わるみぽ、初めてのかけっこ競技です。
一年生は30mを六人で走って競います。

「かけっこってなぁに?」
わるみぽは意味が分からなかったので
お父さんに聞きました。

「ピストルがパーンって鳴ったら走るんだよ。」
「わかった!」

白い線に険しい顔のおともだちが六人ずつ並んで
ピストルが鳴ると走っていきます。

「ほんとだ~、でも何かつまらないな~。」

わるみぽの番になりました。
「よ~し、ピストルがなったらはしるぞ!」

「位置について、よーい」

パーン!!!

六人が一斉に走り出しました!

みんなちいさいのに先を急ぐように走っています。

「これがおかしいんだ!」

わるみぽはいつもより目をぱっちり開けて
笑顔を大切に、楽しく踊るようにスキップしたりして
見守る父母達の前を横切りました。
桃梨 上村美保子オフィシャルブログ-P1001610.jpg
楽しく走る最高のパフォーマンスが出来た!と大満足です。

「わるみぽちゃんは5番の旗に並んで~。」
先生が言いました。

「5番か~6より点数少ないなぁ、、、。」

でも明らかにおかしいのです。
1番の旗から6番まで、見渡してみると…
みんなどんどん元気がなくなっていくようにみえるのです。

「これはおかしい、点数が大きいのに元気がないなんて!」

わるみぽはそっせんしておもしろい事をいったり
笑ったり、5番と6番のみんなを元気づけようとしました。


その夜………。

静子おばあさんが
「かけっこ、どおやった?」
「たのしかったよ~♪」


「わるみぽーーー!!(怒)」
お父さんが呼びました。

「はーい♪」

「お前何だ!今日のは!へらへらして(怒)
 5等なんて恥ずかしくないのかぁー!!」

「5等??」
「そうだ!ドベから二番目だ。」

「ドベから二番目!?……あれれっ1等が一番いいの??
 だけど~ブービー賞なんじゃない!!」
クイズ番組で覚えたばかりの言葉、「ブービー賞」でしたが、、。

「アホかぁーーー!!」

「えっぇぇ、、お母さん~!!
 どおしてお父さんこんなにこわいのぉ??」

「お父さんはスポーツ万能で絵も上手だから、
 あなたが今日ビリから二番目だったことショックなのよ~。」

「お前、足速くなりたくないのか!」

「えっ?!あぁー。」

「なりたくないのかぁぁーーー!!」

「あっ、はっ、はい、なりたいです…。」

こんなおそろしいお父さんははじめてです。
早くもとどおりにしたくて
わるみぽは「はい」と言ってしまいました。

「でも…どぉやって??」

「お父さんには秘策がある!よし!来ぉい!」

「???」

~第二十四話につづく~