生理が長引く、ときに月の大半が生理期間となるというようなことでお困りの方も多いと思います。

そういうお悩みをお持ちの方にも、よい漢方薬があります。


特に体力があるわけでもないが、かといって虚弱でもないという中間的な体力の方の場合の第一選択薬は芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)です。


芎帰膠艾湯は血液を補い止血作用のある阿膠(あきょう ロバの皮を水で加熱抽出して作られるにかわ(ゼラチン)のこと)、からだをあたため止痛止血作用のある艾葉(がいよう ヨモギの葉のこと)、当帰・芍薬・川芎・地黄という血行不良を改善する生薬、消化器を保護する作用のある甘草(かんぞう)で構成されています。


月経過多等の女性の不正出血のほかにも、痔出血にも使うことができます。

甘みがあり、白湯で飲むのが飲みやすいです。


不正出血の原因には、子宮筋腫、子宮内膜症、機能性出血などが考えられますが、悪性腫瘍による不正出血の可能性もありますので、婦人科の受診をお勧めします。


芎帰膠艾湯は子宮筋腫や子宮内膜症、機能性出血などによる出血のほか、妊娠中の出血、産後の出血、血尿、腸出血などに使うこともできます。


まずは芎帰膠艾湯で止血して、立ちくらみなどが出るようであれば当帰芍薬散に切り替えるのも良いと思います。


また芎帰膠艾湯では効果不十分だというかたで、体力もどちらかといえばあるほうだという方は、黄連解毒湯に変更したほうがよいでしょう。

また体力が十分にある方には桂枝茯苓丸ということも考えられます。


ただし、妊娠中の出血には桂枝茯苓丸を使用してはいけません。

また、芎帰膠艾湯を用いるべき場合に、桂枝茯苓丸を用いるとかえって出血がひどくなることもあるので要注意です。

判断に迷うときには芎帰膠艾湯を用いてください。