熊駆除の報酬が高い安いとニュースになっています。さて…熊駆除の適正価格とは幾らくらいでしょうか。


私なりに考えてみました。


北海道で一番報酬が高いのが札幌市。


ハンター出動で1日 50600円(HTBニュース)25600円とも報道してるニュースがありますが、多分、そっちが正解。


50600円は違う値段も含まれていますね。

捕獲した場合にかかる経費分かな。


揉めに揉めた島牧村が8時間 26900円

緊急時は40300円、捕獲は別途10万円


今回、話題となっている奈井江町が8500円

一番安い地域が5000円。


ここで注意したいのが、この金額は、そもそも比較が出来ないという事です。


札幌市の50600円(25600円)は猟友会の報酬。

ハンターのギャラでは無いです。


多分、奈井江町は個人への報酬かと思います。

島牧村も、ほぼ個人じゃないかな。


なぜそう思うかと言うと、札幌市の猟友会会員は600人程度、奈井江町は数名です。


それゆえ、奈井江町猟友会組織の活動資金というよりは、個人報酬かと判断しました。もし違っても金額に大差ないと思います。


ここで奈井江町の猟友会が気の毒なのは、数名の会員だと、駆除をするかしないかを選択出来ない事です。


実は、ハンターの半数以上が熊を避けます。

熊がいる猟場を避けたり、怖いから熊駆除なんかしたくない!という方が大多数です。


札幌みたいにハンター数が多いと、地域の部会長、副部会長+数名が大抵熊駆除専門に活躍したい人の集まりです。


また、札幌は「いつでも緊急出動が出来る人」に限りヒグマ防除隊の入隊選考に入れます。


奈井江町のハンターは、人数がいないので、嫌でも仕事を抜けなければならない&怖くても行かねばならないという選択の自由もなかったわけです。


ギャラを高くするから受けるという単純な話では無いと思います。


ギャラ+「町の為にありがとうね」が伝わってないのだと思います。


ハンター(自分達)に対する軽視を感じたので協力したくないのでは無いでしょうか。


それが、報酬に反映されているのでトラブルが起きているんだろうな…。


ちなみに、札幌市のヒグマ防除隊にいた私。


「個人的に幾ら貰ってた?」と聞かれたら、奈井江町と「まぁあんま変わらない」笑


護衛任務は、やや高いですが、それは別の話。

護衛は、まさに命懸けでやります。

熊の巣に入るから雇われる用心棒なので。



今回、比較対象の札幌市は200万都市。

人口が多い為、資金も豊富です。


奈井江町は6000人程度。

予算も多くは取れないでしょう。


熊の目撃、駆除数も札幌は数倍多い。

なので度重なる出動もあります。


奈井江町は駆除数は年間1頭の駆除程度です。


でも、出動しなくなるまで、駆除するまで。


その間、数名での負担は25名程度の防除隊員を抱える札幌市より断然大きいと思います。


状況により、出没中に毎日、駆り出されると仕事なんて出来ないでしょうしね。


土地、人口、出没数により、全く異なるので比較するのもおかしいし適正金額など無いと思います。


頼られて「本当にありがとう」という感謝が伝われば、ここまでのトラブルになっていないだろうな。


今後、奈井江町は次世代のハンターも育たないでしょう。ハンターがいなくなると、農産物被害などの有害駆除をする人もいなくなる。


だって狩猟を始めると、漏れなく熊駆除が付いてきて、しかも報酬が安い(軽視されている)


熊駆除に参加しなければ、自分が儲けたいから町民が困っていても助けない人達と言われてしまうんですもん。


個人出動しても「裏切り者」になるでしょうし

私なら、そんな環境で狩猟はやりたくないなー。


じゃあ、どうすれば解決するのかな。

長くなったので続きまーす。