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『犬王』

公開から時間が経っていたけど、

ようやく観に行くことができた。

音楽と映像の最高のエンターテイメント。

これは映画館で観るべき作品だ物申すびっくりマーク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも、キャラクター原案が

松本大洋だと知った時点で

なにがなんでも観に行かねば!と

私の中で映画館行きは確定した凝視キラキラ

 

 

 

今の時代、なんの予備知識も仕入れずに、

まっさらな状態で居ようとしても

自分の意図に反して前情報を

知ってしまうことがある真顔もやもや

 

 

 

初見の感動を失いたくなくて

予告編とPR動画だけにとどめて

他の人の映画の感想を読むのは

極力我慢…した魂が抜けるツラカッタ

 

 

 

ああ、やっぱり観に行ってよかった。

最高に面白かった…!よだれ飛び出すハート

 

 

 

映画の内容に関しては

私がだらだら書くまでもないだろう。

予告編を観ただけで、

これだけ惹きつけられるんだものニコニコキューン

 

 

 

 

 

▽かっこいい予告編。

和のテイストとロックな感じ。

 

 

 

 

 

 

***以下ネタバレ注意***

 

 

 

 

 

とにかく、映像が素晴らしくいいキラキラ

松本大洋の絵の世界観、

表情、力強さ、あの躍動感、

絵がまさしく生きていている。

美しく、ダイナミックに魅了される。

 

 

 

物語の主役は二人の少年。

壇ノ浦の漁村でとある呪いで失明し

仇を撃つために京都へ向かう

琵琶法師の友魚(森山未來)。

猿楽の比叡座の棟梁の息子で

異形に生まれながらも

才能を開花させていく犬王(アヴちゃん)。

 

 

 

友魚と犬王というキャラクターは

松本大洋が描く漫画の

『鉄コン筋クリート』のクロとシロ、

『ピンポン』のスマイルとペコのように

最強のバディ感が出ていて

文句なしに最高(これが観たかった)。

 

 

 

それと主人公の声優二人が見事に

ハマり役だったというしかない。

この作品は別の声優だったら

まったく違う作品になってしまっていただろう。

それほど森山未来とアヴちゃんの独特の声は

友魚と犬王にピッタリだった。

 

 

 

ある晩、少年二人は都の橋の上で出会う。

友魚が琵琶を奏でると、犬王は踊り出した。

まるで昔から心が通じ合った仲間のように

二人は即興で音とダンスのセッションをする。

 

 

 

唯一無二のステージが、

新しく生まれた瞬間だった。

二人は自分達でオリジナルの舞台を始め

都の人々を瞬く間に熱狂させていく。

「ここから始まるんだ俺たちは!」

 

 

 

もうね、この時点で最高ですよ昇天愛

物語は1/3進んだくらいだと思うけど

友魚と犬王が運命的に出会うシーンの

あのわくわくした高揚感イエローハーツ

二人ならすごいことがやれる!という

なんともいえない期待感グリーンハーツ

 

 

 

路上で演奏する友魚の力強い歌声と

縦横無尽に舞台を舞う犬王の身体。

まるで目の前でミュージシャンの

野外フェスに参加しているような

臨場感あふれる演出雷雷雷

 

 

 

前半は琵琶法師の和のテイストで

繰り広げられていた物語が、

途中からロックな曲調の歌い語りへ

ガラリと変わっていくのも面白い凝視キラキラ

 

 

 

この映画の見出しは

「二人のポップスターが600年を駆ける

狂騒のミュージカル・アニメーション」

そう、この作品はただのアニメではなく

ミュージカルなのだ驚きびっくりマーク

 

 

 

盲目である友魚の視覚世界の表現や、

町中の人々の日常風景の細かな描写、

クイーンを思わせるロック・ミュージック、

犬王の卓抜した身体能力の舞いと意表を突く演出、

あれもこれもとあげればキリがない、

いろんな要素が見事に融合して、

すばらしい作品に仕上がっている。

 

 



 (映画鑑賞特典、第三弾のしおりをもらえた)



 



しいていえば、すこし残念だったのは

物語があっさりと進みすぎたことかな。

 

 

 

友魚と犬王は互いに出会う前から

ある意味逞しく生きのびてきた。

それが、出会ってコンビを組んでからは

己の存在意義が明確になり、

隠すことなく才能を発揮できる居場所ができた。

 


 

しかし、もっともっと二人の間で

葛藤が生まれたりするのかと思ったが

とんとん拍子に有名になっていく。

そこがあっさり…。

(テンポがいいとも言えるが)

 

 

 

また、犬王は

異形に生まれ虐げられてきたが

能楽が上達していくうちに

手塚治虫の「どろろ」のごとく

人間の体を取り戻していく。

 

 

 

それはファンタジーとしては

面白いストーリーなんだけど

ちょっと味気なくもあった。

異形であることは、

障害やコンプレックスでもあるが

誰にも真似できない、

という強みでもある。

 

 

 

少年時代の犬王自身も

劇中にそういうことを言っていたので

ふつーの人間の容姿を手に入れるのではなく

どんな姿形であっても自分らしく

堂々と舞い続けている展開でも良かったような…真顔

 

 

 

嗚呼、でもでもでもそれでも物申すびっくりマーク

映画全体として本当に完成度の高い作品だった。

 

 

 

 

歴史的背景や平家物語に詳しくなくても

ちゃんとわかりやすい構成になっていて

(それでいて説明たらしくない)

物語にどっぷりと集中して観れた。

 

 

 

犬王という猿楽師は実在したらしいが

有名な記録が残っているわけではないらしい。

忘れ去られた歴史の一端であっても、

しかし、間違いなくその時代に生きて居た。

 

 

 

私の頭の中では『キッズ・リターン』の

「終わっちゃったのかな俺たち」

「まだ始まっちゃいねえよ」が響いていた。

友魚と犬王の友情は、

姿形が消えても、永遠に美しい。

 

 

 

 

 

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今年に入ってから

映画を見にいく機会があったんだけれども

原作を読んでからにしようかな、

とか思っているまま

ブログに書けていない作品がある…無気力ガーン

 

 

 

ケネス・ブラナー監督の『ナイル殺人事件』と

濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』。

どっちもよかったんだけど

感想を書けていないんだよう…魂が抜ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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