人間であるとは
すなわち、責任を持つということである。
人間であるとは
自分には関係がないように思われる悲惨さを
目の前にして恥を感じることである。
人間であるとは
仲間が勝ち得た勝利を
誇りに思うことである。
人間であるとは
手にした石を動かぬよう置くことで
自分が世界の構築に携わっていると
感じることである。
「人間の土地」より
自分のことと、関係のないことで、いてもたってもいられないで、
「何か自分に出来ることはないだろうか」と思案する人がいることを、
私はうれしく思います。
命がけで、使命を果たす、人間がいて、彼らの精一杯の成功を、
自分のことのように喜べるのなら、まだ、きっと、がんばれると思います。
大変な思いをしている人がいるのだから……と、
物を大切に、粗末にあつかわないよう心がけたり、
ちっぽけな、石ころみたいな、それでも自分なりの努力を、
自らやってみようと実践したりできるひとが、
こんなにたくさんいるのなら、
人は、物は、日本は、
きっと「回復」出来ると、私は信じたいのです。