『ゴールデンスランバー』 | プライベート日記

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今回、読み終えたのは、伊坂幸太郎著『ゴールデンスランバー』でした。

元々、この作品を知ったのは映画でした。

というのも、この国で「首相暗殺」なんていう言葉を聞いてしまったため、

非常に興味を持ってしまいました。

また、「冤罪」という話も聞きましたので、より関心が高まりました。

実際に、物語の中では、主人公は冤罪ですし、

主人公を良く知る人物は皆そのように感じる展開になっていました。

とはいうものの、警察やマスコミが「首相暗殺の犯人」という前提で動くため、

第三者は、そのような目で見てしまうのが現実であり、

そのことを如実に描かれております。

裁判員制度が導入されてしまっている現在、

このような「劇場型」犯罪は、明らかに「犯人である」という前提で見てしまう

典型例のような物語でした。

とはいうものの、反警察・反権力・反マスコミという人達が

これでもか!というぐらいに登場し、見知らず主人公に手助けするのも

摩訶不思議な感じもしました。

もし、本当に犯人ならば、犯罪者を野放して、

更なる被害者を出してしまったら・・という部分もあります。

いずれにせよ、現実社会で起こったら難しい問題を抱えますが、

それだけ、様々な意味で危険要素がある現代社会なのかもしれません。

そして、この小説の核心部分に触れてしまえば、

「真相は一体?」という気持ちになります。

「オズワルドにされるぞ」とあるぐらいに

ケネディ米国大統領暗殺が元になっている作品なのですが、

実際にあれこれ疑惑や噂があり、真相が定かではないこと真似してなのか、

小説でも何が何だかわからないまま終わってしまいました。

わかる方がいらっしゃったら教えてください。

ところで、この作品の形式的な特長については、

第1部として、「事件のはじまり」、

第2部として、「事件の視聴者」、

第3部として、「事件から二十年後」、

第4部として、「事件」、

第5部として、「事件から三ヶ月後」となっております。

この書籍の大部分は、第4部であり、物語の中心でし、

主人公の“青柳雅春”の動きや気持ちなどがわかる部分です。

また、上記第1部から第5部までご覧のとおり、

時間軸とはズレています。

まだ、第4部の中でも、微妙にズレている部分もあります。

それらの“ズレ”を把握し、理解すると

スッキリしますが、反対に何故、このような構成になったのだろう?と感じてしまいます。

もちろん、何度か戻ることになり、

「あれはこの時の伏線だったのか・・・」と。

特に、第1部から第3部と、第4部については、

文章の量も違いますし、角度が全く違います。

ゆえに、あの時点は薄い表現でしたが、

結果として、そんなに膨らんでいたんだ・・と。

ある意味、人生そのものであって、

多くの人にとっては、一瞬のことであっても、

当事者にとっては、重い出来事。

そんなことも感じてしまいました。

今回、この作品を通じて、今の現在日本におかれている問題点、

多くの課題などを検証できたような気がしました。

ちなみに、本小説は当然のようにフィクションであり、

「首相公選制」は憲法上、認められておりません。

究極な話をしてしまえば、そもそも論からおかしくなってしまうのが、

この作品の最も重要な特徴かもしれません。

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