かめおかゆみこ です。
母が、一昨日~昨日と、老人クラブの企画で、
1泊2日の温泉旅行に行ってきたそうだ。
「歌って、踊って、楽しかったよ~。みんなに、歌
がうまいって言われてね。練習した成果があった
んだねえ」と言う。
母は、カラオケセットをもっていて、「上達しなくて
もいいの。声を出すのは健康にいいから」と言い
つつ、しばしば練習をしている。
昔、父に、歌が下手だと言われたのだという。そ
れを聴いて、「でも、お父さんだって、ひとのこと
言えるほど、うまくはなかったよ」と言うと、
「それ、お母さん、失敗したことあるの」と言う。
何の話かと思ったら、退職して退職者の会で旅
行に行ったときのこと。夜の宴会で、父がめずら
しく人前で歌ったのだという。
ところが、音程が、曲とずれて、上がったり下が
ったりしてしまう。まあ、よくありがちな話なのだ
が、見ていた母がいたずらを思いついた。
その様子が、手回しオルゴールのネジがゆるん
できた状態のように見えたらしい。
こっそり、父の後ろにまわると、ネジをまわすか
っこうをしてみせたのだ。まわりは大爆笑。仲間
うちの旅行だから、みんなも気楽なものだ。
が、これはキツい。私は父と性格が同じなのでわ
かるのだが、こういうとき、けっこうひそかに、メン
タルが傷つくのだ。
「お父さん、それから二度と人前で歌わなくなっ
たの」と言うから、思わず「そりゃあ、無理ないよ
ぉ!」なんて、返してしまった。
父が亡くなってから、母と電話をする回数がふ
え、こんなふうに父の思い出を聴くことがふえ
た。父は、苦笑いして聴いていることだろう。
アルバムから直接撮ったから、ぼけぼけ写真
だけど、2人とも楽しそうに笑っているなあ。