黄帝内経では、自然に調和するためには「陰陽」の考えに基づくのがよいとされています。

今回は、その陰陽の考え方について紹介したいと思います。


 人間は自然の気を受けて生活しているのだが、季節の働きに合わせた生活を守ることが大切だ。

自然の働きには陰陽の別がある。春夏や日中は「陽」に属し陽気が多い。

秋冬や夜中は「陰」に属し陰気が多い。


この自然の気の働きを人体も受けるから、身体にも陰陽の働きがある。

自然界に陰と陽の時期が平等にあるように、身体の陰陽の気もバランスを保っている。

その陰陽の気の割合は季節に合わせて多くなったり少なくなったりする。

この一定のバランスが崩れた時が病気である。


  陽気が多くなった時の病症

陽気がうちにこもりすぎ、陰気が少なくなると狂状を発する。この時に暑気が加わると身熱し、うわごとを言ったりひどいときは失神する。

陽気が多いときに湿気が加わると頭がボーっとする。

筋肉や関節が腫れて重だるくなる。


  陰気が多くなった時の病症

陰気が多くなると陽気が少なくなる。口、耳、眼などの働きが悪くなる。

もし発汗しすぎて陽気が不足しているときに風(ふう)にあたると半身不随になる。

あるいは皮膚病になる。


このように陰陽のバランスが崩れると病気になるものだ。

だから自然に調和して生活することが長寿の秘訣である。


黄帝内経 素問 生気通天論(陰陽と病床)より。