ちょっぴりですが、心身に少し余裕ができますと、何処かへ出かけてみようかな、と思ったりします。
前週、信州の神仏さま方に少しお力を分けていただけましたので。
昨年来、停滞いたしております、坂東三十三観音巡りへ出かけてみたいなぁ~と。
それでお姿の大きな仏様にお会い致したいなあ、と感じておりましてね。以前よりお会い致したくてしょうがなかった、日光中禅寺の立木観音さまへ会いに行こうかな、といろいろと調べておりました。
で、栃木県の坂東三十三観音さまは全て、さらに茨城県の坂東三十三観音さまの一部はいまだにお尋ねいたしておらないことが判明しまして。
ありゃありゃ、こりゃまだ、先が長いなぁと思いましたら、またまた、気持ちが萎えかかりました。
いやいや、いかんいかん!、折角、お力を分けていただきました神仏様方のお気持ちを無駄にしては申し訳ない、と冷静に考えなおしまして、行ってみよう!と思いついたのが「大谷観音」さまでした。
以前より、栃木県坂東三十三観音巡りを計画したり、東北行の帰りなどに高速を途中下車して寄って行こうかな・・・、と思いつつ、どうしても足が向きませんでしたお寺様です。
半日、時間が取れましたので、お伺いいたしてみました。
まず、ご門前の駐車場に車を入れ、山門から境内へ入らせていただきますと「いゃ~、こりゃ凄い!!!」の一言です。
まず岸壁の迫力に圧倒されます。当の本人は仏さまが「摩崖仏」と言う知識は全くございませんでしたので・・・。
本堂へ足を踏み入れさせていただきまして、仏さまのお姿が目に入りましたらもう。
いやいやいや、何とも形容のしがたい、とても芸術的で素晴らしい観音さまでございますよ、「大谷観音」さまは・・・。岸壁に掘り出された「摩崖仏」とは全く思えない、お姿!なのです。
こちら↑が観音さまがおわすご本堂と脇堂でございます。
このご本堂の中におわしますのが、大谷寺の千手観音さまなのですが・・・。
なんと、お姿はこのお堂の背面にございます岸壁に彫られておられる、日本最大級の摩崖仏さまなのでした。
ただの摩崖仏さまではございませんよ。四十七本ものお手全て、お体共に立体的で精緻なお姿が大谷石の岸壁に掘り出されておりまして、実に優美でシルクロードの香りを連想できる、大きくてそれでいて素敵な観音さまでございます。
事実、由緒書きには西方シルクロード出身の仏師の方の製作では・・、と記されておりました。
何とも印象的な観音さまでございますから「般若心経」を上げさせていただきますと、堂内岩窟にお経が響きまして、ああ、良いお経を上げて差し上げられた、と感じられましてホッコリいたしました。
棟続きの左側の脇堂岸壁にも大きな!仏様方が彫られておりまして、こちらは何となく、千手観音さまを彫られた方とは違い、日本での弟子の方の作、のように感じます。
特に江戸時代初期、徳川家康公の長女様の亀姫様(お母上はあの瀬名姫様)がこの仏様方を復興し、元よりも数段煌びやかに彩色復元されて御信心なされたそうですが、明治初期の火災で全て失われて、今は本地のお姿に戻られてしまっているのが、何とも残念でございます。
岸壁に刻まれておられる、こちらの仏様方の中に隠れるようにおわす童子?さまがおられまして、心ひかれましたので、こちらでも「般若心経」を上げさせていただきました!。
小生の拙い「般若心経」でも、実に心地よく聞こえる岩窟でございます、こちらは・・・。
ちょうどご本尊様方がおわす岸壁の裏側には弁財天さまが祀られております。小柄な仏さまでございますが、お力の強そうな、凛としたお姿でございます。
お使いの白蛇さまが居られまして、頭を撫でるとご利益があるそうでございます。
左側に居られます白蛇さまはトグロを巻いたお姿でございます。
宝物館もございましたので拝見いたしましたら、なんと!!。脇堂の仏さまの御足元の場所を昭和40年頃、発掘調査なされたそうなんですが、この岩窟の土中から11000年前と思しき、縄文男性のご遺骨が発掘なされたそうで、屈葬されたお姿のままで、そのご実体が展示!?されておりました~。
1万年もの間、土中に埋葬されておられたにしては、しっかりと骨も残っておりました。
でも、この男性、20歳前後の方にしては、歯のすり減りがあまり見られないように感じました。庶民とは違い高貴なお方だったのでしょうか・・・。
こちらのお寺様は弘法大師さまが開かれた、と伝わっております。お大師さまはやはり、天地大地の力の強い所を探しぬいて、その地にお寺様ですとか霊蹟を開かれておられます。
この地も太古の昔から現代に至るまで、そういったいわゆる強力な見えない力を発露しつづける「パワースポット」の一つなのでしょうね。1万年前の縄文男性のお姿も残る、さもありなんと。
本堂前境内で摩崖仏さま方のおわす御止山を眺めておりますと、赤とんぼが姿を見せてくれました。
若々しく瑞々しい色の赤とんぼでございます。
日差しはまだ少し強いですが、田んぼの稲穂はもうすっかり頭を垂れておりますし、宇都宮大谷の地は「秋」の色合いに溢れておりました!。
②へ続く・・・。
お寺様公式HP→http://www.ooyaji.jp/