臨時作家 -99ページ目

かわいくてカッコイイ高校生をどうぞ。

先日、「室の剣」のTOPイラストを見て、中学生になる娘が生意気にもクレームをつけてきました。

「この一番左端のひと、なに?」
「建? 17歳、高校生」
「高校生? ならさあ、もっと、かわいくてカッコよくて高校生らしいほうが、よくなくない?」

かわいくて、カッコよくて、高校生らしい…。娘よ、あなたの注文は担当者より端的で、しかも厳しい。しかし、ここで引いては、親としての、いや、プロのデザイナーとしてのプライドが許さない。いいでしょう、やらせてもらいます(-_-)

「どう、コレ。 ニューバージョン建クン」
「わお! チョーかわいい。イケてるよコレ、こんな弟が欲しい」
(注)建は高校生です。
「それよかさ、この右の二人、無駄にカッコよくない?」

無駄にカッコイイ……。はじめて耳にする表現方法だ。それって、ホメてるの、けなしてるの、どっち? また、変更か……。いや、しかし……! この時、私の頭の中にうかんだのは……。

ノンギャラ……ダウン

そうだ、「カッコイイ」といっているのだから娘はホメてるに違いない。

「周一郎はデザイナー、桂介は芸能プロダクション勤務」
「ああ、だから、このひとワルそうなんだ」
「桂介が?」
「うん。芸能関係のひとってさ、ワルくて、コワくて、キケンだもん」
「そんなことないよ、それじゃ芸能界、まわんないでしょ」
「じゃあさ、私が芸能界に入りたいっていったら?」
「やめなさい」
「ほうらね」
「………」

娘は、私が昔、芸能プロに勤めていたことを知らない。