わるみぽはみんなが寝静まった真夜中にムクムクっと起きて
お家の中にかくされているお菓子を毎日探していました。

見付けると口一杯にほおばって布団にもぐり
しあわせな気持ちで食べながら眠りにつきます。

布団はチョコレートやキャラメル、ビスケットにまみれ
わるみぽは虫歯だらけになりました。

お医者さんに怒られたのはお母さん。

わるみぽを街の歯医者さんへ連れて行く事にしました。

わるみぽのお母さんは車の運転が出来ないので
バスや電車に乗って街まで出掛けます。
わるみぽにとってはちょっとした遠足です。

「はいしゃさんはコワイ??イタイ??泣く??行きたくないよぉ」

わるみぽは不安で仕方ありませんでした。

「歯医者さんに行って、最後まで泣かなかったら、ぴんぴん君のお店にも行けるよ」

お母さんは思わず、こう言ってしまいました。

ぴんぴん君とは今、大人気のキャラクターです。

「ほんと!わるみぽ、ぴんぴん君だいすき~!はいしゃさんに行く!ぜったい泣かないも~ん」
桃梨 上村美保子オフィシャルブログ-P1000821.jpg
わるみぽは街にも、歯医者さんにも初めて行きました。

「わるみぽちゃんだね?」
「こっ、この先生…カッコイイ…」

わるみぽの不安は変てこなドキドキに変わり………。

「このままはいしゃさんが終わらなければいいのに…でもぴんぴん君のお店にも行かなくちゃだし…」

「ハイ、口開けて~もう終わりだからね。いい子にしてたね!」

「………おわり!!」


わるみぽはとっさにカッコイイ先生の手をパクリ。

「おお~、口はずっと開けててねっ」

わるみぽがにひひっと笑うと、カッコイイ先生はステキな笑みを返してくれました。



晴れてわるみぽはお母さんと「ぴんぴんショップ」にも行きました。

こんなにたくさんのぴんぴん君を見るのは初めてです。

「すごいねぇ~!これからもはいしゃさんで泣かなかったら、ここにきてもいい??」

お母さんはかなりシマッタと思いながらも
「そうだね~、泣かなかったらねっ」

「ほんと!やった~。やくそくだよ♪」

たちまち街の歯医者さんに行くのが、楽しみになってしまったわるみぽでした。


そしてカッコイイ先生との約束もずっと守っています。

「もう夜、お菓子を食べながら寝ちゃダメだよ」

「ハイ!もうしません!」