夜更けにかかってきた
 
1本の電話。
 
 
 
 
過去のあの時を思い出した。
 
 
夫は、なぜか焦らず
 
いい、
大丈夫、と繰り返す。
 
 
 
確かに今の状況なら
気の回しすぎ、
大丈夫なのかもしれない。
 
 
でも、
 
これって
万が一の万が一があれば…
 

遺された方の
後悔に繋がり
ずっと引きずるかもしれない。
 

 
何もなければそれでいい。

すぐに帰ってこればいいんだから。

 
 
躊躇する夫を納得させ
 
深夜に
これから長距離運転をする夫を
心配しながらも
 
出発する車を見えなくなるまで見送った。
 
 
 
結果的に、
間に合ったのは夫のみ。
 
 
夫は、

ありがとう。
行ってよかった…
間に合ってよかった…
 
と言った。
 
 
 
そして、
行かせてよかった…

と心から思ったものの


訳あって、
行けなかった自分を
後悔した。

 
 

そして今回。
 
 
コロナ禍もあってか
救急搬送先が見つからず、
近県含めても受け入れできず。
 
何時間もの待機。
 
 
さすがに、
覚悟してください…
と言われたと連絡。
 
 
またもや、あのときと同じ言葉を言った。
 
 
「本人に意識がないとしても

自分自身が後悔しない為になんだよ!」
 
 
そして、
今度はあの時の距離とは全く違う。
 

おまけに、
このところ仕事が立て込んでいた夫は
かなりお疲れ状態だ。
睡眠も十分には取れていないはず。
 

 
さすがに一人で送り出すわけにはいかず
 
私も運転するから!
 
とにかくすぐに行こう!
 
と慌てて準備した。
 
 
 

数年前の私なら
行かなかっただろう。 
 

あのときは、
ただでさえ傷だらけの中
必死に立とうとし、
ことをおこした原因の夫の
後始末を私がしていたさ中、
 

これ以上無神経な言動で傷つけられ
受験など大切なことが控えている
子どもたちの心まで
ひっかきまわされるのが嫌だった。
 

ただ、そっとしておいてほしかった。

 

これまでもそうだったけど、
話をした時やその後の言葉の端々に

 一生わかってもらえることはない、
 
と、一線を引くことにした。
 
 
 

気が付けば、
夫のあれこれにケリをつけたと思ったら
コロナ禍に入り、

その間に、倒れ、入院、転院
認知症の発症、施設入居などと
いろんなことが起こり、
あれから5年程経っていた。
 
 
 
その間に、
 
私の気持ちにも変化が訪れ
 
 
お互いに肩の荷を下ろせたら…
 
と思うようになった。
 
 
 
それは、決して 
以前と同じように戻る…
というわけではなく
(勝手ながら、長男の嫁という立場は
放棄させてもらった)
 
先行き短い人生なら
抱えるものは少なく
心残りなくスッキリとして
旅立つ方がいい…
 
と思ったから。
 
 

それは、私自身も。
 
 

きっと、相変わらず
考え方はどこまでいっても
相容れない人だと思う。


儲け主義と思えるような
わけのわからない宗教や
スピリチュアルの話を
聞かされ、従わされ、
生活の全てをそれに支配されたくない。
 
 
私はそれに合わすつもりもない。
 
 

ただ、おそらく

一番心配しているであろう夫の人生と

子どもたちを含めた私との関係には
 
もう大丈夫だよ、心配しないでね、
(「今は」大丈夫だよ?!かな(^-^;)
 
と伝えてあげたいと思った。
 
 

それを喜ぶかどうかはわからない。
 (義弟の離婚の時は喜んでいた人だし)
 

もう、自分の子であるという記憶さえも
薄れることも度々だから。
 
 
それでも、顔を直接合わせたら
 
互いに肩の荷を下ろせるんじゃないかと
思った。
 
 
 
そして、私自身も楽になれるかも…と。
 
 
 

何度か、状況説明の連絡が入る度
緊迫感が訪れる。
 
 
いつもと違って
黙ったままの運転。
 
 
我が家には珍しく
東に向かう深夜の高速は
トラックや
私もよく利用する高速バスが多く、
 
途中、全く前が見えない
バケツの水をひっくり返したような
土砂降りの雨が降ったりして
気が張り詰める。
 

何度もSAなどで休憩をとって
仮眠もした。
 

夜が明ける前、ようやく近県の

救急に運び込まれたと連絡。
 
ほっとする。
 

 
夫が運転中は心配なので
寝ちゃダメ!と
必死に起きていたけれど、

とうとうウトウトし始めた頃
 
「カミーレ、ほら綺麗な
朝焼けだよ!」
 
と運転席の夫から声を掛けられた。
 
 
 
 
夜が明けた早朝に見えたあの山は
もしや?!
 
移動中は新幹線か飛行機でしか
目にしたことがなかった。
(高速バスでは寝ちゃってるしあせる
 

富士山富士山って、見る場所が違うと
全然違うように見えるのよねびっくり
 
 

あんなに土砂降りの雨が降ったのに
こんなに奇麗にくっきり見えた!キラキラニコニコ
 
 

やっぱり、雪が積もってるのが
富士山ぽくていいなぁ~なんて。

でも、
雲に隠れていないのはラッキーかも。
 
 
 

搬送先で、落ち着き安定したと連絡が。

朝一で、
また別の病院に移ることを聞き、
それまでは面会できないこともあり、
 
ここからは仮眠をとりながら
ゆっくりと都内に入った。
 
 



 

※以前も理由も含め書いたことがありますが、

 

シテイル方、シテイルことを思わせること、

不倫などに肯定的であることを思わせるような

ことを書かれている方、

 

占い、スピリチュアル系

 

そして、カウンセラーさん等の、

 

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