ふりむけばそこにいる 奇譚蒐集家 小泉八雲 | 作家・神永学公式ブログ「担当さん、〆切り待ってください!!」

さて、本日ご紹介するのは久賀理世先生の「ふりむけばそこにいる  奇譚蒐集家 小泉八雲」です。



皆さんは、小泉八雲をご存知ですか??


以前にブログで書きましたが、小泉八雲と私の代表作である「心霊探偵八雲」は、切っても切れない縁で結ばれています。


詳しくはこちら↓


https://ameblo.jp/kaminaga-okokok/entry-12650567120.html 


本作は、19世紀の英国が舞台ーー。

小泉八雲が日本にやってくる前ーーラフカディオ・ハーンだった頃のお話です。


父母を亡くし、一族から疎まれて寄宿舎のある神学校に送られたオーランドは、この世の怪異を集める不思議な少年、ラフカディオ・ハーンとルームメイトになる。


ハーンとの出会いにより、オーランドは奇妙な事件に巻き込まれることになるのだが……。


英国時代の小泉八雲を描くとはーーそれだけで斬新な着眼点です。


怪異も英国ならではのものが登場します。


砂男とか聖母マリアとか、英国ならではの世界観で面白い。


現実の世界と怪異との距離感もいいですね。

タイトルにもある通り、それはすぐそこにいるのです。

現実とあちら側とが絶妙な配合で混じり合っている。


地続きの世界として描くことで、独特の空気感を醸し出しています。


と、設定の話ばかりしてしまいましたが、本作の一番の魅力は、オーランドとハーンの友情ではないでしょうか。


孤独な二人が、怪異を通して静かに育んでいく温かい感情は、読者に癒やしを与えてくれます。


さらに着目すべきは、久賀理世先生の美しくも優しい文体ーー。


言葉では上手く説明できませんが、読んでいると、不思議と気持ちが和らいでいく。


冒頭の3行がそれを象徴しているように思う。


インパクトのあるセリフで始まるのだが、そのあとに続く地の文は、とても柔らかく、そして美しいーー。


何のことだか分からないという人は、試し読んでみて欲しい。

私の言っていることが理解できるはずです。


試し読みはコチラ↓

講談社BOOK倶楽部 


何だかまとまりのない紹介になってしまいましたが、いつか小泉八雲繋がりで、久賀理世先生にお話を聞いてみたいものです。


気になる方は是非!!