修理工程 パイロット P式 O式 戦前 | 萬年筆グラフ 目録

修理工程 P式  O式

戦前 パイロット

 

* 洗浄

 

* 分解

 

 

① 中芯と尻軸を外す。アルミ・ネジは順ネジ 

アルミ・ネジが無いモノは逆ネジ固定。

 

 

専用工具またはピンセット

 

 

② 中芯後端のストッパーを外す。

真鍮製 C字状

幅広のドライバーで

僅かに隙間を拡げる。

**

真鍮ネジは捻って外す。

 

③ 固定金具の部品を確認する。

ペン先側から

アルミねじ 薄いワッシャー ストッパー 

厚いワッシャー バネ

 

 

④ 尾栓ユニットの分解。

 

↑         ↑  

底座の手前  オイルタンクの手前

ゴムパッキンが劣化して

ベトベトに癒着して

外れない。

 

マイナス付きネジ蓋を外す。順ネジ。

 

 

スタビー・ドライバー

貫通タイプ

¥890

刃幅7mm ステン棒25mm

全長84mm

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外れない時は 湯に漬けて奥の

ゴムパッキンを軟らかくする。

または オイル漬けする。

ドライヤーを使う際は

高温で熱し過ぎないように注意。

 

*マイナス付きネジ蓋を

回す時は マイナス部分を

一旦冷やしてから回す。

熱したまま回すと

マイナスが潰れてしまうので

要注意。

 

* 

または ドライバーで回す前に

L字状の金具を自作して

オイルタンクに付着した

劣化したゴムパッキンを除去する。

胴軸内壁・ネジ部分の内側まで

除去しておくと

マイナス付きネジ蓋が外れ易い。

 

 

 

⑤ (胴軸後ろをオイル漬けした後)

割り箸・丸棒など太い棒で

ペン先側から底座を押し出す。

ドライヤーで熱すると

押し出し易い。

 

⑥ 部品を確認する。

劣化したゴムを完全に除去する。

底座 ゴム 蓋 オイルタンク 

マイナス付きネジ蓋

 

*中芯の状態を確認する。

ヒビ割れがあったら別の中芯と交換。

 

⑦ 中芯を分解する。

 

弁を除去した後

弁子(槍・中芯先端)を外す。

初期が逆ネジ ///

 後期が順ネジ \\\

順ネジと逆ネジがあるので注意。

 

弁子の形状は年代順に・・・

ギザギザ無し (先端円錐角度が鋭い)

ギザギザあり

ギザギザあり 段差あり  

 

⑧ プランジャー弁を作る。

シリコン板を刳り貫く。

厚さ1mm 5円玉型 

 

P式の弁は内径が大きい。

シリコン弁が柔らかく撚れて

吸入しない時は硬い黒ゴムを使う。

 

ポンチのサイズが無い時のみ

傘状とする。

 

 

⑨ 尾栓パッキンを作る。

シリコン板を刳り貫く。 厚さ1mm

オイル・タンクの前後に1枚づつ。

中芯径2.5mm

シリコン板 内径 1.5mm

胴軸内壁 8.0mm

シリコン板 外径 8.5mm

 

 

 

⑩ オイル・タンク 厚さ 3mm  

蓋が劣化していたら自作。

 

 

*滑らかな中芯の上下動と

引き出し時 空気の抜けなどを考慮し

吸入量よりも バランスを重視する。

 

 

 

⑪ 組み上げる。

 

中芯に真鍮ネジ(ストッパー)を仮止めし

開放~止めまで・・・バネの圧力調整。

尻軸の捻じ込み~バネが効くまで・・・

距離・タイミングを微調整する。

 

真鍮ネジの位置で

バネの圧力を調整できる。

位置が

ペン先側   尻軸側

 弱い 強い 

 

**

真鍮ネジを外す際 適度に

隙間を開いたら捻って外してゆくと

中芯後端にネジ切りされる。

組み上げ時 このネジに沿って

真鍮ネジを仮止めする。

 

⑫ 水を入れて点検する。

吸入動作 中芯上下動 漏れなど。

 

水を入れても中芯の引き出しは

水を入れない状態と同じように

スムーズに引き出しできるように

調整する。

 

*良好ならば

真鍮ねじを押え付け固定する。

ペンチの内側が円形で 真鍮ネジに

均一に力が加わるモノを使う。

 

 

⑬ インキを入れて点検する。

首軸と胴軸の接合ネジに

ワセリンを塗布する。

 

漏れの有無 適正なインキ出

止めの可否などなど。

 

*止めの状態から

ペン先のインキを全て拭い去った後

止めを解除して すぐにインキが

流れ出るか否かを確認する。

 

*少なくとも2週間は毎日点検を繰り返す。