職人になってしまったら職人として終わってるよって話 | 船橋駅近く「Barber髪切り職人」

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店舗お知らせ用ブログです。

 どもども~!

 

 店主です。

 

 

 

 

 最近お客さんに注意勧告する内容の記事ばかりになってしまったので、今日は店主が前々から心がけている事を書いてみようと思います。

 

「俺、職人だからね」

 

 ってたまに言う人がいます。

 これは理容の世界の人だけでは無く、技術系の仕事に就いている人全般に言えると思う。

 

 で、この俺(もしくは私)は職人だから……って、本当の職人は言わない気がするんです。

 あくまでもその人の評価って、他人がするものだと思うし、それにそれは生き様であって人にその設定を押し付けるものでは無いと思うんです。

 

 もっと分かりやすく言うと、男性が

「俺って男だからね」

 とは言わないし、

 女性が、

「私って、女だからね」

 とは言わないわけなんです。

 もっと言ってしまうと、

「自分人間なんですよ」

 とも言わない。

 

 だって、見ればそれと分かるし、その設定を一々言う事も無いと思うんです。

 それは生まれつきそうだから、自分の認識も他人の評価も同じだから、その設定を他人に説明する必要性が無いからなんです。

 

 

 で、俺って職人だからの話に戻ると、

 これって、俺って人間はこうだからって言う設定の押し付けなんですよね。

 つまり、職人って我儘で頑固だけれども、腕があるからそのマイナス点も全部受け入れられるよね?って言う、所謂世間一般の人が職人に持っているであろう設定の押し付けなんですよ。

 

 で、この職人気質ってのを、懐刀として持ってる分には良いんですよ。

 いざって時には抜いても良い。

 でも常にちらつかせるってのは、三流だし、職人に憧れてる一般人だと言わざるを得ません。

 

 店主もなんだかんだ言って、十数店舗のお店で働かせていただきました。

 なので色々な職人さんと一緒に働いたんですけど、手間の職人さん(理容の派遣みたいな人)で、指名とか入る人気のある人なんかは、仕事も勿論上手でしたが、スタッフとも顧客とも、トラブルを起こす事無く、人間関係を円滑に築ける人ばかりでした。

 

 でも、所謂職人らしい人は、店に働きはじめた初日に、

「給料は日払いでお願いします」

 とか言ってみたり(これは嫌な事があったら、直ぐにやめる為の常とう手段)

 ちょっとマスターに注意されたくらいで腹を立て、

「じゃあ辞めます」

 と言ってみたり。

 こう言う、どこの店で働いても、長く続かない人って、結局居場所を失ってしまうんですよね。

 自分で自分の退路を断ってしまっていると言うか……。

 

 理容の世界って、一般の方が思っている以上に凄く狭いので、オーナー同士が友達だったり同じグループだったりして、全然別の店のように見えて、結構裏で繋がっていたりするので、問題がある人の情報は噂話ですぐに広まって、結局それなりの給料を貰える店では働けなくなったりしてしまうんですよね。

 まあただ、そうは言ってもこの業界は常に人手不足なんで、そんな根無し草みたいな人でも、どっかの店では働けるのが現状なんですけどね(苦笑)

 

 まあただ、自分がとても大切に思っている事を否定されたり、大切に思っている人だったりを侮辱されたり、これは絶対に許せないと言う、言わば倫理観を曲げてまでそこで働く必要はありませんので、その時にはズバッと懐刀を抜いて良いんです。

 その日限りで自分の道具全部持って、

「じゃあな」

 って言って、辞めたって良いんです。

 だって職人ですからね。

 自分だけの技術を持っているので、体が健康であればどこでだって働けるし、なんなら他県とか海外(ライセンスとかの問題はあるかも知れませんが)だって、行けるっちゃ行けます。

 これが職人の気楽さって言うか、強さなんだと店主は思います。

 

 でも繰り返しになりますが、これはあくまでも懐刀であって、最後の最後に抜く物であって、それを常にちらつかせるのは、やっぱり野暮だし三流な気がします。

 

 

 

 で、冒頭の序論に戻りますが、その設定を他人に押し付ける人います。

 

「俺って、職人だからさ……」

 と(笑)

 

 

いやいやいやいや!

それってあなたの設定ですよね?

 

 と、ひろゆき風に言ってやりたい。

 

 それを言う人って、言い換えると、俺って我儘で頑固だけど許せよって言ってるんですよね。

 つまり甘えなんです。

 

 ほんとこの手の口だけの人とか、人間関係構築出来ない社会不適合者をまとめて、一言で言うと

職人

 になっちゃうんですよね。

 なんか自分が駄目な人間だし、それを直そうともしない甘えを、俺って職人だからと言ってごまかしながら生きている気がします。

 

 

 

 結論。

 確かに我々は理容の職人ではあるのですが、この人は立派な職人さんだなと評価してくれるのはあくまでも他人であって、自分でその設定を他人に押し付けるものではありません。

 そして職人として、職人気質を心に持つのは大切ですが、世間一般の人が思い描くような職人的な態度を取る事は、自分が社会不適合者と主張しているような物なので止めましょう。

 

 今回の記事のタイトル。

 職人になってしまったら、職人として終わると言うのはそう言う意味なのです。

 

 これから理容師を目指そうとしている方、又は理容師としてすでにご活躍されている方の心にちょっとでも響いてくれたら、書いたかいがあったなあと思います。

 

 

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