今回は、さまざまな女性の悩みについてお話しします。
1 じんましんが生理の前後に悪化する
通常、じんましんには茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)や十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などが使われます。ただ、生理の前後に悪化するというのであれば、やはりホルモンバランスの変化を考えざるを得ません。
こういうケースでは、ホルモンバランスを整える働きをもつ当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)が効果的であることが多いです。当帰芍薬散を試してみてください。
2 妊娠中に風邪をひいてしまった
風邪のひきはじめといえば葛根湯ですが、葛根湯には麻黄が含まれています。
そこで、胎児への影響を最小限にする意味でも、桂枝湯(けいしとう)をお勧めします。
桂枝湯の適用は大量が衰えた時の風邪の初期症状です。
ひどくなる前に是非どうぞ。シナモンティーよりは効果があります。
胃腸が虚弱だというかたは香蘇散(こうそさん)をお勧めします。
3 妊娠時に咳が出る。
妊娠しておなかが大きくなってくると空咳がでて、出始めると止まらず寝ることができなくなるということでお悩みの方も多いと思います。
そういう時には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)をお勧めします。
麦門冬湯は麻黄も大黄も入っていないので安心です。咳が続くときは追加で飲んでも構いません。
4 初めての妊娠でつわりが激しい
好きだったはずのチョコレートのにおいをかいだだけでも吐き気や嘔吐をもたらす、などのつらさを抱えている方も少なくないと思います。チョコに限らず食べ物のにおいだけで気持ち悪くなるなんて本当に大変だと思います。
そういう時には小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)をお勧めします。
吐気の強いときは、お湯に溶かしたのちよく冷やして、少しずつ服用してみてください。
5 生理時に乳腺がはって痛い
このような場合、通常は乳がんが疑われますが、乳がんではなかった場合、何も薬を処方されずに終わってしますことがよくあります。
乳がんでなくても痛いものは痛いのです。
やはり生理時ということがポイントとなります。生理時のホルモンバランスを整える働きがあるのは当帰芍薬散です。
当帰芍薬散を試してみてください。
6 手荒れがひどい。手袋をしたり塗り薬を塗ったりしているが一向によくならない
女性の方で手荒れに悩んでいる方は多いです。
そこで、潤いを誘導する生薬を含む温経湯(うんけいとう)をお勧めします。
ただ、温経湯の保険病名は「月経不順、月経困難、こしけ、更年期障害、不眠、神経症、湿疹、足腰の冷え、しもやけ」となっており、手荒れには保険適用はできませんので注意してください。
(薬局で購入されるなど、そもそも保険を使わない場合は関係ありませんが )
まだまだありますが、今回はこの辺で。