確か高2の文化祭のとき、となりのクラスは校庭に大きなハリボテのゾウさんを作りました。それにどんな意味があったのか、私にはわかりません。でも、そういうことをやりたい年ごろだから、森の中から出てきたゾウさんの前で写真を撮ってもらいました。

 

 となりのクラスの友人と、その友人の中学の時の女ともだちと一緒に、変な組み合わせだけど、撮ってもらったんでした。

 

 少しだけ気になってた女の子でしたけど、何となくサッパリとした、あんまりこだわりのない感じの、さわやかな女の子という感じでした。

 

 すぐ好きになりやすい当時のオラは、もちろんすぐに好きになりました。でも、手立てはあまりないし、そもそもそんな一瞬で好きになるって、それは甘い。オラみたいなどんくさい人間は、ほんとに好きなのか、何が好きなのかもはっきりしないんだから、もっともっと時間をかけて知り合わねばならないはずでした。

 

 残念ながら彼女との接点はあまりなくて、「いい子だな」とは思うものの、好きになったり、一緒にお話したりすることはありませんでした。残念でした。

 

 そして、何にもなく高校を卒業してしまいます。

 

 別に彼女をつかまえるために高校に行っているのではないから、それはそれでいいんだけれど、でも、気になったのは確かで、気持ちはその時のまま冷凍保存されてコチコチのままになっています。もう常温で復活させることもないし、カチコチのまま、そんなこともあったなと思うだけしかできません。

 

 だったら、そんなつまらないことはやめて、もっと前向きな、建設的なことを考えろ、とは思うけれど、何が建設的なのか? そんなこともわからないオラだから、まあ、この冷凍保存され、解凍しようにも方法がなくて、ただ冷たいものを遠目に見るばかりです。

 

 バカだねえ。いつまでもこんなことしてんだなあ。バカは治らないね。ほんとに時間の無駄だ。