手がけた型染カレンダーに出会い
その美しさに強く惹かれて、
染色家としての道を志すようになったと言う。
 
 
 
大原美術館を退職後、
静岡県の染物屋で染色の勉強をした後
再び倉敷に居を構え、自身の活動を始める。
49年から2022年までは毎年国画会展覧会へ
毎年作品を出品するかたわら、
女子美術大学工芸科専任講師を務めるなど
多方面で活躍されていた。
 
 
 

今回の「永遠のいま」展は

柚木さんにゆかりのあった地を巡る展示で

2024年10月の岩手を皮切りに、

岡山、島根、静岡、東京と5会場で開催される。

 

 

 

 

展示会場は撮影不可だったので

ここで掲載できる写真はない。

その代わり、あまりに作品が素敵で

母同様に、私も図録を買ってしまった。

 

 

 

 
 
 
何がって装丁がかっこいい。
表紙に採用されている黒い丸は
晩年に柚木さんが紙を切って作った
コラージュ作品の一つ。
 
 
 
愛用の小刀を使って、
フリーハンドでざくざくと
切り取られた黒い丸。
この潔さ、偶然の美しさ。
これを表紙に選んだ人の
センスに惚れ惚れしてしまう。

 

 

 

 

 
 
 
家に持って帰ってから
再び図録を開いて眺める。
 
 
 
展示会場の実寸大の作品の
本物の迫力には及ばないけれど、
ゆっくりとじっくりと
手元で眺めながら味わう楽しみ。
 
 
 
 
母が図録を買っていなかったら
私も買っていなかったかもなぁと思う。
人からそのまんま影響されるというのも
いいもんだな〜と思う。
 
 
 
*おまけ*
 

 

 

展示会場の横の物販にて。

 

 

 

 

 
 
 

柚木さんの図案がとても素敵で

オリジナルグッズを見るのも

今回の企画展の楽しみの一つだった。

 

 

 
 
 
柚木さんが手がけた絵本が
手にとって読めるように
子供向けに並べてあったり…
 
 

 

 

 
 
 
ポストカードやクリアファイル、
一筆箋やマスキングテープなど
どれも目移りしてしまうほど

色とりどりで可愛らしい。

 

 

 

会場に貼ってあったポスターが

モダンでカッコよかったなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
*美術展で買ったものたち*
 
 

昔から美術展に行くたびに
私は必ずポストカードを買うことにしていて
ここでもやはり、好きなものを購入。
 
 

ブルーやグリーンの色使いの
図案の作品がすごく好きなのだけど
残念ながらあんまり置いていなかった。
もしかして売り切れたのかな。
 

 
右下のポストカードの暖簾の図案は
赤と白との背景に浮かぶ、
丸みを帯びた黒色のびっくりマークが、
柚木さん流にモダンに表現されていて
目を引く強烈なかっこよさ。
 

 

 

 
 
 
それからクリアファイルも。
表面はこんな感じで…

 


 

 

 

 

裏面はこう…。

 

 

 

 
 
 
色使いがとってもビビッドで
和風のようでありながら
古臭くならないのがすごい。
洗練されたデザインだからこそ、
長く愛されるのだろう。
 
 
 
岡山県立美術館での会期は
3月23日(日)まで。
お近くの方はお見逃しなく…!
 
 
 



 
 
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