さて、本日ご紹介する本は、今村昌弘先生の「ネメシス」。
広瀬すずさん、櫻井翔さん主演でドラマ化され放映中なので、ご存知の方も多いと思います。
いや……。
通常のドラマ化とは少し違いますね。
というのも、「ネメシス」は日テレと講談社によるドラマと小説が連動したプロジェクトなのだそうです。
何でも日テレのプロデューサーさんから、かつてない面白いドラマを作る為に、編集者と作家の力を貸して欲しいと打診があったのだとかーー。
そこで、作家が脚本協力というかたちで参加して作り上げたものが、「ネメシス」というわけです。
ですから、小説のドラマ化とは根本が違うわけです。
脚本を直接書いたというのとも違う。
脚本協力という立ち位置が、非常に興味深いですね。
これまで日本ではなかったスタイルの作品創りです!
しかも、このプロジェクトに参加している作家は、今村昌弘先生だけではありません。
藤石波矢先生、周木律先生、降田天先生、青崎有吾先生、松澤くれは先生といった新進気鋭の作家が参加しているのです。
このプロジェクトによって創られた作品は、ドラマとして放映するだけでなく、講談社タイガから続々刊行されます。
テレビ局と出版社がガッチリタックを組んだ、新時代のプロジェクトというわけです。
実に興味深い!!
面白そうだから仲間に入れて〜(笑)
ただ、色々と気になることもある……。
設定やキャラクターなどは、どんな風に構築していったのかしら?
複数の作家が参加することで、キャラクターや世界観は、どうやって統合を図ったのかしら?
編集者も絡んでいるから、そこは上手く調整できたということかな?
テレビで放映することを前提にすると、色々と成約があるはず。
その辺りは、どうやって調整したのかしら?
出演者が先に決まっていたパターンかな?
それとも、作品に合せてキャスティング?
でも、ドラマを観た限り、広瀬すず&櫻井翔は宛書きしてるっぽいしな。
などなど……。
気になることがいっぱいなので、今度講談社さんに探りを入れてみることにします。
何れにせよ、別ジャンルのクリエーターと一緒に作品創りをするのは、大いに刺激になります。
私が舞台の脚本を書いたときも、めちゃくちゃ発想の幅が広がりました。
おっと……プロジェクトの説明だけでかなり長くなってしまいました……(汗)
手短に作品の感想をーー。
ドラマ版は、コミカルなテイストの探偵ドラマではあるのですが、そこに作家が加わったことで、トリック部分は骨太で、満足感の高い作品になっています。
小説版も、映像的な表現が加わったことで、これまでにない新たな作品に仕上がっているという印象です。
本を読み慣れていない人でも、すっと入ってくるような口当たりの良さが、クセになります。
何だかごちゃごちゃした紹介になってしまいましたが、興味のある方は、ドラマ版と合せてお楽しみ下さい。