重力ピエロ | 作家・神永学公式ブログ「担当さん、〆切り待ってください!!」

春ですね〜


ということで、本日ご紹介するのは伊坂幸太郎先生の「重力ピエロ」。



仙台で起きた連続放火事件。

放火現場の近くには、必ず必ず奇妙なグラフィックアートが残されていた。


半分だけ血が繋がった兄弟、泉水と春は事件に興味を持ち、謎解きに乗り出すのだが……。


何といっても、冒頭の一行が凄い!!!!


「春が二階から落ちてきた」


本当にこの一行を読んだときには震えました。


一瞬、おや??

と思うのですが、すぐに意味がすっと落ちてくる。


そして、そこにはキャラクター性、作品世界が凝縮されていることに気付かされる。


本当に完璧な一行です。

伊坂幸太郎先生は天才ですな。


この段階で、作品が面白いことが確定ですよ。


と、最初の一行の話ばかりしてしまいましたが、物語も本当に素晴らしい。


背景にある事件は、重く苦しいものですが、伊坂幸太郎先生は、それを敢えて明るいタッチで描いている。


伊坂幸太郎節とでもいうべき独特の切り口てすね。


だからこそ、浮かびあがってくるのは兄弟の絆であり家族愛なのです。


ラストには賛否両論あるだろうが、私個人的には、清々しさすら感じました。


この作品は、伊坂幸太郎先生にしか描くことができない傑作です。


興味のある方は是非!!