「美しい字で、字を書く楽しさを」
上蒲田書道教室です。
先月の中学生さんのかなの課題です。
自然の名前が書かれていてきれい~!
と思っていましたが、何の作品なのでしょう?
元ネタはあるのかな??
よし、分からないことは調べよう!
ということで。
これは、「あめつちの歌」です。
有名な「いろは歌」と同様に、文字被りなしで文章が成り立っています。
重複していないから、手習いには最適ですね。
↓過去記事のかな書道の本について。
(以下引用)
あめつちの歌(あめつちのうた)とは、誦文あめつちの詞を詠み込んだ和歌のこと。平安時代の歌人源順の作が知られているが、同様の和歌は女流歌人の相模も残している。
あめつちの詞とは以下のようなもので、平安時代初期に作られたとされている。
- あめ つち ほし そら
- やま かは みね たに
- くも きり むろ こけ
- ひと いぬ うへ すゑ
- ゆわ さる おふせよ えのえを なれゐて
- (引用おわり)
あめつちの歌 - Wikipedia Wikipedia 2024/04/20 15:30時点での引用。
下のwikipedia分も同様。
ちなみに。
goo国語辞典によると、漢字まで記入されていました。
(以下引用)
あめ(天)つち(地)ほし(星)そら(空)
やま(山)かは(川)みね(峰)たに(谷)
くも(雲)きり(霧)むろ(室)こけ(苔)
ひと(人)いぬ(犬)うへ(上)すゑ(末)
ゆわ(硫黄)さる(猿)おふせよ(生ふせよ)
えのえを(榎の枝を)なれゐて(慣れ居て)
(引用おわり)
天地の詞(あめつちのことば)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書
ちなみに、昔の人ってすごい言葉遊びしてはるなぁ、と思うところがあって。
Wikipediaによると、
(以下引用)
- あらさじと うちかへすらし をやまだの なはしろみづに ぬれてつくるあ
- めもはるに ゆきまもあをく なりにけり いまこそのべに わかなつみてめ
- つくばやま さけるさくらの にほひをぞ いりてをらねど よそながらみつ
- ちぐさにも ほころぶはなの しげきかな いづらあをやぎ ぬひしいとすぢ
- あさみどり はるめづらしく ひとしほに はなのいろます くれなゐのあめ
- つきもせぬ ねのびのちよを きみがため まづひきつれん はるのやまみち
- ほかよりは のどけきやどの にはざくら かぜのここちも そらによくらし
- そのかたと ゆくへしらるる はるならば せきすゑてまし かすがののはら
(引用おわり)
のように。歌の頭と終わりに「あめつち・・・」を入れていくっていうね!
言葉遊びのレベルが違うんよ。
昔、高校の古文の時に、「お米とお金くれー」っていうのを同じように盛り込んだ歌がありました。あれもなかなかにすごい。
(上から よねたまえ(お米くれ) ⇒よねはなし(お米はなし))
(下から ぜにもほし(お金もくれ)⇒ぜにすこし(お金少しだけな))
返歌を書いた人が特にすごいと思う。
よもすずし
ねざめのかりほ
たまくらも
まそでもあきに
へだてなきかぜ
よるもうし
ねたくわがせこ
はてはこず
なほざりにだに
しばしとひませ
直接言わない日本人の文化っ!
DNAにしみついてるんでしょうね。
その頭を使って何か一儲けできなかったのだろうか。
以上、あめつちの歌についてでした。
教室に関するお問い合わせは