なんだかよく
わからないけど凄いぞ、
みうらじゅん。
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面白い。この方の発想は面白い。
どことなく胡散臭そうな風貌なのに
底知れない魅力。
話す内容は俗っぽいのに、
でてくる発想が凡人の次元を超えている。
わざと奇をてらっているわけでなく
スーパーナチュラル。
開放的で、独創的。
どこか悠々としている。
いろんなところで名前をお聞きするが
未だになんの人なのかよくわからない。
経歴からいうと、元々は漫画家。
イラストレーターでもあり、
文筆家でもあり多才な人。
私はあるときほぼ日での特集を見て以来
みうらじゅんといえば
“エロスクラップ”の人だと
勝手に認識していた。
だってエロスクラップって…
キョーレツすぎる。笑
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この本は「自分」とか「人生」とか、
そういった誰しもが悩みがちな事柄を
みうらじゅんならではの発想で
ラクーに解釈したエッセイ本。
ようは物の考え方、ってよくいうけど、
それのみうらじゅん流が
ゆる〜くポジティブに語られている。
“ この世に答えなど求めようとすること自体が間違いであって、必要なことはどんな疑問や不安に対しても己だけは愉快に考えることができるという余裕を持つことです。”
「うちの家は狭すぎて困る」と
「うちの家は広すぎて困る」では
後者の方が考え方として愉快。
近所をぜんぶ、自分ちの敷地だと
考えるやり口でいきましょう。
コンビニに行ったり、本屋に行ったり、
飲み屋に行くときも必ず、
「離れに行ってくる」と思いきかせる。
そして道の途中で
「うちの家は広すぎて困るなァ」と
しみじみ思いましょう。
すると所有することの無意味さに気づき、
「そもそもこの地球って
だれのものでもないのにね」と、
エコの境地にまで到達。
なんだかわかったような気になって
楽しくなってくるでしょう、と。
自分ちの悩みが地球規模に!
発想のスケールが違う。
“人生とは?
と、深く考えてもいまひとつうまい答えが出ないのは、そもそも人生とは暇つぶしだからです。
人生には目標とか、目的とか、夢とかありますが、それはうまく暇をつぶすための方法です。
気の合わない人と会ってイライラしたり、なんだか自分だけ損をしている気になったりしているのもすべて暇をつぶしているのにすぎません。”
自分の思い通りにいくなら
うまく暇をつぶせてるけど、
そうならないときが多いのも人生。
人生設計というけれど、
まじめすぎず、ふざけることも必要。
結局、理想やこだわりで
自分を不自由にしているのは
自分自身の考え方なのだ。
「そもそもはない」と、
ゆるく構えることによって
人生の見え方も変わってくる。