シェイクスピアの、好きなセリフのひとつです。
生き方や、人生観を考えたくなったセリフ。
「お気に召すまま」より
あっしはね、ただ働いて生きてるだけの男でさ
自分の食いもんは自分で稼ぎ、
着るもんも同じでさ。
誰からも恨まれねえで
誰の幸せも妬まねえ。
人さまの幸せは喜んで、
自分が不幸な目に遭っても
誰も恨まないんだ。
あっしの幸せは
自分の雌羊が草食って
子羊がその乳吸ってるのを
見ることなんで。
なんだか、すこし、宮沢 賢治の「雨ニモマケズ」を思い出してしまうのだけれど、
このセリフはもっと個人的というか、「雨ニモマケズ」ほどストイックではないというか…。
なんか、あたりまえなことを幸せだと感じてるのかなあと思うのです。
そう、分相応というか。
身の丈に合った「欲」で暮らすのって、けっこう大事だけどなかなか出来ない。
向上心がない、努力して前進すべきって言う人もいると思う。
たしかに仕事や受験は、自分がどこまで一生懸命になれるか、あるいは精一杯の自分を出し切れると思う。
でも常にアクセル全開だと、私は疲れます(笑)。
修行僧じゃないんだから。
これとはちょっと違うかもしれないけど、前にテレビで貧しい南の島で暮らす村人が出ていて。
その人たちは、森でとった木や果実を売って生計にしている。
ほんとはもっとたくさん実をとってお金に出来るのに、いつも残しておく。
「これは、いつか自分の子供らが大人になった時のため、その時とるものがなくなって彼らが困らないように。
彼らが自分の子供を飢えさせないように。我々の親たちがそうしてきたように。
森から奪うのではなく、少し分けてもらっているのだから、あたりまえ」
これを聞いた時、ちょっと衝撃でした。
なんていうか、私から見れば、貧しくて、病院にも行けない生活って、どうなんだろって。
でも、べつに彼らは不幸じゃあないんですよね。ひょうひょうとしている。
っていうか、恵まれた私なんかより、よっぽどマトモな考え方を持っている。
ちょっと、煩悩だらけな自分を恥じます。
身の丈 身の丈…。