4月が終わります。
本当につらい経験をした1カ月でした。
同い年の大事な友人を亡くし、涙ばかりの4月でした。
繁忙期に入り、さらに別件での仕事もあり、それらに没頭できるのがありがたいと思ったり。
だけど、やはり事あるごとに思い出す。
出会ってからそんなに長くなかったけれど、大切な時間を過ごせたことに感謝したい。
――本当にありがとう。
あなたは私の誇りだった。
大人になってから、初めて本当に欲しいと思って、自分から獲りに行った友人だった。
お互いに腹蔵なく話せて、ツッコミ合って、笑って。
仕事での辛いことも笑いの中に織り交ぜながら、処理していける。
そしてお互いのいいところも認め合えていける。
そんな――奇跡のように賢くて面白くて優しい、人だった。
余命宣告されていたなんて知らなかった。
知っていたら……とそれを思うたびに、悔しくて。
そしてなにより、本人がどれだけ辛かっただろうかと想像するたびに胸が痛くなる。
――同情されることが嫌いだったもんね。
我慢強くて、プライドが高くて、それでいてそのプライドを堅持できるほど仕事が出来て、
精神的にも決して人に甘えない。
最後まで責任感の強い、凛とした――大輪の薔薇のように美しい人だった。
棺の中に入れさせていただいた花は、薔薇ではなかったけれど、真っ白い花だった。
……お花、綺麗だよ、よく似合うよ。
そう言ったら、絶対照れるだろうなと思っただけで、ものが言えなくなった。
壊れた蛇口みたいに涙だけが溢れていた葬儀の日から少し経った。
ようやくあなたのことを文字にして書けるようになったよ。
私の大好きな薔薇を撮ったんだ。
見てね、って言ったら聞こえるかな。
またこっち来てよ。
一緒にあれこれ見て回ろう。
――聞こえてるよね?
なんだか……いたずらっぽく笑む顔が見える気がする。