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あれ?もしかして、これ私が悪いんじゃなくて、私が「女だから」なのでは?

 

 

 

年末のBOOK OFF徘徊中に発見、

『女に生まれてモヤっている!』という

ストレートでキャッチーなタイトルと

ジェーン・スーさんと中野信子さんという

お二人の組み合わせに惹かれて。

 

 

 

「女性で生まれてきてよかった!」

ってなんの疑いもなく

天真爛漫に言える人がいたら

この本は必要ないかもしれない。

 

 

 

そうではなく、なんとなく

女らしく求められたりすることや

女らしくないと生きづらいなと

世の中にひっかかりを感じている人がいたら、

モヤモヤした糸を解く一冊になりうるだろう。

 

 

 

本書は、中野信子さんと私がプレイしてきた人生ゲームのバグ報告書です。このプログラムだと、どう頑張ってもうまくいかないようにできてるよと言う例を思いつくままにあげてみました。仕組みがわかれば、それにどう対峙するかはあなた次第です。(はじめにより)

 

 

 

「女性」であることは

その人を構成する一つの要素でしかないのに

無言で「女らしさ」を求めてくる世の中に

窮屈さを感じていたりしないだろうか?

それはあなたが悪いんじゃなくて

単に「女であること」で生じる枷。

 

 

 

例えば結婚をするかしないか

子供を産むか産まないか、

仕事をバリバリ続けるか

それともほどほどに働くか。

 

 

 

人ぞれぞれどんな人生でもいいはずなのに

女性は結婚して子供のいる家庭を持つのが

やっぱり幸せだよねって風潮が

いまだどこかしらに漂っていて、

女性たち自身がその価値観に振り回されている。

 

 

 

でもその悩みが生まれるのって

「自分のせい?」って思わないでいい。

「あなただから」ではなく

ただ「女だから」だよってことを

声を大にして発信しているのが

この本である。

 

 

 

 

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女性だから感じるモヤモヤは

女性にしかわからない。

かといって女性ならば誰でも

おなじように考えているわけではない。

 

 

 

なぜなら女性は男性以上に

仕事や結婚、育児に対しての考え方が

ほんとうにバラバラだから

同姓同士でも分かり合えないことが

本当にいっぱいあって、

仲の良い親友にだって迂闊に話せない。

 

 

 

 

そういう意味でこの本のいいところは

女性ならではの生きづらさをテーマに

ジェーン・スーさんと中野信子さんが

ざっくばらんに話し合っているのだけれど

二人の意見が必ずしも毎回

一致しているわけではないこと。

 

 

 

まったく異なる人生を歩んできた

それぞれの女性だからこそ

お互いに共感し合うこともあれば

私はこう思う、私はこうだなと

意見を交わしているのがよい。

 

 

 




 

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本書でいいなと思った箇所。

無造作に拾っていく。

 

 

 

 

中野 少女漫画の影響なのか「自分を理解してもらわないと結婚できない」と思い込んでる女性が多い気がしますが、逆に相手から「本当の自分」のような重いものを見せられて受け入れられるかな?私は嫌だなぁ。家にそんな重たい存在はいて欲しくない。自分ってそもそもモザイクであり、幻想ですから。

 

 

 

スー これは若い世代の女性に伝えたいんですけど、自分が本来持っている「自分らしさ」と世間一般に言う女らしさが、うまく合致する人もいれば、私のようにそうではない人もいるんですよ。そこが添わなかったからといって、自罰的にならなくていいですからね。そもそも無理ゲーだと言うことに、女性たちには早く気づいてほしい。

 私はこれまでの人生のほとんどに後悔はないですけど、女らしさと自分らしさを合致させる事は、無理ゲーだった、ということだけはもっと早く知りたかったですね。自己犠牲ができないことに対しての自罰意識がすごく強かったから。

 

 

 

中野 そうそう。自分にはちょっと足りないから、何かを足せば人間なれるんじゃないかと思って、あれこれやって頑張ってみた。それで次の電柱まで息をしないで走る、みたいなことを繰り返していた。でも周囲を観察してみたら、「あれ、意外とみんなも完全じゃないよね?」ってことを遅ればせながらようやく気づいて。そのことに気づいたら、別に完全じゃなく生きることの方が面白いのかも、と思えるようになったよね。

 

 

 

中野 自信がないからこその良さもあるよ。人間はライフサイクルのうちで10代から20代にかけてが最も自信がなくなるフェーズで、なぜその時期に自信がないほうがいいかと言うと、自信がない方が圧倒的に学習の効率が良いからなんです。何かを学ぶスピードが格段に早くなる。だって私たち、自信なくて不安な方が一生懸命勉強するでしょう?

 

 

 

中野 間違った選択をしたなら、その都度、リカバーしていけばいいじゃない。「こんな男と結婚してしまった。もう人生終わりだ」と絶望する必要なんてない。離婚したおかげで人生うまくいった、という人も世の中にはたくさんいます。リカバーする前に諦めて投げ出すのはまったく得策ではない。リカバーするための練習が私たちには足りないのだろうなと思うよね。これから必要なのは、選んじゃった答えを正解にする力じゃないかな。

スー わかる。「正解を選ぶ」「間違えないこと」はそんなに大事じゃないんだよね。間違ってもふてくされない。これだよ!

 

 

 

中野 私は失敗しているのか、成功しているのか。その判断は見る人によって変わるだろうと思うんです。でも別に世間からはどちらに取られてもいい。大事なのは、自分の中で「この選択で成功でした」と言い切れる自信を持つことだと思う。

スー うんうん、わかります。「この選択で成功でした」と信じることが、一番難しいと言えば難しいんだけど、そうなるためには、目の前のことを一生懸命考えてやるしか手がないと悟ったね。もうね、悪い方に気持ちが曲がったらアイロンかける、曲がったらアイロンかける。その繰り返しで、「私ならできる」「私ならできる」と思考のクセをつけていく。私は作業として機械的にやるようにしてる。いちいち「でも、やっぱり私なんて……」と考え込まない。「あー!また曲がったー!」ってアイロンかける。それを繰り返したら、ちょっとずつ自信がついて自分で自分の人生を決められるようになったよ。

 

 

 

 

 

 

間違った選択肢を選ぶこともある。

答えを出すのが人より遅れることもある。

 

 

 

でも人それぞれでいいのだ。

間違ったり、のろのろしていたって

いつか自分が納得した答えを

掴むことができたらそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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