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銀色夏生の作品を、
人生で初めて読んだのは
一年前の8月だった。
めぐりめぐって、
ふたたび夏の出会い。
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(表紙は冬だけど!)
『私だったらこう考える』
目に触れたとき、
いいタイトルだと思った。
押し付けがましくなく
それでいてシャンとして。
最近いろいろと質問をもらったので、それについて思うことをこれから書きます。思いつくままに、思った言葉で。
こんなまえがきで、
ふわっと匂い立つようにはじまる。
質問といっても、些細な問いから
人生相談のようなものまで。
あれやこれや紹介したいけれど
端折らず、要約せず、
余計なものを付け足しもせず、
作者の表現をそのままに
受け取りながら読んだ方が
きっと、断然、面白いと思う。
だから気になった人は
直接読んでみてね。
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って書いてみたけど
自分のために、
今の気分を
読書の跡形として。
今後も、いろいろな新しい仕組みがどんどん開発されていくだろうと思う。それによって思いもかけなかった交流も可能になり、喜んだり、がっかりしたりすることもあるだろう。どちらにしても選択するのは自分だ。何を信じ、何を疑い、何を選び、何を選ばないか、自分で決めることが大切になると思う。それが気分を左右する。
ふいに、
ほんとうに、ふと、
たったいま思い出したけれど、
アン・モロウ・リンドバーグが
エッセイの中で同じようなことを
言っていた気がする。
私たちのまわりには
あまりにも沢山の情報で溢れ
重要なこともそうでないことも
すごい速さで一緒くたに流れてゆく。
選び取ることも大事だけど、
同じくらい、
選ばないことも大事だ。
自分を見失わないために、
自分で、決める。
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もしも私が、この人はすごい!と思う人に出会ったら、その人がだれであれ、私はその人を離さないと思うんです。(中略)そしてそういう人だったら私が今までに難しいと感ていた男女の関係性をやすやすと乗り越えるというか、問題にならないと思います。(中略)
もしいたらですが。いなかったら、それでいいです。とにかく、今、世間に一般的にあるような関係性は私は全然向かないと思うので、そういう既存の男女の形に自分を無理してあてはめて、人と比べて自己嫌悪に陥るようなことはしたくないです。まったく魅力を感じないんです。よくある男女、恋人、夫婦関係に。あまりにも感じなさすぎて、違う生き物かなと思うくらい。
ということを50年生きてきて、思いました。
こういうことを
さらりと書けることが
心底すごいと思った。
私だったら思っていても、
こんなに率直に書けない。
自分で作った意識の檻に
どうしても囚われて。
ちゃんと自分らしく、
考えながら生きよう。
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一冊目は、
『ミタカくんと私』からだった。