女教師「女形さん、てのはねぇ、いい格好の、女の人を、よく見て、形を、盗むんだよ。」
男生徒「それで？どーするんです？」
女教師「真似るより、さらに？女らしく、動作が、出来ないか？探すらしいけど、あんまり、よく知らないの。」
男生徒「先生の？物知りでも、知らないの？」
女教師「うん。知らないの。」
俳優「この間、一度も、逢わないのに、一、二輪の、可愛い花束を、お手紙と、楽屋に、置いていかれたんだけどね。こっちも、今日も明日も、バタバタしてたんでね、そのまま、だったんだけどね。少し？どんな子だろうね。と、あのね、子、て、言えるくらいに、お若いようなのに、やたらと、部屋なのか？ホテルなのかね？誰か？と、あたしの、話を？細かく？いい続けて、先生？て、呼ばれておられてね。」
付き人「はぁ、先生？てことは、教師？何ですか？好かれたんですか？」
俳優「まぁ、職業なんて、お客様には、変わらないでしょう。でもね、お仕事より、食事姿が、綺麗な召し上がりでね。」
付き人「と、言われる？と、どのように？」
俳優「箸置きがないと、椅子は、まず、お座らない。それから、鶴のくちばし、の、ようにね、使い、綺麗に箸を持つんだけど、お口は、小さくひらいて、まず、前歯なんて、見えやしない、でも、箸先の、食べ物を、蕎麦か？うどんの用に、飲み込んだのに、タクワンの、用な、ボリボリて、音がないんだよ。」
付き人「音まで？見えるんですか？能力？」
俳優「ああ、でね、箸を持つんだけど、右利き、らしいけど、左手を、口の下に、添わせないでも、こぼさずに、で、お椀、お皿、テーブルに、添えるんだよ。器用でさぁ。」
付き人「それで？」
俳優「なんかね、今度？ある時代を、生き抜いた女形の、人生を？書きたい。て、弟子に？て言うか、先生だがら、生徒さんに、書きたいね、とかでね。あたしの？事と？思ったらさぁ。二人の女形？て、言うんだよ。もう一人？どなたなの？て、知りたくてさぁ。拝んでいたの。」
付き人「それ？拝むと？なんか？出来るんですか？」
俳優「まぁ、その、そんな気持ちなのよね。」
付き人「はは、可笑しい。」
女教師「こんな風に、綺麗に、お食事してるの、とにかく、見終えて、女形さんはね、真似ないで、綺麗に、作り替えるの。」
男生徒「そのまま？綺麗に？真似れば？いいのに？何ですか？」
女教師「女形の、生まれたわけは、風俗業務である。風紀違反なので、男性が、演じてるんだから、全く？同じように？だと、真似された女性が、人生被害者にも成るし、やめたんだろうよ。」
男生徒「クラスで、ウケそうなのに、もったいない。でも、風紀違反？何ですか？」
女教師「風紀違反？は、知らないのか。着物の、着付けでは、女の人は、腰巻きであり、パンツ履かない。男性は、ふんどし、なんでねぇ、着物。風紀違反には、ならない。」
男生徒「ああ、パンツ履かないんだ。それは、やったら、ダメダメ。」
女教師「でも、今の意見ように、クラスで、ウケそう、と、する女形さんも、いてね。全く、真似ない女形さんと、ソックリに、真似る女形さんと、二人の、女形さんを、覚えたよ。」
男生徒「二人？は、お互いに？どんな？人生？何ですか？」
女教師「まぁ、しょうに、合っていたんだよ。」
男生徒「しょうに？て、ショウー？性？男と男でも、みたいに？本当に？心？が、女なので、とか？」
女教師「いいや、一人は、小児麻痺で、ひ弱。もう一人は、長崎被爆者。障がい者でね。お嫁さん、お子さん、いらないで、いるべき、人間の人並みな環境を、排除する医者意見の、人だったのよ。」
男生徒「医者意見かぁ、遺伝子、親子で、怖いね。」
女教師「うん。でも、対称的に、お二人は、女形です。形見せ。だね。しかし、商(しょう)似合う。とは、いい意味に、今は、聞こえるよ。」
男生徒「そーなんだ。良いこと、なんだね。」
女教師「色んな？意味に？聞き合うね。」
劇作 園章