ただ一人の相談相手 | 中絶の記録

中絶の記録

30歳バツイチ子ナシ独身女。不倫中の彼との間にできた子どもの中絶の記録。

食欲はなかったが、何かお腹に入れておかないとと思いコンビニへ寄った。
元気のない時に食べるのは決まってカレーだ。


仕事の昼休憩中であろうサラリーマンに混じって、
コンビニの駐車場でカレーを食べた。

途中、カレーがこぼれて着ていた白いTシャツが汚れてしまった。
今の私には何かの暗示のように思えた。

少しだけ落ち着くと、どうしても誰かに今の状況を聞いてほしくなり、
私は姉にLINEを入れた。


「深刻な相談があります。電話で話したいので都合のいい時間を教えてください。」

姉と私は10も歳が離れていて、今は二児の母だ。

日中はなかなか忙しいかなと思っていたが、意外にも返信は早くきた。

姉『今大丈夫だけど…』

 

私は近くのスーパーの駐車場に車を停め、電話をかけた。

 

姉「どうしたの?」

 

私「うん…。」

 

なかなか切り出せなかったが、しばらくしてようやく勇気を振り絞り

望まないを妊娠してしまったことを打ち明けた。

 

姉には彼のことは一切話したことがなかったので

まず誰の子かということ、ちゃんと交際をしているのかということと、

自分はどうしたいのかを確認された。

 

姉にも親と同じように、バツイチで子ども3人(奥さん引き取り)ということにし、

交際をしているが親には反対されている旨、自分は堕ろすつもりの旨を伝えた。

 

それに対して彼はどう言っているのか聞かれたので

「私がどちらの選択をしても賛成する」と言ってくれていると伝えたが、

それに対して無責任な印象を受けたようだったようなので

「話してる感じからすると産んでほしいと思っているようだが、

 そのように言っているのは彼なりの優しさなんだと思う。」

と付け加えた(もちろんこれは本音)。

 

姉は堕ろすことには反対の意見だった。

「命を軽く考えすぎだと思うよ。」

「今回堕ろすとして、次に子どもができた時にどんな気持ちがすると思う?」

「なんで産んであげられなかったんだろうって後悔しない?」

 

私は正直、堕ろすことは自分の中で決定しており、

姉に意見を求めたつもりではなかったので中絶を反対されたことに動揺した。

 

話しているうちに次の診察の時間が迫ってしまったので、

話がどうとも収まらないまま、「参考にする」と言って電話は終えた。

 

姉はああ言っているがどうする…?

いや、私には中絶しかない…。でも…?

 

混乱した頭で病院に向かった。