『あるキング』 | プライベート日記

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阪神タイガースのことを中心に、
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おはようございますニコニコ
今朝のTV2局の占いは、
両方ともに1位でした。
果たしてどんな1日になるのでしょうか???

さて、今回読み終えた小説は、
伊坂幸太郎著『あるキング」でした。
今までの伊坂作品とはひと味違う、ある野球選手の不思議な物語です。
『Fair is foul, and foul is fair』(『マクベス』ウィリアム・シェイクスピア著)
という言葉が終始登場し、
この作品のポイントというか、軸になっています。
この翻訳自体、解釈がいくつかあるようです。
そして、この小説自体も、様々な解釈ができるような気がしました。
だからこそ、スッキリしない、というか釈然としない終わり方だったような気がします。
そもそも、主人公の短い人生で、
これほど、波がアップダウンが激しい人生はないと思います。
その上、主人公が人間らしくないことも、
なかなか悩ましいと思いました。
もちろん、この物語はフィクションであり、
こんな野球選手がいたら
今頃、日本のみならず、メジャーリーグでも大騒ぎになっていたでしょう。
しかし、やはり問題になることは生い立ちでしょう。
ある事件の発覚により、主人公・「王求」の人生が変わってしまいます。
その事件そのもの、また、小学生の時の事件も相まって、
一気に「影」の野球人生になってしまいます。
もちろん、元々王求の存在がきっかけであり、
それはそれで問題ではあります。
と、事件は事件で問題です。
まさしく、『Fair is foul, and foul is fair』。
これは人それぞれ価値観が分かれるところでしょう。
王求をはじめ、周りの人々はまさしく、
『Fair is foul, and foul is fair』の境を歩いています。
そんな主人公は淡々と野球をやっている印象です。
しかし、野球人生は過酷と言えます。
物語が始まった頃は、こんな暗い展開になるとは
思いもしませんでした。
むしろ、万年最下位球団を優勝へ導く、
明るく楽しいストーリーを予想していたので、
予想は外れた印象です。
もっとも、野球はチームプレーであり、
一人の力だけでは勝てない、
そんな典型例を小説化したような気がしました。
その一つが「敬遠」。
敬遠自体が『Fair is foul, and foul is fair』の例になっています。
この小説のみならず、現実社会でも問題になる「敬遠」。
私の記憶の中では、
松井秀樹選手の高校時代に「敬遠」されたことが思い出されました。
他にも野球内外で
『Fair is foul, and foul is fair』のような出来事が続きますが、
私達が生きていく上でも、この境は経験していると思います。
そんなこと考えさせれる作品でした。
読む易く、あっという間に読めてしまいました。



あるキング (徳間文庫)/徳間書店



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