一人小さい声で
頑張って
後ろから
もう一人小さい声で
おー頑張ってるね
多分聞こえていない
15mくらい歩いたとき
一人の若い看護師さんと目が合いました
その看護師さんは必死に歩いている彼女をちゃんと見てくれていました
彼女に聞こえる声で
おー、凄い
そんなに歩けるん
凄い、凄い
いつの間にそんなになったん
表情、声から看護師さんが本気で言ってくれていることが分かりました
彼女に私の口からも伝えました
看護師さんも言ってますよ
凄いって
それを聞いてから彼女は数歩先でふらつきました
危なくこけそうに
私は支えましたが
彼女は再び歩き始めました
少ししてから急に立ち止まりました
泣いてたのです
車椅子に座ってもらいました
ちょっと休憩です
どうしたのですか
嬉しくて
?
看護師さんが凄いねって言ってくれて
本当に嬉しくて涙が出てきて
気づいてくれた
こういう人が現れてくれるのを待ってました
その看護師さんは私と同期でありましたが、その時までは多くの看護師さんの中の一人
そんな印象でした
しかし、そんな彼女の発言が一人の患者に勇気を自信を与えてくれたのです
私は数日後、彼女にあの時声をかけてくれてありがとうと伝えた
彼女の口からも本音を聞くことができた