パイロット 戦中 R型の変遷 | 萬年筆グラフ 目録

 

「失調・・・何でも寒天だ~!

早速お宝を拝見しましょう。」

 

「はい。これです。

パイロットにしては

クリップが変なカッコなんで

激レアのお宝かと・・??」

 

 「それでは鑑定のほど

お願いします!!」

 

 

「これは・・・・

戦中後期のパイロットに

間違いございません!

太平洋戦争が激化してまいりますと

金使用禁止令が発令され

パイロットは金ペンの製造を止めて

不銹鋼・・スチールペンに変更して

対応してゆきます。

これはそのような時代の

産物でしてね・・・・

パイロットの製品で

胴軸に製品番号の刻印・・

#120があるのは

これひとつだけなんですよ。」 

 

「先生 クリップが

計量スプーンみたいですね。」

 

上から 戦前R型・菊座剣菱 

戦中R型・剣菱 #120

戦中R型・剣菱

戦中R型・計量スプーン

戦中R型・計量スプーン #120 朱色

                    

「クリップの形状は

バランス型ボール・クリップから・・・

②   ①

 

昭和13年 

①戦前R型・菊座剣菱へと変更され

戦中前期 昭和15年頃から 

②戦中R型・剣菱・・・

 

③    ②

 

戦中後期 昭和18年頃から

③戦中R型・計量スプーン・・・

と変わってゆきます。」

 

「まず ①段差が多くて

手間のかかる菊座から

②のっぺりした剣菱に変え

次に クリップ先端を・・・

 

③折り畳む手間を省いた

計量スプーンに変えていますね。」

 

「戦時中ですから物資不足で

クリップだけではなくて

様々な箇所を変えておりまして・・・

 

こちらはインキ止め式の尻軸が

ネジだけになっております。

 

こちらの#120朱色は

天冠を別部品で被せております。」 

 

「先生 作業の簡略化ですかね。」

 

「作業工程も戦時中の限られた制約から

そうせざるを得なかったのでしょうね。・・・

 

最後に・・・

こちらのペン芯をご覧ください。

わたくしは この隠れた所に

パイロットの執念を感じるんです。

裏の漆塗は もちろんですが・・・

・・・・・如何ですか?」

 

「おお!!まるで ウォーターマンの・・・

ダブル・スプーンですね!!

それでは みなさん また 来週!!」

 

 

 

学用品リポート 

昭和13年 標準卸相場

 

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PILOT #120

~1940~ 

 

trim/ chrome plated

marerial /celluloid

 lever filler

length 140mm capped

 

steel nib signature (engrave)

BEST 

IN THE WORLD

PILOT

MADE IN JAPAN

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