『滞空型ツバメ飛行機』
長方形の紙で作る
折り紙飛行機を考えていて
改めて思った事が有りました。
折り紙飛行機の
完璧な完成機とは何か?
この答えは
人それぞれだと思うのですが
自分は
この問いの答えは
実は持ち合わせていませんでした。
自分は完璧な完成機なんて
求めた事が有りませんから。
考えた事も無かった。
最近、長方形の紙で
折りの手順を考えていて
ある思い違いに気付きましたが
それは
長方形の紙に対して
やっかみを感じていた事。
長方形の紙で作ると
折り紙飛行機は
正方形の折り紙で作る
紙飛行機に比べて
一折り少なくて済むから
ずるいなって思っていました。
とんだ勘違いです。
現在自分が
リアルに感じているのは
もしかしたら
長方形横位置で
紙飛行機を作った方が
バランスが取り易いのではないのか?
こんな事を感じています。
『エア』
長方形縦位置では無いんです。
この疑問を感じた時
改めて紙飛行機のバランスに付いて
見直して見ると
タイトルの
究極の折り紙飛行機の
行き着く先が見えて来た。
究極の折り紙飛行機とは
おそらく
完全カスタマイズの
折り紙飛行機。
どうしても
ここに行き着きます。
自分は正方形の紙を使って
飛び筋を探して
紙飛行機の完成を導きます。
では
完成した紙飛行機は
理想的な紙飛行機と言えるのかというと
理想に近付ける事は出来ても
究極では無い。
たとえば戸田拓夫氏の
『スカイキング』や『ゼロファイター』にしても
実は究極では無い筈。
いや、
もしかしたら究極なのかも知れませんが
それは実は
偶然の一致に過ぎない。
少し哲学的になってしまいました。
自分が最も理想的な折りの
紙飛行機と考えるのは
実は『ツバメ飛行機』です。
『ツバメ飛行機』
この紙飛行機が
最もシンプルで自分の理想に近い
折り紙飛行機です。
このツバメ飛行機の
創作開発の変遷を慮った時
考えた人は
最終的には違う完成形を
追い求めていただろうと
自分はそう思っています。
普通に
二つ折りにして翼を折り出す
紙飛行機。
でなければ
こんな折り重ねに届く筈が無い。
それ程までに
シンプルで美しい設計。
自分では決して届かなかったであろう
そんな紙飛行機なんです。
『ワンエイス』
ツバメ飛行機と同じ構造を持つ
自分が作った紙飛行機ですが
錘の大きさとバランスが異なります。
『ワンエイス』裏面
翼が有り、胴体が有り
胴体の機首部分に錘が付いている。
ソフトプレーンの
最もシンプルなカタチ。
でもツバメ飛行機を
普通のカタチに折って飛ばすと
錘や翼や胴体の
バランスが悪い。
『滞空型ツバメ飛行機』裏面
『滞空型ツバメ飛行機』裏面
錘部分以外の折り重ねは、全て二枚重ね。
結果ハサミを入れて
ツバメのカタチで
完成としたのではないのか。
そんな風にも思えてしまう。
つまり普通の長方形の紙では
諸々バランスが取れていない。
では
この折りでバランスを優先させたら
どういう紙が最も理想に近いのか。
つまり
折り重ねの錘が
紙の比率・形を選ぶという考え方。
逆の発想。
究極のカスタマイズとは
先ず
自分の理想の完成形が有り
その完成形の為の
折り方が有り
完成した時の錘のバランスを
考慮しなければならないので
そのバランスの為の
紙の比率と形状が
実は最後に確定する。
その錘の求める
紙の比率は
従来の定型で有る筈が有りません。
日本に於いての定番として
考えられるのは
1 : √2 長方形横位置
1 : 1 正方形
√2 : 1 長方形縦位置
(比率順)
この三つが基本に有ります。
手に入れやすい紙だから
考えやすいし
創作も容易い。
設計する側は
その紙を使って
理想的な飛行の折り紙飛行機を
目指す訳ですが
真剣に目指すと
定規や分度器が必要になって来る。
わかりやすい折り方で
手順を設定すると
理想の完成形に届かないから。
一部の紙飛行機作家が
定規を使って
折り重ねを指定するのは
それが原因です。
『ツバメ飛行機』の錘は
完璧にシンプルで美しい。
理想的な錘の有り方。
『ツバメ飛行機』錘部分
この錘に対応する紙は
一般的な長方形では無い。
それだとバランスが美しくない。
この錘に対応させる紙として
考えられるのは
今のところ二種類です。
一つは
白銀比以上の縦横比を持つ紙。
機体の全長を長くする訳です。
『ツバメ飛行機ロングテール』
1:2 の比率の紙で作ったツバメ飛行機
『ツバメ飛行機ロングテール』裏面
縦長の機体にする事によって、
錘と翼面積のバランスを取る考え方。
そしてもう一つは
特殊形状の紙。
これです。
私案『ツバメ飛行機』用特殊形状紙
赤色の部分が、紙の形です。
赤色が、錘となる部分。
青色が、完成機の開きの形状。
胴体を閉じると、
トンガリ屋根型紙飛行機になります。
その完成機が・・・
私案『ツバメ飛行機完全版』原形機
同・翼平面形
同・裏面
同・錘部分
これが
『ツバメ飛行機』を
独自に解釈した
完全版の完成機です。
究極の『ツバメ飛行機』は
この先に有って
翼平面形の比率と
その他の諸々(昇降舵等)を
突き詰めなければ成りません。
これが
完全カスタマイズとは何か、の
一私案です。
でも
一つの折りの究極では有っても
これが
最上・最高・最強、では
有りませんので
そこはお間違い無く。
なお
滞空型『ツバメ飛行機』は
頭閉じにする事が可能です。
緩い差し込み式ですが
この折りならではの
頭閉じの方法ですので
この紙飛行機の制作者に
敬意を表して
『つばくろ留め』と
勝手に命名致しました。
頭閉じ『つばくろ留め』
誰も発表した事の無い
全く新しい頭閉じの方法ですので
ネーミングは
『つばくろ留め』で決定事項です。
誰にも文句は言わせません(笑)。